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ダンジョンマスター with 妖精 ~ひたすら型破り~  作者: 紅蓮グレン
第8章:マスターとエルフ

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131.森林クエスト受注

「……で、ついその場の勢いで俺の名前とかをミーナっていうエルフに教えてしまった、と。」


 俺は溜息を吐いた。レナさんが訪ねてきたので緊急事態かと思ったのだが、内容はこんな下らないこと。肩透かしを喰らった気分だ。しかも、ティリとチェスをしている途中だったのに。


「はい。申し訳ありません……」

「別にいいですよ。ギルドに行ってればそのうち会ったでしょうし。ティリも別に構わないよな?」

「はい。ただ、ご主人様に迷惑をかけるかもしれないことをしたんですから、その代償はキッチリ払って貰いたいです。あ、命とかじゃないですから安心していいですよ。」

「何でしょうか?」

「実質的に被害を被ったのは私ではなくご主人様なので、それはご主人様に決めて頂きます。」


 ここで丸投げかよ。まあ、丁度そのエルフに興味が湧いたところだったから良いけど。


「じゃあ、そのエルフの子が受注したクエスト達成予定地の近くでできる、比較的割が良いクエストを2つ3つ紹介してください。ペナルティない奴で。」

「分かりました。あの森の近くで割が良いのとなると……この辺りですね。」


 レナさんは3枚の羊皮紙を取り出した。


【討伐クエスト:ストークマンティス討伐】

討伐地:ノーライトフォレスト

挑戦権:Cランク以上の冒険者

報酬:1体3万ゴルド

成功条件:ストークマンティスを討伐し、頭部を持ち帰る

期限:2週間


【討伐クエスト:フレイムウッド討伐】

討伐地:ノーライトフォレスト

挑戦権:B-ランク以上の冒険者

報酬:1体5万ゴルド

成功条件:フレイムウッドを討伐し、根幹石を持ち帰る

期限:2週間


【捕獲クエスト:レインボーホッパー捕獲】

捕獲地:ノーライトフォレスト

挑戦権:Aランク以上のパーティ、Aランク以上の冒険者

報酬:1体150万ゴルド

成功条件:レインボーホッパーを無傷で捕獲し、生体を持ち帰る

期限:2週間


「ノーライトフォレストって、ウェーバーから北に3km程行ったところにある森ですよね? そこにこの3種全部いるんですか?」

「そうです。まあ、レインボーホッパーに関しては確証がありませんが。」

「それぞれどんなモンスターなんですか?」

「ストークマンティスは最大で2mある闇属性カマキリで、ダークマンティスの進化系です。スキルは【無音移動】と【薙一閃】ですね。フレイムウッドは樹木に擬態するのが上手い炎属性の植物系モンスターで、【火炎放射】と【火炎吸収】というスキルを持っています。フレイムプランターの進化系です。そして、レインボーホッパーは1m程あるとされる虹色のバッタです。ゴールデンホッパーのレア進化種とされていますが、捕獲や討伐の前例がないので詳細は不明です。」

「成程。だからレインボーホッパーはバッタの癖に150万ゴルドなんて破格の報酬設定なんですね。」

「はい、その通りです。ペナルティがないのもそういう理由です。」

「分かりました。じゃあ、面白そうなんで3つとも受注で。」

「かしこまりました。因みに、2週間の期限内なら何度納入して頂いても構いません。では、私はギルドで受注手続きをしておきますね。」


 レナさんはクエスト依頼書を置くと、ペコリと頭を下げて出ていった。


「期限までにのんびりやるか。」


 俺はクエスト依頼書を一瞥すると、やりかけのチェス盤上のポーンを動かし、


「プロモーションでクイーンにする。これでチェックメイトだ。」


 とティリに告げた。


「あー、また負けました。これで6連敗です。強いですね、ご主人様。もう1戦です!」

「いいとも。」


 俺がチェスの駒を並べ直し始めた時、従業員室と繋がっているドアが開いてキャトルが入って来た。


「リチャード様、お掃除終わりました。」

「ああ、お疲れ。」


 俺はウィンドウを操作し、キャトルの給料に100ゴルドを追加する。するとキャトルが、


「ところで、それってクエストの依頼書ですよね? 見てもいいですか?」


 と置きっぱなしになっていた羊皮紙を指差した。


「別に構わないけど。」


 俺は拒む理由もないので許可。キャトルは興味深そうに読み始め、少しすると、


「あっ、ここは……」


 と声をあげた。


「どうした?」

「あ、これの討伐や捕獲予定地がノーライトフォレストだったので、少し気になったんです。ルロリーマ大陸の【宵闇の森林】に環境が似ているって聞いたことがあって。一回行ってみたかったんです。」

「なら、ついてくるか? お前ならそう簡単に死なないだろうし。」

「えっ? 良いんですか?」

「ああ。冒険者登録もしてるんだし、俺の手伝いをしてたってことにすればいい。ティリも別に構わないよな?」

「勿論です。ユリアさんは何か怪しいですが、キャトルさんなら信用できますし。」

「ユリアはまだ俺のことを諦めてないからな……まあ、それは兎も角として、キャトルも一緒ってことでいいな?」

「はい。」

「じゃあ、出発は3日後。キャトルには特別に50万ゴルド支給するから、装備品を決めてゴルドshopで買っておいてくれ。それと、余ったら返すんだぞ。」

「了解しました。」


 キャトルは一礼すると、


「マナ量調査に行ってきます。」


 とダンジョンルートに出ていった。俺はそれを見届けると、チェスの駒を並べ直してティリと再戦を始めるのだった。

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