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ダンジョンマスター with 妖精 ~ひたすら型破り~  作者: 紅蓮グレン
第5章:マスターと依頼

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75.深さ92~99 目覚ましとステータス

『主君、夜が明けましてございます。』

「ん……もうそんな時間か。ローディアス、俺はどのくらい寝ていた?」

『およそ5時間程でございます。』

「そうか、悪かったな、ローディアス。寝る前に言った時間を2時間もオーバーして。」

『いえ、お疲れの場合は安眠を取るのが一番でございます。』


 そう言って1人でうんうんと頷くローディアス。


「お前は眠らなくていいのか?」

『某は瘴気を吸収して回復するタイプですので、心配は無用でございます。食事はほとんどとりませんし、睡眠でも回復は不可能です。』

「そうか。ならいいが。」


 俺はそう言ってユリアを見る。ユリアはソフトアースの効果でまだ柔らかい地面の上で丸くなって寝ていた。


『どうされましたか、主君? ユリア殿をじっと見られて。』

「いや、何となくだ。」

『隠さなくてもよろしいのですよ。寝込みを襲おうとしていらっしゃったのでしょう? ククッ、主君は鬼畜ですからな。』

「お前さ、そういうところさえなければ有能なのに、何で余計なこと言うんだよ……ったく、凍りつけ! 【ダイヤモンドダスト】!」


 俺の呪文によってローディアスが凍りつき、地面に落ちた。一応顔の部分だけは凍らせていないが、それ以外は氷で完全に拘束している。


『し、主君、これは流石に酷いのでは……』

「酷いのはお前の脳内だ。何度言っても懲りない奴にはこの位やって然るべきだろう。」


 俺はそう言うと、身動きが取れないローディアスに近寄り、頭を小突いた。


「俺は鬼畜じゃないからな。お前がエリートだというのなら俺が鬼畜な行動をしたというその理由と原因を明確にし、因果関係を示して回答しろ。15秒以内に。」

『某のエリートは……』

「頭脳面じゃないんだろ。だが、ダイヤモンドダスト如きで凍りつくお前は戦闘面のエリートでもない。ただの案内人だ。役立たずって言われても文句言えないぞ。」

『某とて身を張って庇うぐらいのことはできます!』

「そうか。なら俺が危なくなったら頼むわ。」


 俺は気の抜けた声でそう言うと、ユリアに近付き、


「【アースバウンド】!」


 と呪文を唱える。すると、ソフトアースの効果で柔らかくなっていた地面がまるでトランポリンのように揺れ、丸まって寝ていたユリアはその揺れに連動するようにポンポンと地面を飛び跳ねた。300回ほど跳ねたところで魔法を解除する。しかしユリアは、


「んゆ……リチャードさん……むにゃむにゃ……」


 まだガッツリ熟睡していた。


「これだけ揺れてまだ寝てられるのか……【アースクエイク】!」


 俺はもっと強く地面を揺らすため、アースバウンドの上位版の魔法を使用。地面がまたもグラグラと揺れ、ユリアはフライパンの上のポップコーンのように激しく飛び跳ねまわった。しかし、魔法を解除してユリアを見ると、


「えへへ……リチャードさん……むにゃむにゃ……」


 まだまだガッツリ熟睡中。


「夜中に地震が起きたら確実に逃げ遅れるよな、これ……しかも何で寝言で俺の名前呼んでるんだ……」


 俺はこう呟くと、実力行使に出ることにした。ユリアにこう囁いたのだ。


「ユリアさん、今この状況でモンスターが来たら俺はあなたを置いて全速力で逃げますよ。」


 本当はこんな心にもないことを言いたくはないのだが、起こすためには仕方がない。しかしユリアはこれでも、


「はにゃあああ……リチャードさん……むにゃむにゃ……」


 ガッツリ熟睡したまま。なぜか鼻血が出ている。


「これでも起きないとか、ある意味凄い才能だな。」


 俺はそう言うと、本当に実力を行使することにした。


「【スリープ・ドリームモード・ナイトメア】!」


 俺が呪文を叫ぶと、ユリアはガバッと起き上がった。


「おはようございます、ユリアさん。」


 俺が微笑みかけると、ユリアは俺に抱き付いて泣き始めた。


「リチャードさん! 怖かったです! 怖かったです!」

「どうしたんですか?」

「リチャードさんに攻撃魔法を打ち込まれまくる夢を見ました……何を言ってもやめてくれなくて、すっごい怖かったです……」

「変な夢を見ましたね。でも大丈夫ですよ。現実で俺はそんなことしませんから。まあ、闇堕ちしてる時は別ですけど。」

「最後に不安な一言がくっつきましたよ?」

「大丈夫ですって。」


 俺はそう言うと、昨夜作っておいたサラダを異次元倉庫から取り出してユリアに差し出す。


「昨日と同じものですけど、どうぞ。何も食べないよりはマシでしょう?」

「あ、ありがとうございます!」


 ユリアはそう言うと、昨日と同じようにフォークを取り出して食べ始めた。それを少し物欲しそうな目でローディアスが見ている。


「ローディアス、レディの食事姿をガン見するな。そんなことは紳士のすることじゃないぞ。」

『どうせ某は紳士ではありません。』

「拗ねるな、ローディアス。幼稚に見えるぞ。」

『どうせ某は幼稚です。』

「全く、面倒臭い奴だな。」


 俺はそう言うとローディアスを拘束していた氷を溶かし、本来は俺用であったサラダを差し出す。


「ほら、これを食っていいから元の思慮深いお前に戻ってくれ。」


 そう言うと、ローディアスは目を輝かせた。


『い、良いのですか? 某がこれを食しても……』

「元のお前に戻ってくれるなら、だがな。」

『お任せください!』


 ローディアスが皿を手に取る。すると、その瞬間から皿の上の野菜が減少し始めた。俺はその奇妙な現象から目を背けると、美味しそうにサラダを食べるユリアを失礼にならない程度に見つめるのだった。



「美味しかったです、ごちそうさまでした。」

「なら良かったです。ローディアス、ここから深さ99まで休みなしで行きたい。いけるか?」


 そう聞くと、ローディアスは頷いた。


『はい。主君とユリア殿でしたら、休みを取らずとも大丈夫です。』

「じゃあ、案内頼む。」

『お任せください。こちらへどうぞ。』


 ローディアスはそう言うと、先導を始めた。俺たちはそれに従い、ダンジョン最深部へと向かう道を歩き始めたのだった。



 そして辿り着いた深さ99。進むにつれ濃くなってきていた瘴気はかなり濃くなっているが、体が慣れているので然程息苦しさは感じず、瘴毒の危険も無い。


『むう……この瘴気濃度、以前よりも上がっております。』

「前より濃くなってるのか?」

『はい。恐らくマスターが人間接近の気配を感じ取ったのでしょう。』

「そうか……となると、今のうちに能力を強化しておくべきだな。ユリアさん、鑑定してもいいですか?」

「鑑定ですか? 別に構いませんけど……」

「じゃあ遠慮なく。」


 俺はそう言うと、ユリアを鑑定。


ユリア・エステル・ローレライ

種族:人間

職業:探索者シーカー

レベル:67

スキル:剣術(Lv9)

    短剣術(Lv6)

    投擲(Lv4)

    幸運(Lv10)

    疾走(Lv4)

    壁走(Lv1)

    罠解除(Lv17)

    調理(Lv17)

    炎属性魔法(上級)

    氷属性魔法(上級)

    聖属性魔法(上級)

    光属性魔法(中級)

    風属性魔法(中級)

    全属性魔法(初級)

    詠唱破棄

    聖耐性

    邪耐性

    恐怖耐性

称号:一級探索者(索敵能力上昇)

   スキル収集家見習い(スキル獲得率小上昇)

   マップメイカー(一度通った道で迷わなくなる)

   北極星の加護(方角を見失わない)

   トラップブレイカー(罠解除成功率中上昇)

   称号収集家見習い(称号獲得率小上昇)

   神獣との契約者(戦闘勝率大上昇)

   恋する乙女(恋愛成就率中上昇)

状態:正常

体力:12000

魔力:9200

筋力:1000

耐久:1200

俊敏:9500

抵抗:3450


「Lvが67まで上昇、疾走と調理以外のスキルレベルも上昇。それと、【壁走】、【聖属性魔法(上級)】、【聖耐性】のスキルと【恋する乙女】っていう称号を獲得。更に、ステータス値も全項目上昇。結構強くなってますね、ユリアさん。」

「そうですか? ありがとうございます!」

「いや、俺は忠実に鑑定内容を言っただけです。」


 俺はそう言うと、自分を鑑定。


リチャード・ルドルフ・イクスティンク

種族:人間

職業:ダンジョンマスター、魔術師

レベル:92

スキル:鑑定眼(Lv5)

    剣術(Lv6)

    鎌術(Lv4)

    槍術(Lv14)

    杖術(Lv2)

    体術(Lv4)

    狙撃(Lv3)

    話術(Lv1)

    幸運(Lv5)

    疾走(Lv6)

    壁走(Lv6)

    罠解除(Lv3)

    武器造形(Lv2)

    全属性魔法(上級)

    念話

    影潜

    無詠唱

    炎耐性

    毒耐性

    呪耐性

    聖耐性

    邪属性無効

    地属性無効

    闇属性無効

    炎属性無効

技能:炎剣(魔法剣)

   炎槍(槍)

称号:妖精の寵愛(全魔術の威力上昇)

   大魔術師(適性ある魔術の威力大上昇)

   スキル収集家見習い(スキル獲得率小上昇)

   龍を討伐せし者(物理耐久力、回復力大上昇)

   破壊神の破砕腕(物理攻撃力大上昇)

   称号収集家見習い(称号獲得率小上昇)

   氷炎の支配者(氷、炎属性の攻撃力大上昇)

   霊の天敵(霊族モンスターへの攻撃力小上昇)

   瘴気喰らう者(瘴気系の悪影響中減少)

   気高き守護者(防御魔術の威力小上昇)

   称号収集家助手(称号獲得率中上昇)

   ウェポンメイカー(武器造形成功率中上昇)

   影の支配者(闇属性魔術の威力中上昇)

   嵐神の加護(風、嵐属性の威力大上昇)

   強奪者の素質(倒した相手のスキル、称号奪取率小上昇)

   邪を祓いし者(浄化属性魔術の威力中上昇)

   神獣との契約者(戦闘勝率大上昇)

   スキル収集家助手(スキル獲得率中上昇)

   栄誉の強奪者(倒した相手のスキル、称号奪取率中上昇)

   トラップブレイカー(罠解除成功率中上昇)

   称号収集家(称号レア変化率小上昇)

   魅惑の微笑み(異性の魅了率小上昇)

状態:正常

体力:69000

魔力:8700000

筋力:9800

耐久:18600

俊敏:26000

抵抗:10000


「……突っ込む気も失せるな、この情報。」


 俺は溜息を吐く。スキルの量も称号の量も魔力量も人外レベルだ。俺の種族は本当に人間なのだろうか?


『ご安心ください、主君。主君は人間でございます。』

「サラッと心を読むな、ローディアス。」


 俺はそう言うと、ローディアスを睨みながら鑑定。


エリートゴースト ランクD

名前:ローディアス

保有魔力:388000/400000

称号:なし

状態:浮遊

スキル:成長促進(任意のものの成長速度を上げられるスキル)

    瘴気変換(瘴気を吸収して魔力に変換できるスキル)

体力:2000

魔力:40000

筋力:900

耐久:450

俊敏:300

抵抗:450



「保有魔力がちょっと増えてるが、特に変化はないな。」

『そうでございますか。まあ、我らにはレベルの概念がありませんからな。』


 ローディアスはそう言う。


「あ、そう言えばムクロノハオウはどんな能力があるんだ?」

『【刀術】と【呪魔法】、【刀剣抵抗】がありましたが、その他にも能力があるかもしれません。ムクロノハオウはそもそもどのようなモンスターなのか分かっていないのです。不死族呪系モンスターで、呪刀剣二重属性であるということ以外はほとんど。』

「呪魔法が使えるのか……」

『はい。因みにムラマサはネームモンスターである故、呪魔法も強力になっております。実を言うと、ゾンビを操っていたのもムラマサでございます。』

「マジかよ? そんな遠距離で……」

『マジです。彼が得意なのは強力な遠距離呪攻撃。刀から呪魔法を放ったりもしてきますので、非常に危険です。』

「なら……こうしておくか。【クリーンバリア】!」


 俺はそう言って、浄化属性の防御魔法で俺とユリアの周りを囲ませる。因みにローディアスは浄化が苦手らしいのでバリアに巻き込んではいない。


「よし、これで遠距離攻撃対策はできた。じゃあローディアス。」

『はい。案内は致しますが、その前に一つ申し上げておきます。』

「何だ?」

『某はこのダンジョンのモンスター故、一切手助けができぬのです。』

「まあ、それは想定済みだ。今までもそうだったからな。お前は、自分の仕事に専念してくれ。」

『お任せください。こちらへどうぞ。』


 そう言うと、ローディアスは進み始めた。さあ、いよいよ最後の戦闘だ!

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尚、まだ活動報告で重要なお知らせは継続しています。チェックしてください!

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