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ダンジョンマスター with 妖精 ~ひたすら型破り~  作者: 紅蓮グレン
第2章:マスターと対人関係

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15.初めての獣人

「ご主人様! 起きてください! アクアトピア!」

「あぶあぶあぶあべべばばべば!」


 ティリをサブマスターに設定してから3日後の朝、俺はいつものようにティリにアクアトピアをぶちかまされた。起き上がり、ティリに言う。


「おはよう、ティリ。今日も起こしてくれてサンキューな。」

「いえ。ご主人様の寝顔を見ることができましたので、お礼はいりません。」

「ティリは俺の寝顔が見られればそれでいいのか?」

「んーと……正確に言えばご主人様のお役に立てて、ご主人様に必要として頂ければそれ以上の物はいりません。それだけで私は、十分満ち足りて、幸せですから。」


 ティリはそう言うと、ニコッと笑った。やっぱり可愛いな。


「よし! んじゃ、今日も防衛始めるぞ!」

「はい! あ、私はルキナスさんを起こしに行ってきますので、ご主人様は先にウィンドウで様子を見ていてください。」


 そう言って、ティリはルキナスさんの部屋へ飛んでいった。アクアトピアを俺と同じようにぶちかまさないか心配だが、多分そんなことはしないだろう。と、そんなことを考えていると、ダンジョンコアが激しくフラッシュした。


「お、久しぶりに誰か来たか?」


 慌ててウィンドウを開くと、そこには、


【北より冒険者が1名接近中です。】


 と表示されていた。レッドイーグルを飛ばして確認すると、身長140cmくらいの、犬耳と尻尾を生やした女の子が映った。


「ご主人様……」


 何か微妙に棘のあるティリの声が聞こえた。振り返ると、ルキナスさんとティリが後ろからウィンドウを覗き込んでいた。


「私がいない間にレッドイーグルで女の子の品定めですか? しかもこんなちっちゃい女の子を……」

「ティリ、人聞きの悪い事を言うな。この子はここに接近中の冒険者だ。そもそも俺は獣人の子に興味はない。」

「何ですと?」


 今度はルキナスさんが食って掛かってきた。俺の胸ぐらを掴み、グラグラと揺さぶりながら叫ぶ。


「リチャード殿! 流石に今の言葉は聞き捨てなりませぬぞ! リチャード殿は私とルーアを愚弄なさる気か?」

「違う違う違う! そういう意味で言ったんじゃないです! 違います! 違いますから離してください! 首締まってますから! このままだと窒息死します! ってか、ルーアって誰ですか?」

「ルーアは私が幼少の砌に契ったとこの前お話した小型イヌ種の獣人ですぞ!」

「なんでそこで怒鳴る必要が? いや、その前に離してください! マジで死にます!」


 俺が必死に頼むと、ようやくルキナスさんは俺を解放してくれた。


「ゴホッゴホッ……まあ、それは兎も角、多分この子も草原に用があると思うんですよね。ダンジョンが見つかるのは避けられないと思いますし、今のうちに対策したいんですけど、獣人ってなんか弱点とかありませんか?」

「弱点……獣人は種によって弱点が違う故、まずはこの獣人の種族を見極めなけらばなりませぬ。ふむ……身長から見ると、獣人の子どものようにも見えますが、耳と尻尾の様子から察するに、恐らく小型イヌ種の獣人ですな。」

「なんで初見でそんな詳細に分かるんです?」

「ルーアも小型イヌ種の獣人でした故、特徴が似ていて分かりやすいのです。また、私は8年ほど獣人の方々にお世話になったことがありまして、その時に見分け方なども教えて頂きましたので……」

「ははあ、成程。じゃあ、弱点とかもわかりますよね? 小型イヌ種の獣人の弱点はなんですか?」

「強い匂いと炎属性の攻撃ですな。ファイアウルフで適当に炎を浴びせればいいかと。」

「分かりました。それじゃあ……」


 俺はルキナスさんの説明を元に、ダンジョン内モンスターたちに指示を与える。まず入り口付近にウルフ10体を配置。こいつらは言うなれば囮で、怪我をしそうになったりしたら逃げるようにと言っておいた。そうすると、相手は簡単なダンジョンだと思って奥へ進んでくる。そして、第一階層深さ3の地点にソイルウルフに薄い土の壁を作らせ、その後ろにファイアウルフを待機させた。こうすることによって、あの獣人の子は土の壁を崩した瞬間、ファイアウルフの遠距離炎撃を喰らうことになる。


「さすがご主人様! 弱点を聞いただけでこんなに鮮やかに戦略を!」

「まあ、このくらいはな。それはそうと、今回は殺さないで穏便にお帰り願うぞ。別にいいよな?」

「ご主人様がそれでいいなら私は構いませんよ。」

「リチャード殿の好きになさるが良い。」


 2人の了承が取れたので、俺はファイアウルフの後ろの地下にジャイアントワームを1体配置。炎の攻撃で動きが鈍ったところを粘液で拘束してしまえば、安全に運搬できるって寸法だ。あとは……


「あ、そうだ。死んじゃったら可哀想だし、上級回復薬でも用意しておこうかなっと。」


 俺はそう呟き、2000DPを消費して上級回復薬を2個召喚した。これで大丈夫だろう。


「よし、これで大丈夫だろう。あとは経過観察だな。サブマスター、一緒によろしく頼むぞ。」

「はい、ご主人様。」

「リチャード殿、私は何かして方が良いですかな?」

「おもてなしの用意でもしておいてもらえますか? お帰り願う時の交渉がスムーズに行くように。」

「了解。」


 俺たちは、それぞれダンジョン防衛の為の行動を開始するのだった。


ダンジョン名:‐‐‐‐‐‐

深さ:100

階層数:10

DP:494万8000P

所持金:1億ゴルド

モンスター数:220

    内訳:ジャイアントモール  10体

       キングモール     30体

       ウルフ        40体

       ソイルウルフ     20体

       ファイアウルフ    20体

       ウォーターウルフ   20体

       ビッグワーム     25体

       ジャイアントワーム  30体

       レッドイーグル     5体

       イートシャドウ     5体

       ハンタースパイダー   5体

       ハイスコーピオン    5体

       ブルースパロー     5体

侵入者数:3

撃退侵入者数:2


住人

リチャード・ルドルフ・イクスティンク(人間、ダンジョンマスター)

ティリウレス・ウェルタリア・フィリカルト(妖精)

ルキナス・クロムウェル・モンテリュー(人間、魔術師)



お知らせ

ダンジョンスタータスの表示が、第2章で終わります。とは言っても全部終わる訳ではなく、DP、ゴルド、撃退侵入者、侵入者数の表示が無くなるだけで、住人やダンジョン内モンスターは残ります。また、疑問があったらいつでも感想などで質問してください。感想返信や小説内での登場でできる限りの疑問には答えていきます。

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