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ダンジョンマスター with 妖精 ~ひたすら型破り~  作者: 紅蓮グレン
第4章:マスターと冒険者①

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44.魔法 de 対談 アサンドル領主

「じゃあ、ユリアさん、また後で。」


 俺はそう言ってユリアと別れ、ドーイバイクでユリアの姿が見えないところまで行くと、フライの魔法をドーイバイクにかけた。すると、途端にドーイバイクは急上昇し、あっという間に人が豆粒に見えるくらいの高さまで上がった。


「ご主人様、何でこんな高いところまで?」

「密談の為だよ。」


 俺はそれだけ言うと、ローブのポケットからマジックオニキスを取り出し、魔力を込める。そして


「リックさん、聞こえますか? リックさん?」


 と言った。すると、目の前にウィンドウのような物が出現。そして、そこに農業都市アサンドルの領主、リックさんの顔が映った。


『おお、リチャード。久しぶりだな。なにか用か?』

「ええ、まあ。ちょっとヤスパースのレオナルドさんと話したいんですけど、あの人と話す手段を持ってないんです。リックさんは何か持ってませんか?」

『レオナルドと、か? 彼とは定期報告以外ではあまり会わないが、たまに連れ立って釣りに行くな。この前行った時は大物が釣れたぞ。』

「その話は後でゆっくり聞きます。今俺が聞きたいのはレオナルドさんと通信手段を持っていないのかということです。」

『私は常にヤスパースまで歩いて行ってレオナルドと話しているから通信手段は持っていないな。』

「そうですか……」

『何だ? なにか急用でもあるのか?』

「いえ、ただあそこって入るのに1万ゴルドかかるじゃないですか。」

『そうなのか?』

「そうなのか? って……何で知らないんですか?」

『私は基本顔パスだからな。リチャードもそうだと思っていたのだが……』

「俺はそんな有名人じゃありませんから。」

『ならば私が今から行って話を通しておこうか? Aランク冒険者の頼みを無碍にするわけにはいかんからな。』


 リックさんのこの言葉に俺は驚愕した。


「ちょっ、リックさん、何で俺が冒険者になったって知ってるんですか?」

『ウェーバーギルドのギルドマスター、ヴェトルがこの間言っていたからな。ウェーバーギルドで最も強い試験官のバミック・ジョー・レイティルを倒したAランク冒険者がダンジョン発見情報を貼っていった。名前はリチャード・ルドルフ・イクスティンク。なにか知らないか? と。』

「ああ、それで。じゃあ、俺の事とかダンジョンの事、何か話したんですか?」

『話せる訳がないだろう。リチャードの情報を漏らしたりしたら条約を破ることになる。そうなったら、お前のところの戦力によってアサンドルが滅ぶからな。さすがにギルドに情報が流れたらお前でも容赦はしないだろう?』

「まあ、そうですね。さすがに俺やダンジョンの情報を知られるのは色々とまずいので。」

『だから言っていない。まあ、それは兎も角、お前もヤスパースには顔パスで入れるのではないか?』

「さっきも言いましたけど、俺はそんな有名人じゃありませんから。」

『しかし、レオナルドの館の警備兵、イライズが話を通している可能性だってあるだろう?』

「イライズ? それ誰ですか?」

『お前に挽肉にされかけた警備兵だ。』

「ああ、リックさんが色々と恫喝したあの気の毒な人ですか。」

『恫喝はしていない、ただ脅しただけだ。それに、アレはお前の為にやっておいたのだが……』

「脅しは人の為になりません。」

『ダンジョンマスターから警備兵を脅したことに対して注意を受けるとはな……』


 リックさんはそう言って苦笑い。


「で、何か方法ありませんか?」

『そこに戻るのか。ん? 待てよ? お前はAランクだったな?』

「ええ。さっきリックさんも言っていましたけど。」

『ならば問題はない。Aランク冒険者に通行料をかけるバカなどいるはずがないからな。』

「そうなんですか?」

『ああ。Aランク冒険者は、国難の際に招集されるほどの実力者だ。王都でも通行料の徴収は行われていないのだから、こんな辺鄙な田舎の工業都市で通行料を取られる訳がない。』

「リックさん、何気にヤスパースのことディスってませんか?」

『いや? アサンドルも辺鄙な田舎だからな。同じくらいだと言っているだけだ。まあ、兎に角お前は兵士にギルドカードを見せれば無料で入れるだろう。』

「分かりました。ありがとうございます。」

『礼には及ばん。ああ、それと、また畑から収穫があったぞ。何か欲しい物はあるか? 今回は進呈ではなく取引だが。』

「ああ、うちのダンジョンにはまだキッチン無いんで、前に頂いた野菜とか穀物がそっくり残ってるんです。ですから、今欲しい物は特にありませんね。」

『強いて言うなら、何かないか?』

「んー……いや、あまりないですね。そんなに取引したいんですか?」

『最近アサンドルからは金が出て行くばかりでな。収穫期もそろそろ終わりを迎えるから、何とかして収入を確保したいのだ。』

「現物でもいいんですか? 金に変わる価値のある物なら。」


 こう聞くと、リックさんの目が輝いた。


『何かあるのか?』

「いえ、今はないですけど、ダンジョンの拡張をしているとたまに希少鉱物が出てくるらしいんですよ。ミスリルとかオリハルコンとか。そういうのをそっちに送ればいいんですよね?」

『いいのか?』

「ええ。友好条約を結んでいる、いわば友人の頼みですから。」


 俺は笑顔でそう言った。


「で、いつまでに必要なんですか?」

『1か月ほどは猶予がある。それまでに3000万ゴルド分程欲しいのだが……』

「1か月ですか……DP全消費で拡張したとして……ちょっと厳しいな。まあいいや。もし出なかったら現金で何とか援助します。その見返りは今度の収穫期に新鮮な野菜とか頂ければそれでいいですから。」

『おお、本当か? それはありがたい……リチャード、君は街の救世主だ!』

「そんな大層なものじゃないですよ。じゃあ、また連絡します。」


 俺はそう言うと、魔力を込めるのをやめる。すると、ウィンドウはマジックオニキスに吸い込まれるように消えた。


「本当にご主人様はお人好しですね。」

「別に良いだろ。それに、リックさん困ってるみたいだったし。まあ、今は武器を入手するのが先決だ。ヤスパースに向かうぞ。」


 俺はそう言うと、フライの魔法を解除してドーイバイクを通常の高さまで降ろし、ヤスパースへと向かって進み始めたのだった。目的はガートン鍛冶屋、高級武器の入手だ!


【ダンジョンステータス】

ダンジョン名:友好獣のダンジョン

深さ:140

階層数:14

モンスター数:360

    内訳:ジャイアントモール   10体

       キングモール      10体

       メタルモール      29体

       ジェネラルメタルモール  1体

       ウルフ         50体

       ソイルウルフ      15体

       ファイアウルフ     13体

       ウォーターウルフ    12体

       アースウルフ      20体

       フレイムウルフ     20体

       アクアウルフ      20体

       プレデターラビット    2体

       ビッグワーム      25体

       ジャイアントワーム   25体

       ビッガースネイク    30体

       レッドスワロー     12体

       フレイムイーグル     5体

       イートシャドウ     10体

       ハンターシャドウ     1体

       シノビシャドウ      2体

       アサシンシャドウ     2体

       ハイパースパイダー    5体

       ナイトスコーピオン    5体

       ブルースパロー     20体

       ブルースワロー     10体

       ウォーターホーク     1体

       ウォーターホーンオウル  2体

       ウォータークジャク    3体


友好条約締結者

リック・トルディ・フェイン(農業都市アサンドル領主)

レオナルド・モンテュ・フォーカス(工業都市ヤスパース領主)


住人

リチャード・ルドルフ・イクスティンク(人間、ダンジョンマスター)

ティリウレス・ウェルタリア・フィリカルト(妖精)

ルキナス・クロムウェル・モンテリュー(人間、魔術師)

ルーア・シェル・アリネ(獣人、軽戦士)



【リチャードのステータス】

リチャード・ルドルフ・イクスティンク

種族:人間

職業:ダンジョンマスター、魔術師

レベル:19

スキル:鑑定眼(Lv2)

    全属性魔法(上級)

    無詠唱

    炎耐性

    毒耐性

称号:妖精の寵愛(全魔術の威力上昇)

   大魔術師(適性ある魔術の威力大上昇)


所持武器:ヒールフレイムの杖(レア、炎属性魔術と治癒属性魔術の威力上昇)

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