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ダンジョンマスター with 妖精 ~ひたすら型破り~  作者: 紅蓮グレン
第1章:マスターとダンジョン
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5.ダンジョンとモンスター

「……何だこいつ? こんなモンスター、召喚した覚えないんだけど……」


 ダンジョン作成を始めて90日目。俺はウィンドウを見ながらこう呟いた。せっせと穴を掘っているジャイアントモールの中に1匹、毛が金色の見るからに高級感溢れる者がいたのだ。ジャイアントモールは毛色が赤味がかった茶色で、間違っても金色ではない。こういうことに一番詳しいであろうティリは、ダンジョン内の魔力マナ調査に出かけていて不在なので、聞くこともできない。コアを通して呼ぶこともできるが、仕事の邪魔をするのも申し訳ない。


「仕方ない。自分で調べるか。」


 俺はshopのモンスター一覧を開き、金色のモグラを探す。すると、ジャイアントモールの下に新しいモンスターが増えていた。【キングモール】と書いてある。


「あれはキングモールっていうのか?」


 俺はそう言いながら、鑑定眼のスキルを使用して金色モグラを見る。


キングモール ランクD

名前:‐‐‐‐‐

保有魔力:0/5000

状態:正常

スキル:同族使役


 やはりキングモールだった。保有魔力量が0になり、最大値が5000になっていることから察するに、ジャイアントモールが進化したのだろう。


「キングモールになって、なんかいいことあるのか?」


 誰にともなく呟くと、いつ戻って来たのか、ティリが目の前に飛んできて答えた。


「キングモールは、穴を掘るスピードが通常のジャイアントモールの倍以上でして、落とし穴などを急ピッチで仕上げる際に有用性が高いです。それと、他のジャイアントモールを使役できるようになります。」

「ふーん……進化してもそれだけか……」

「今一番有用性が高いと思いますよ。せっかく1万もDPを消費して第2階層を作ったんですし、キングモールに穴を掘らせれば、ダンジョン範囲拡張が早くできますよ!」

「まあ、今はな。じゃあ、取り敢えずキングモール、穴を掘ってくれ。」


 俺はダンジョンコアを通してキングモールに命令を下すと、ティリにマナの量を聞く。


「今日のマナ量は?」

「いつも通りです。少々薄いですが、問題になるほどではありません。濃くした方が良いかもしれませんが、マナを作り出せるモンスターは何かしら問題を起こしそうですし……」

「まあ、確かにあいつらはな……」


 俺は溜息を吐きながらそう言った。現在、マナを作り出せるモンスターで見つかっているのは5種類。酸素からマナを作る【エアメイカー】、二酸化炭素からマナを作る【シーオーツーメイカー】、瘴気からマナを作る【グレウメイカー】、生き物の亡骸からマナを作る【デスメイカー】、DPからマナを作る【ディーピーメイカー】だ。いずれも植物系のモンスターで、育てるのが難しい上、ある程度成長すると意思を持って動き始める。ダンジョンコアの命令が通らなくなって反乱を起こされたりしたら再生能力の高い植物に勝ち目はないので、召喚はしたくないのだ。


「マナ濃度にはそれほど問題は無いですから、召喚の必要はありません。ウルフたちは相変わらず寝ています。ビッグワームはジャイアントモールに食べないように言っておいたら、ダンジョン内の環境が気に入ったようで、貢献の為に攪乱用の通路を掘るようになりました。」

「なら都合がいいな。まさかただの餌用に常備していたワームがそんなに役に立つなんて。」


 俺はそう言いながら、モンスターの画面をスクロールしていく。すると、一番下にいたモンスターが目に留まった。


レッドスワロー 鳥系 200DP  スキル:視界共有


「レッドスワロー? 赤いツバメだな。スキル持ちみたいだし……」


 今まで見てきたモンスターには、スキルがキングモール以外無かった。


「あ、レッドスワローですね! この子はなかなか役に立ちますよ。私が今までにいたダンジョンのマスターはこの子を召喚する段階まで至れませんでしたが……」

「こいつって、そんな役に立つのか?」


 俺は、またティリが過去を思い出して暗くなる前に、疑問に思ったことを聞く。


「えっと、この子はまず小さいので偵察に役立ちます。ダンジョン外の活動などを見させ、視界共有スキルを使用すれば、この子が見た物をウィンドウで見ることができます。更に飛ぶのが早い為、射落とされたりすることもまずありません。それと、ダンジョン内で敵を発見すると、特殊な超音波でモンスターにその情報を知らせることができます。」

「凄いお役立ちモンスターだな。ちょっと高いけど、いた方が良いか?」


 そう聞くと、ティリは即答した。


「偵察に使えますし、いた方が絶対に良いです! まあ、確かにこのモンスターはレア種ですし、消費DPが少々高いのは難点ですが、それは否めません。それに、今溜まっているDPはご主人様が質素倹約に努めたおかげで30万あります。5体ほど召喚しても、大した損じゃありません。」

「分かった。それじゃ、5体本召喚っと。」


 選択すると、ダンジョンコアが赤く光り、そこから赤いツバメが5体飛び出してきて、俺の頭と肩に止まった。そして、今度はダンジョンコアが青く光り、ウィンドウに文字が浮かび上がる。


【ダンジョン内モンスターが5種に到達しました。コントロールルーム充実機能を解放します。】


 ……充実機能? コントロールルームが充実するっていうのか? まあ、確かにこの部屋にあるのはベッドとイスと場違いな感じのドールハウスだけで殺風景だが。俺はそんなことを思いつつ、メニューに新しく追加されていた【コントロールルーム充実機能】を選択。そして出てきた文字に驚愕した。


温泉(小)      0DP

温泉(中)      0DP

温泉(大)      0DP

温泉(特大)     0DP

天然の湧水(小)   0DP

天然の湧水(中)   0DP

天然の湧水(大)   0DP

天然の湧水(特大)  0DP

トランプ       0DP

チェス        0DP

オセロ        0DP

囲碁         0DP

将棋         0DP >>もっと見る


 何と、全てが0DP、即ち無料タダで召喚できるものだったのだ。


ダンジョン名:‐‐‐‐‐‐

深さ:18

階層数:2

DP:29万9000P

所持金:0ゴルド

モンスター数:60

    内訳:ジャイアントモール  19体

       キングモール      1体

       ウルフ        30体

       ビッグワーム      5体

       レッドスワロー     5体

侵入者数:0

撃退侵入者数:0


ダンジョン開通まで残り275日


住人

ダンジョンマスター(人間)

ティリウレス・ウェルタリア・フィリカルト(妖精)

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