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部屋へ
少し歩くと、ゲオルグはテレーズの部屋の前に着いた。そこは少し気温の低い場所にあり、周りよりも薄暗い。三回扉を叩く。
「……誰です?」
「ゲオルグだ」
「入ってください」
呼吸を整えてから扉を開ける。テレーズが椅子に腰掛けて紅茶を飲んでいた。
「ここに座ってもらえるかしら」
彼女の正面にある椅子へと座る。部屋の内装はソフィーティアの様相と同等な程に豪華だった。違う点といえば、バラの良い香りが立ち込めている事である。いざ来てみるとさすがに緊張したので、ゲオルグは一度呼吸を整える。この場の空気に馴染むためだ。
テレーズはゆっくりと紅茶を入れ、ゲオルグに差し出す。
「どうぞ」
薦められたが、まともに物が喉を通るとも思えなかった。重圧で喉はカラカラに渇ききっていたが、手は伸びない。頭の切れる女だ。毒入りの可能性も、ゼロではない。
テレーズが催促するような視線を送った。
「熱いのは、苦手?」
「そうじゃない……」
ゲオルグは意を決して口を開く。
「はっきり言おう。俺は君が怖い。だから、早くどんな刑罰になるのかを知りたい」
「……」
テレーズは飲みかけのカップを置いた。
「す、すみません……」
「えっ?」
「そんなつもりで呼んだのではないのです……」
「……どういう事だ? 俺を怒るために呼んだんじゃないのか?」




