貴族って馬鹿ばかりなの!?3
★とある離宮使用人視点
ワイゲン閣下の命により、寄り子貴族達の動向を見ていたが、
(閣下の懸念道理であるようですね)
つい三ヶ月も経たず内戦の傷痕も残る現状で、自分達だけが、新しい利権をどうやって得てそのおこぼれに預かるかそのような話ばかりである。聞いてるだけで唾棄したくなるが多くの貴族はそんなものと辟易してしまう、我々は所詮日陰者で、閣下の命に従うのみである。
(せめて領地持ちまでとは言わぬが、こやつらが蔑む成り上がりのクリス男爵様の爪の垢でも飲み物に入れたい物だ・・・)
表面上はにこやかに、内面では本気でそう考えていた。
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離宮使用人A「ようこそクリス男爵様」
「あ、ご苦労様、数日は大変であろうが頼んだぞ」
離宮使用人A「こっ、これはありがとうございます」
使用人達に行き渡るよう軽くつまめるお菓子の差し入れである。
これから数日は、面倒な貴族の相手であろうから気苦労が絶えない筈だ。
今日の派閥の会合もすでに集まっているだろうし。その後の夜の舞踏会にと、気の抜けない時間は実に耐え難いきつさだ。僕としてもクリスタル商会からしても魚心はあるので、ちょっとした心遣いを使用人達にしているのだが、使用人達から好評と耳にしてる。
あっ、そうそう闘技場で味方になった元闇ギルドだった彼女達もこの何処かの離宮で仕事をしているはずである。
ようするにクリスタル商会の見目の良い従業員が多いため、
王家からお手伝いとして入り込ませていたりする。
勿論寄り親であるワイゲン公爵閣下にも相談した上で、ワイゲン閣下が密偵の一翼としてるようだが、僕としては何も聞かないようにしている。
因みにこれを指揮してるのは、クロエだったりするのだから・・・、
もはや僕って、要らない子扱いではないかと・・・、
思ってたりするんですがね~。
クロエが商会乗っ取りとかしないようで、今の所は安心していいのか悪いのか・・・、
少し、と言うかめちゃくちゃ不安になる今日この頃です。
「ゲームの世界なのにナゼカ世知辛い気分になるよ~、父さんの仕事も大変だと聞くし将来の安定には公務員が一番なんだけどね~」
ちょっと小さく嘆息してしまうのは将来の不安だけではないのだろうな、
「じいさんも高弟の面々連れて近々参戦するとか言い出してたし、波乱の予感仕方ないぞ・・・」
何時になるかまだ決まってないが、この間アルバイトの品を伯父さんにわたした後、じいさんが突然言い出したのだ。
それが頭から離れず。嫌な予感が頭を過ったのだ。
「また、僕関連からとか言われそうですね~」
最近は運営もクリスを絡めてイベを考えてる節もあって何とも言えないのであった。