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第4話 武神との出会い

つい数時間前に通った道を再び歩いている事にうんざりしながらふらついた足取りで都へと向かっていた。10分位歩いた時にある違和感を感じた。



さっきから全く同じ景色の所をずっと通っている気がした。



「なあミーナここさっきも通らなかったか?」



「確かにそうですねこの木の傷はさっき私がつけたものですし…」



そう言いミーナは飛ぶのを止めゆっくりと降りると深刻そうな顔をしながら言った。



「これは幻術の類ですね…私は魔法使いですがこれは相当レベルの高い幻術です…」



ミーナの魔法使いとしての強さは良く分からないが状況が最悪なのはすぐに分かった、それにしても異世界に来て早々幻術にハマるとは運が悪いのやら良いのやら、とにかく面倒だった。



「これどうやって抜けるんだ?まさか向こうが幻術を解くまでじゃないよな?」



ミーナの顔を見ると答えを聞くまでもなかった。



今の状況をどうしたら切り抜けれるか…それを考えていた時だった、さっきまで隣にいたはずのミーナが消えていた。



「おいっ!ミーナ何処だ!?まさか…」



ミーナの消えた理由が2つ思い浮かんだ、1つは転移魔法を使って自分だけ幻術から抜けた。



だがこれは相当可能性は低かった、なぜならミーナ自身が深刻な顔で『相当レベル高い幻術』と言っていたからだ。



そう考えると幻術をかけてきた術者が連れ去った…これが一番可能性が高かった。



どこから襲われるか分からない状況に危機感を感じつつもどうこの状況を脱するかを考えていた。



するとどこからともなく低い老人の声が聞こえてきた。



「この程度の幻術を破れんとは勇者も落ちぶれたもんじゃの…」



「何処だ!身を隠してないで出てこい!」



森に響き渡る声で叫んだが声の主は見当たらなかった。


すると『ここじゃ』と言う声が真後ろから聞こえてきた、すぐさま後ろを向くとそこには拳を握りしめ、殴る構えをした老人が立っていた。



『俺の冒険はここで終わるのか』そう思い目を閉じた…



「なに戦闘中に寝とるんじゃ…」



額にぺチンと言う音と共に目を開けるとそこには必死に笑いを堪えるミーナと呆れた顔をしているさっきの老人が目に入ってくる、もう幻術も解けているらしかった。



だが全く状況が飲み込めなかった。



「何が起こっている…そんな顔じゃのう。まぁ話はこの嬢ちゃんから聞いてくれ」



そう言いトコトコと老人は歩き始めた。



「私達もついて行きますよ慎也さん。」



「分かったがそれよりあの老人は誰なんだ?」



「彼は前の代の勇者と一緒に魔王を封印した武神と呼ばれた人なんですよ。」



そう言われ老人を良く見るといたるところに傷があり服の上からでも分かるほど筋肉がついているのが見えた、だがなぜ武神が今、このタイミングで出てくるのかは良く分からなかった。



「武神って…そんな武神が俺になんの用なんだ?」



老人は少し歩くスピードを落とし俺の横へと来た。俺の体をじっくりと見つめながら言った。



「お主能力を発現したばかりじゃろ。魔王を討伐するならそんな力じゃ魔王の城にすらたどり着けんぞ」



そう言うと老人は歩くスピードを戻し、また前へと戻った。



自分はまだ弱い事をようやく実感し、無言で老人の後を歩いた。



1時間位歩くと大きな岩山が見え、老人は岩山の中でもほとんど直角の場所を選びその前に立つと

「ほれここを自力で登ってこい」と言った。



ミーナはざまあみろと言わんばかりの顔でこちらを見ていた。老人が何かを思い出したように手をぽんとならし言った。



「言い忘れておったが1週間時間をやるからその間に登ってこい」



そう言うとミーナと老人は転移魔法で山の頂上へと消えていった。



あたりを良く見てみると人の骨らしきものがいっぱい転がっていた。



「人骨…こんなのどうやって登るんだよ…だけど少しテンション上がってきたな!」



下手したら自分も死ぬかもしれないと言う緊張感がより一層俺の心を昂らせていた。



「1週間も猶予があるその間になんとしても登りきる!」



そう決心すると慎也は崖に手を伸ばした。




新キャラ紹介

謎の老人

名前 ローグ ストラガン 別名 武神

その名の通り武術を極めし者。

しかし彼の若かりし頃、つまり武術を極める前は幻術などを使い戦うタイプだった。しかし幻術で大切な者を守れなかった事から誰もを守る武術を会得する事を誓った。

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