1.5日目 ～夜逃げではありません～
今回はセリフのみです。
浩「さて、状況の整理をしようか」
奈「突然冷静になったわね」
浩「茶化すんじゃない。今回は真面目な話だ。現状俺たちはゲームの世界に紛れ込んでしまったらしい」
奈「まぁ、それが一番しっくりくるわよね」
浩「見た感じいつものゲームキャラのままだし、ステータスも見れるから操作に支障はない」
奈「それで？」
浩「ただ、1つだけいつもとは違う大きな変化を俺は見つけてしまった・・・」
奈「いつもと装備が違うわね」
浩「そこじゃねぇよ！確かにボーナス入ってちょっと奮発しちゃったけども！この鎧、侍っぽくてかなり気に入ってるけども！ちげぇよ！」
奈「ちなみに、あたしも少し装備変えたんだけど、どう？」
浩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・い、いいと思う」
奈「十連突き！！」
浩「あぶねぇ！この近距離でスキル使うんじゃねぇ！」
奈「女心の分からない男の定めよ！諦めなさい！それに、近距離だろうとあんたに攻撃なんて当たらないだろうし」
浩「当たるよ！？さすがの俺でもこの近距離でお前のスキルは避けれねぇよ？」
奈「とか言いながら、傷一つないじゃない」
浩「ここ最早ゲームじゃないの！当たったら痛いの！」
奈「・・・・・・いい医者紹介しましょうか？」
浩「痛い奴じゃねぇよ！正常だよ！俺を取り巻く世界が異常なんだよ！」
奈「・・・・・・・・・」
浩「ごめん、今のとこ言い直しさせて。なんか本当に痛い奴のセリフみたいになってる」
奈「・・・・・・・・・」
浩「本当に違うから。痛い奴じゃないから。世界がおかしくなってるって言いたかっただけだから」
奈「十分に痛いセリフな気がするんだけど」
浩「じゃあ、この状況はどう説明するんだよ！」
奈「・・・異世界に転生しちゃった、てへっ・・・みたいな？」
浩「・・・・・・・・・・・・」
奈「何よ、その「うわぁー、こいつ自分の年齢気にならないのかよ」みたいな視線！」
浩「・・・・・・いい医者紹介しましょうか？」
奈「痛い奴じゃないわよ！正常よ！あんたが言わせたんでしょうが！」
浩「言わせてはいない」
奈「・・・・・・」
浩「・・・・・・」
奈「も、持ち物とか変化はあったの？」
浩「そ、そうだな。確認しないとな」
奈「持ち物は・・・変化ないわね。最後にログインした時と同じ物持ってるわ」
浩「ステータスも変化ないな。頑張って上げたLvが初期化、と言う悪夢は回避できたみたいだな」
奈「お金も持ってるわね」
浩「さて、そんな“未来の事も考えて金貨はしっかりと預け所に預けて貯めておく系女子”のななみんに、“お金なんて常に持っておいて使いたいときに使う系男子”の俺から朗報がございます」
奈「何よ。ってか、ななみん言うな」
浩「なんとなんと、村に預り所が見当たりません」
奈「・・・は？」
浩「建物ごと見当たりません」
奈「あはは、浩平さんったら、ご冗談を」
浩「信じるか信じないかはななみん次第だけど、手持ちあんの？」
奈「どうせ浩平が見間違えただけでしょ？ちょっとあたしが行って見てくる！」
浩「あぁ、無いのか・・・」
―――――― ルドの街の酒場 ――――――
浩「くぅ。ゲームの世界でもやっぱ酒はうめぇなぁ」
奈「・・・・・・」
浩「お、ななみん。どうだった？」
奈「ゲームにバグが発生してた」
浩「理解した」
ちなみに自分はななみん派ですね。
貯金しようと頑張ってはいます。
