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第7話 新たなる希望


ゆっくりと戦場を歩いている慎也を倒そうと魔王軍の兵士達は必死になっていた。どんな攻撃も効かない…そんなチートじみたやつに魔王軍の兵士達はなすすべがなかった。

「なんだこいつ!化物だ!」

その言葉に慎也は思わず笑ってしまった。怪物に怪物と言われるこれほどおかしい事は今までになかった。

「怪物って…あっははお前鏡見ろよ」


「くっ…ガレス様を呼べ!大至急だ!」

そう言うと何匹かがどこかへ走って行ってしまった。

「ガレス様が来るまで俺が時間を稼ぐ!」


「稼げると良いね」

そう言い終わり慎也は微笑むと一瞬にして兵士を叩き潰した。

「話にならないな」

血のついた手を上下に振っているとほかの兵士とは比べものにならない気配を感じた。

「お前か俺の部下を殺してくれたのは」

そこには慎也の2倍ぐらいの大きさの人型の怪物が立っていた。

「だったらなんだ?殺すか?やって見ろよ」


「安い挑発だな」

そう言いゆっくりと近づいてきた。

まだ距離に余裕があると思い先手を打とうとした時ガレスがいつの間にか目の前にいた。

「なんだ見えなかったのか?」

そう言うと慎也の腹を思い切り殴った。

殴られた慎也は5メートルぐらい吹っ飛んだ。

能力で硬質化してあったはずの体に激痛が走った。

「どうした?そんなものか?」


「まだまだこれからだよ!」

体に走る激痛を我慢しながら立ちあがると拳を強く握りしめ今出せる渾身の力でガレスを殴った。

「久しぶりに痛みを感じさせてくれる人間に出会ったな…」

ガレスは嬉しそうににやりと笑うと慎也の顔よりも一回りでかい拳を再び握りしめ殴りかかった。

それを顔面で受け止めカウンター入れた…手応えはかなりあった。

「この俺と殴り合える人間なんて久々に出会った!」

凄く嬉しそうに言った…まるでおもちゃで遊ぶ子供のようだった。

「残念だが俺は嬉しくないね…」

あんなパンチを何発も喰らうのは無理そうだった。慎也1歩後ろに下がると足に力を入れた。

「そろそろ終わらせようぜ」


「望むところ!」

そう言うと慎也に突っ込んできた。足に込めていた力を開放し、凄い勢いでガレスにタックルした。「仕留めた…」そう思った瞬間ガレスはゆっくりと立ち上がり慎也を見ると「いい攻撃だな…」そう言い拳を上に挙げ振り下ろした。

この時慎也敗北を…死を覚悟し、目を閉じた。

「まだ諦めるには早いよ…」耳元で落ち着いた声が聞こえ目を開けると1人の青年がガレスの拳を剣で受け止めていた。

「っ!お前まさかモーゼンか!」

さっきまで余裕があったガレスの余裕が完全になくなっているのがわかった。

「ということは騎士団が到着したのか…部が悪いな」そう言うとガレスはその場から消え魔王軍の兵士達も引き上げていった。なんとか魔王軍を退けることは出来たが街の被害はとても大きかった。

「ありがとうございます…えーと」


「あ、僕はモーゼン・クレサス呼び方は好きな呼び方でいいよ」


「さっきはありがとうございますクレサスさんあ、僕は神谷慎也です」


「慎也ですか珍しいですね」


「ちょっと色々事情がありまして」

死んだ時のことからすべてのことをクレサスに話した。クレサスしばらく難しい顔をしていた。

「こことは別の世界の住人…そう言えば…」

なにか思いだしたのか手を叩き慎也の方を見た

「どうしたんですか?」


「そう言えば3年前にも君と同じ境遇の女の子が居たと思ってね」

その言葉を聞きしばらく驚きでなにも言えなかった。

「どうしたの?」


「クレサスさん!その子はどんな子ですか!?」


「えっと確か黒髪のショートカットで大分小柄だったよ」

その言葉に再び言葉が出てこなくなった。

「でも今はどこに居るかわからないんだごめんね」


「いえその情報だけで充分です」

ここの世界で魔王を討伐する以外に新たな目標が出来た…それは3年前に事故で亡くした妹かもしれない女の子を探すことだった。

ふと後ろを振り向くとローグが立っていた。

「お主大丈夫か?モーゼンも一緒だったなら大丈夫かの…」


「ローグさん元気そうですね」

この2人の関係は喋り方からして師弟関係だと感じた。

「あ、慎也さーん」

久々に聞いたがすぐに誰の声かわかった。

「っ!ミーナお前どこいってたんだ!」

慎也はミーナの肩を掴み問い詰めた。

「そ、それは仲間探しにちょっと違う街まで…」


「なんだそうか良かった…」

無事だったことに慎也は安心した。

この時いつもは帽子でよく見えなかった顔が見えた。その顔は妹にそっくりだった…他人のそら似だと思った。だが念のためミーナにいくつか質問をしておいた。

「なあミーナお前生まれはどこだ?」


「急ですね私の生まれはレザリアって地域でサグレスタと言う魔法使いの家系に産まれましたよ」


「そうかありがとう」


「急にどうしたんですか?」


「いやただ気になっただけ」

少し期待していたため残念だったがミーナが無事なだけ良かった。

「とりあえず皆さん城に戻りましょう」

そうクレサスは言うとみんなを連れ城へと戻った。



続く




キャラ紹介

モーゼンクレサス年齢23

若くして帝都最強の騎士になった青年

なにやら暗い過去を持っている様子


ガレス年齢不詳

見た目は人型の怪物

力がとにかく強く硬質化している慎也に激痛を与えるほど

昔は人間だった?

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