第8話 託された願い
クレサスに連れられ城へ入るとさっきは魔王軍の事でよく見てなかったがすごく高級感溢れる内装だった。周りには西洋の鎧的なものや凄く高そうな絵画など壊してしまったらと考えるとゾッとするものばかりだった。
しばらく歩くと大きな扉の前に着いた。
「ここが王座です…しばらくお待ちください」
クレサスはそう言うと大きな扉の中に入っていった。
「ローグさん、クレサスさんはどれくらいの強さなのですか?」
「そうじゃな…敵には回したくないな」
武神と呼ばれた人にそこまで言わせる人物…慎也はクレサスに興味が湧いた。
それからしばらくすると大きな扉がゆっくりと開き、中には王とクレサスがいた。
「改めまして私は騎士団の団長を務めていますクレサス・モーゼンと申します。この度はグランガイアの民を、都を守って頂きありがとうございます。」
クレサスは改まり慎也達にそう言うと深々とお辞儀をした。
「お主らが居らんだら今頃グランガイアは最悪の状況に陥っておった…ホントに助かった」
王座から立ち上がりこちらへ来ると慎也に一本の刀を渡した。
「この刀は5代目の勇者が使ったとされる武器で能力を使う引き金になると思うからお主に預ける必ずや魔王を討伐しくてれ…」
王はそう言うとローグと話がしたいと言ったため慎也達は先に城から出ることにした。
「五代目の刀か…5代目はちなみにどんな能力なんだ?」
慎也は刀を鞘から抜き刀身を見ながらミーナに尋ねた。
「5代目は圧倒的スピードと雷を纏う刀を使うとして知られていましたよ」
「へー雷を纏う刀か…」
その時慎也は魔王軍との戦いで忘れていたひとつのことを思い出した。
「そういえばミーナ、街で仲間に出会えたのか?」
「はいばっちりです!少し癖はありますけどいい人でしたよ!」
ミーナは満面の笑みでそう答えると早く行きましょうと言い慎也の手を引っ張った。
「お前に癖があるって言わせるやつかーどんなやつか気になるな」
慎也はミーナを見ながら笑いながら言った。
「ちょっ!それどう言う意味ですか!」
ミーナは少し怒ったのか慎也の手を強く握った。
「それでなんて言う街なんだ?」
「ファステリアスという街でエストレアで3番目に大きい街ですよ」
ミーナはそう言うと転移魔法を唱えようとした。
「ちょっと待て!せっかくだし歩いて行こうぜ!」
せっかくの異世界を転移魔法で移動するのは勿体無いと慎也はミーナを止めた。
「えー私歩きたくないです」
ミーナを凄く面倒くさそうな顔をして慎也に行った。
「まあまあお前は飛べるだろ」
「でも魔力使いますし…」
「疲れたらおんぶでもしてやるよ」
慎也はそう言うとグランガイアの入り口の門を走り抜けた。
「ホントに慎也さんは何考えてるかわかりませんよ」
ミーナはそう言うとしぶしぶ慎也について行った。
続く
ファステリアスの説明
ファステリアスの料理はエストレアでも頭一つ分飛び抜けてうまいと有名な街。さらにファステリアスは絶対的な防御力を誇る壁で覆われており外敵からの攻撃を受けたことがあまりない。