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ダンジョンマスター with 妖精 ~ひたすら型破り~  作者: 紅蓮グレン
第1章:マスターとダンジョン
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2.ダンジョンと能力

「起きてください! 起きてくださいってば!」


 女の子の声が聞こえる。これはティリだな。


「んー……あと5分だけ……」

「何昨日と同じこと言ってるんですか! 早く起きてくださいよ!」

「あと5分だけだ……」

「無理矢理起こしますよ! 起きないマスターが悪いんですから、怨まないでくださいね! アクアトピア!」


 ティリの声と共に水が降ってくる。俺は咄嗟に横に回転して水を避けた。その瞬間、腰に激痛が走る。やはり土の上で寝たのが原因だろう。ベッドが欲しいな、と思いながら俺は立ち上がった。


「おはよう、ティリ。起こしてくれてサンキューな。」

「何だ、起きてたんですか。起きてるんだったら揶揄からかってないでさっさと起きて欲しいです。」

「ごめんごめん。ちょっと弄りたくなっちゃって。」


 俺はティリに謝ると、ダンジョンコアに触れる。低音が響き、開いたダンジョンステータスの表示は、


ダンジョン名:‐‐‐‐‐‐

深さ:1

階層数:1

DP:1000P

所持金:0ゴルド

モンスター数:5(ジャイアントモール)

侵入者数:0

撃退侵入者数:0


 となっていた。


「貰えるDPの量は変わらないんだな。」

「ああ、貰えるDPの量っていうのは、深さ×階層×1000なんです。ですから、深さ1、階層数1の今のダンジョンでは1000Pしか貰えないんですよ。深さや階層を増やせばどんどん貰えるDPは増加しますし、魔力マナや瘴気、魔力保有アイテムや冒険者の亡骸などをダンジョンコアに吸収させることでもDPは獲得できます。」

「ふーん。なら今日は深さも伸ばすか。ウルフの召喚はまだしなくても良さそうだし。」


 俺がそう言うと、ティリはちょっと首を傾げた。


「ん? どうした?」

「いえ。早いうちからモンスターを配置しておくと、マナを吸収して進化する可能性が高くなります。ですから、ウルフの配置もしておいた方が良いんじゃないかな、と思いまして。」

「あー、そう言えば昨日もそんなこと言ってたな。じゃあ、取り敢えず拡張にDP使って、あまりでウルフ召喚しよう。」


 俺はそう言いつつ、昨日作った9個の領域の横に1つ領域を設置。その横にはもう設置できないらしい。最長で10kmまでということなのだろう。ジャイアントモールにそこにも穴を掘るように伝えると、俺は深さ2の位置に箱型領域を1つ設置。すると、200DPが消費され、残りが700DPになった。


「ティリ、DP消費量が高くなったんだけど、何でだ?」

「深さが2になったからです。1つの領域につき、深さ×100のDPが消費されますので。」

「じゃあ、最大であと設置できるのは3つか。なんか必要になるかもしれないし、2つ設置で、あと100DPはウルフ召喚に使って、残り200は取っておくか。」


 俺はそう言いながら、ウィンドウを操作して領域を広げ、昨日ジャイアントモールが掘ってくれた通路にウルフを10体適当に配置した。正直なところ、ウルフがジャイアントモールを襲わないか若干心配だったのだが、共に敵愾心は持っていないらしい。それどころか、じゃれ合ったりして寧ろ仲が良いようだ。


「仲良しというのは良いことだ。」


 俺は暫くウィンドウを眺めていたが、流石に飽きてきた。モールの穴掘り作業も深いからかなかなか終わらず、ダンジョンコアも光らない。


「まだダンジョン開通はさせたくないし、とは言ってもDPも200しか無いしな……」


 俺は【shop】を開き、何かいい項目は無いかと見ていく。すると、【家具】という項目が目に留まった。


「家具か……ってことは、ベッドもあるかもしれないな!」


 スクロールして見ていくと、


藁のベッド      50DP

綿のベッド     100DP

羽毛のベッド    200DP

スプリングベッド 2000DP


 などと書いてあった。200DPしか余っていないので、一番安い藁のベッドを購入する。すると、コントロールルームの中に質素なベッドが出現した。藁が敷き詰めてある、そのものズバリの藁のベッドだ。


「質素だな……まあ、でも土の上に直に寝るよりはましか。DPが溜まればもっと良いものも買えるし。」


 俺はそう呟きながら、少し藁を取り出し、ティリ用の藁布団を作る。そして、再びウィンドウに向かうと、ダンジョンコアが光った。モールたちがもう掘れなくなったのかと思ったが、どうやら違うようだ。


「ティリ、どうなってるんだ?」

「モールたちが空腹により動けなくなっているようです。普通は食事しなくても大丈夫なのですが、このダンジョンはまだ開通していません。外界と繋がっていないので、マナが足りなくなったようです。」

「あー、じゃあ食べ物を出せばいいのか?」

「はい。」

「モールたちは土竜モグラだから……食べ物っていうと蚯蚓ミミズしかないよな……」


 俺は【shop】からモンスターを選択し、2m程の巨大ミミズ、ビッグワーム3体を本召喚。150DPを消費し、何もできなくなった。と、その時、ダンジョンコアが青く光った。何かと思ってウィンドウを見ると、


【ダンジョン内モンスターが3種に到達しました。鑑定眼スキルを解放します。】


 と表示された。鑑定眼と言うことは鑑定ができるのだろうと思い、取り敢えずティリを見てみると、


妖精

名前:ティリウレス・ウェルタリア・フィリカルト

状態:正常


 とウィンドウに表示された。どうやら俺が鑑定したいと思ったものを見ることで、ウィンドウに鑑定結果が表示されるらしい。俺は次に、召喚したビッグワームを嬉々として食らっているジャイアントモールを鑑定。


ジャイアントモール ランクE

名前:‐‐‐‐‐

保有魔力:30/1000

状態:正常


 どうやらモンスターでは保有魔力という物も見えるようだ。ティリが昨日言っていたように、ジャイアントモールは保有魔力が1000に達したら進化するのだろう。


「うーん、ワームが食べられている所を見るのはちょっとな……」

「でもマスター、あのワームたちのお蔭でジャイアントモールたちの保有魔力は増え、穴もまた掘れるようになります。繁栄の為に多少の犠牲は仕方ないんです。それに、犠牲は無駄にはなりませんから。」

「言い訳っぽいけど……まあ、仕方ないな。ありがとう、ビッグワームたち。」


 俺はそう言いつつ、ジャイアントモールたちにまた穴を掘るように命令すると、藁のベッドに入った。




ダンジョン名:‐‐‐‐‐‐

深さ:2

階層数:1

DP:0P

所持金:0ゴルド

モンスター数:15

    内訳:ジャイアントモール  5体

       ウルフ       10体

侵入者数:0

撃退侵入者数:0


ダンジョン開通まで残り364日


住人

ダンジョンマスター(人間)

ティリウレス・ウェルタリア・フィリカルト(妖精)

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