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新米城主、ノリと勢いで。  作者: 大紅三
第三章 信用
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騎馬試合

「……」

 黙りこむオリンの様子を見て、ジョアンナはゲオルグの胸ぐらから手を放した。

「悪ぃ、どうやらあたいがドジっちまったようだな」

「いいんだ。それより、バルガが何をしたのかを教えて欲しい」

「オリン、話していいか?」

 小さく頷いたので、ジョアンナはゲオルグを座らせた。

 ついでに出されたミルクをゲオルグが飲む。

「バルガはここの騎士団長だろう?」

「そうだ。テメェは西ベルンの人間じゃねぇから教えてやるけどよ……」

 ジョアンナがゲオルグの耳元で呟く。

「以前、酔っ払ったバルガの野郎がオリンにふざけかかったせいでよ、高価な壺が割れちまったんだ。それを全部オリンののせいにしていじめやがるんだよ。ムカつくだろ」

 ゲオルグは深く唸った。

「うーん……で、その壺の値段は?」

「一千万ミール。あたいらメイドがどんなに働いたって払いきれなねぇ額だ」

 オリンが涙ながらに訴える。

「いいんです……あれは仕方なかったんです……」

「仕方なくねぇよ! そのカップだって、割れるくらいの力で投げつけられたんだろ!?」

「そうですけど……」

「くそっ! 金さえありゃあ、すぐに弁償してオリンのケツを拭いてやれんのによ!」

 重苦しい雰囲気の中、ゲオルグがミルクを一気に飲み干した。

「オリン……悔しいが、俺にもどうする事もできない」

「いえ、ゲオルグ様、ありがとうございました。話まで聞いてくださって……」

「頑張ってくれ。強く生きるんだ」

 メイド達にオリンを任せて部屋を後にした。晴れない気分で廊下を歩くていくと、別の部屋から大勢の男達が話し合う声が聞こえてくる。扉が開いていたので中を覗けば、鎧を身に着けた兵士達がいた。

 その中に、カールの姿もあったので声を掛ける。

「カール、おい、カール」

「やあゲオルグ。この物見のカールの事を覚えてくれていたんだね、ありがとう」

 ゲオルグを中に招き入れる。

「こっちに来てよ。なあに、僕らは襲い掛かったりしないから」

 カールが周りの兵士にゲオルグを城主だと説明すると、兵士達が集まってきた。

「ところで、この部屋の集まりは何だ?」

「あれ、知らないの? 今日は西ベルン城の騎馬試合があるんだよ」


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