表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新米城主、ノリと勢いで。  作者: 大紅三
第三章 信用
40/70

混戦

 少女は馬にしがみ付き、どうにか乗り直した。ゲオルグは鼻からため息を吐く。

「……ひょっとしてお前、馬鹿なんじゃないのか?」

「う、うるさい! とにかく貴様は許さん! このバラの騎士ロッティーナが成敗してくれる! 覚悟ーっ!」

 ロッティーナの突進によって試合が始まった。ゲオルグは腕の長さを活かし、先に攻撃を仕掛ける事にする。

「それっ!」

 槍を右手に構え、添えた左手の中を滑らせて胴体を狙った一撃を放つ。

 ロッティーナは素早く右手で剣を引き抜くと、槍の切っ先に当てて受け流した。

「我がパブロワ流双剣術を受けよーっ!」

 手綱を持ち替え、さらに左手でも剣を引き抜くとゲオルグの首を突き刺すように大きく伸ばす。ゲオルグは予想していなかった反撃をどうにか盾で防いだが、バランスを崩して大きく上体を後方へと反らせた。パリカールも苦しそうにこらえ、強く息を吐く。

「あ、危なかった! まさか双剣を扱うとは……」

 ゲオルグは素早く体勢を立て直し、剣を低く構えて直進してくるロッティーナを迎える。槍で右手を払うように狙った。ロッティーナはそれを右手の剣で難なく弾くと、そのまま攻撃を仕掛ける。

「一の太刀っ!」

 ゲオルグは馬体を離してそれを回避すると、素早くパリカールの向きを反転させて背後を取った。回り込んで背後から槍で狙う。

「これでどうだ!」

「なんの、二の太刀っ!」

 ロッティーナは左手の剣を振り向き様に放った。ゲオルグの攻撃を読んでいたかのように槍の先を捉え、弾き返す。両者は再び距離を取った。

 その後も槍と剣は十数回交わりあったが、お互い決定打がないまま時間が経過していく。ゲオルグが審判の背負う巨大な砂時計を見ると、すでに半分ほど落ちていた。そして、自分の下で猛烈な熱を帯びるパリカールの体が気になった。

 その様子を見たロッティーナが高らかに笑う。

「ハハハハッ! ついにロバの足が止まり始めたな!」

「そうか……わざと時間を稼いでいたんだな?」

「その通りだ! 今頃になって気付くとは馬鹿な奴め!」

「お、俺のかわいい相棒になんてひどい事を……」

 ロッティーナが突撃をかけて来た。

「これで終わりだーっ!」

 ゲオルグはパリカールの頭をポンと叩く。

「すまなかったな。よし、お前をちょっと休ませてやろう」

 ゲオルグは腰をひねって槍を引くと、

「だりゃあーーっ!」

 ロッティーナ目掛けて思い切り投げつける。

「なにっ!?」

 思わず盾で防ぐと、盾は瞬時に中心からバラバラに砕けた。

「くそっ!」

 不意を突かれて体勢が悪くなったロッティーナは、ゲオルグの横を通過しようとする。

 その時、ゲオルグがパリカールの背中を蹴ってロッティーナの馬に飛び乗った。

「なかなかの乗り心地だな」

 ロッティーナの後ろで歯を見せて笑うゲオルグ。急な来客に馬はパニックに陥った。指示も聞かずに闘技場内をぐるぐる走る。ロッティーナはそれを制御しようと、二本の剣を投げ捨てて必死に手綱を引く。

「わぁーっ!? と、止まれーっ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ