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世界が変わっても2人の日常は変わらない  作者: 三流フラグ建築士 mako17
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0日目 ~世界が変わる前~

――――――東京都某所 IT関連企業3F休憩室(浩平サイド)


書類仕事に疲れて休憩の為に席を立った俺、吉田浩平は休憩室の自販機前で顔見知りを見つけた。

相手も気付いたようで、こちらをちらちらと伺っている。


俺は自販機の前に立つと財布から小銭を出した。

2つ分の金額を自販機に投入すると缶コーヒーを2つ買う。

そして胸ポケットに入れてあるメモ帳を取り出し1ページだけ破ると、必要最低限のメモを書いて片方のプルタブ部分に挟みこんだ。


顔見知りは同僚と話をしていたようで、話に一区切りついたところでこちらに目線を送ってきた。

俺はそのタイミングを見逃さず、手に持っていた缶コーヒーの片方を顔見知り目掛けて放り投げる。

顔見知りは少し驚いたような顔をしたが、放物線を描いて飛んでいった缶コーヒーを何とかキャッチした。


缶コーヒーが届いたことを確認すると、俺はオフィスへと戻る為元来た道を引き返す。

我ながら中々気の利いた渡し方だったと思う。

これなら俺たちの関係がバレる事もないだろう。





――――――東京都某所 IT関連企業3F休憩室(奈々美サイド)


休憩室で同僚の子達と休んでいたら、オフィスの方から顔見知りが近付いてきた。

あいつにちょっとだけ聞きたい事があるんだけど、今は同僚の子達と話の途中なので離れられない。

仕方がないので「ちょっと待ってなさい」とアイコンタクトを送っておく。


「高村さん、どうしたの?」


アイコンタクトに夢中になりすぎて会話に参加できていなかったあたしに、同僚の1人が声をかけてくる。


「え?な、何でもないわよ」


慌てて取り繕うが時すでに遅く、同僚の1人が自販機で缶コーヒーを買うあいつの姿を見つけた。


「あ、吉田君だ。そっか、高村さん吉田君と・・・」

「なるほどねぇ。高村が上の空になる訳だ」

「だから、あいつとはそんなんじゃないってば・・・」


あたしとあいつの関係を勘ぐってくる2人を何とか説得しようとしながら、もう一度あいつに「ちょっと待ってなさい」アイコンタクトを送る。

すると、何を思ったのかあいつがこちらに缶コーヒーを放り投げてきた。

突然の事に少し驚きながらも、何とか缶コーヒーをキャッチする。

それを見ていた同僚たちがニヤニヤとあたしを見ながら詰め寄ってきた。


「ねぇ、高村ぁ。今のを見せつけておいて何もないなんてしらばっくれないわよね?」

「いいな。私もあんな風にサラッとコーヒー奢ってくれる彼氏欲しいな」

「え?何?何が起こったの?」

「どうせ仕事終わったら吉田の家に転がり込むんでしょ?あー、だからいつもあんな下着付けてるのかぁ・・・」

「下着は関係ないでしょ!?」

「それより、吉田君のくれたコーヒーに何か挟まってるよ?」


同僚の言う通り、キャッチした缶コーヒーには紙が1枚挟まっていた。

勘の良いあいつの事だから、きっとあたしの聞きたかった事の答えが書いてあるんだろう。


「どうせしょうもない事よ」


そう言いながらあたしは折り畳まれていた紙を開いた。

そしてそこにはあたしの予想通り聞きたかった事が簡潔に書かれていた。


『19:00 いつものところ』


「現行犯逮捕ぉーーー!」

「ち、違っ」

「いつもの場所、と言う事はそう言う事ですよね?高村さん」

「確認を取るまでもないわねぇ。現場証拠を押さえたわ」

「違うんだってば!誤解よ!」

「ここまで証拠が揃ってるのにまだ言い訳するのね、この子は」

「いつものところ・・・いつもの・・・はぅ~・・・」

「弁解させて!誤解だから!」


あたしは直ぐに元凶のあいつを睨もうと廊下に視線を送ったが、すでにあいつはオフィスの方へと戻ろうとしていた。


「あ!また高村が吉田の方に視線を送ったぞ!」

「離れていても2人は通じ合ってるんですね!」

「だーかーらー!」


同僚2人の誤解を解くために必死になりながら、次あいつと会ったら問答無用で1発殴ってやろうとあたしは心に決めた。

書きたい時に書きたい事を書いていたらこうなりました。

喧嘩ばかりの2人ですが、気長に見ていただけたらと思います。

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