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ダンジョンマスター with 妖精 ~ひたすら型破り~  作者: 紅蓮グレン
第6章:マスターと冒険者②

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101.倍化する能力とスキル封印

「吹き飛べ、発頸!」


 清鈴の声が響き、マジックイーターの身体が吹き飛ばされる。だが、吹き飛びながらも奴は魔法を撃って牽制。戦況は五分五分っぽいな。


「清鈴さん!」

「リチャードさん! あっちはもう片付いたんですか?」

「ええ、一応は。こっちはどうなんですか?」

「見ての通りです。全力で攻撃してもちょっと時間が稼げるだけで、本質的には何も変わってないんですよ。」

「そうですか……確かに奴は魔法を使える上、魔法は効かないっぽいですからね。ブースト系使われたら結構厄介……」


 俺がこう呟いた時、吹っ飛ばされて倒れていたマジックイーターが起き上がった。そして、こちらに手の平を向ける。


「またあれか! 皆さん、後方に避難してください!」


 清鈴がそう言うと、冒険者の大半が後ろに避難した。その前には清鈴、セントグリフ、ギルバートが並ぶ。


「上級陰陽術、防御の儀・奥義! 【金剛結界の術】!」

『白龍族秘伝防御術、【散らせし燐光】!』

「剣術武技Lv105スキル、【空間斬り】!」


 3人はそれぞれ防御態勢を取る。そこへ、マジックイーターの手の平から放たれた赤い光弾が次々と着弾した。しかしそれは、清鈴の金剛結界に弾かれ、セントグリフの燐光に爆散させられ、ギルバートの剣に空間ごと斬られ、ダメージを通すには至っていない。


「ん?」


 マジックイーターの攻撃を防ぎ切った清鈴は、金剛結界を解くと不思議そうな顔をした。


「白龍さん、今の攻撃……」

『ああ、今までより強くなってる。常に2体で連携して行動してるみたいだし、フィジックスイーターが倒れたことと関係があるのかもしれないな。』


 セントグリフも首を傾げている。龍形態のため首がどこなのかはっきりとは分からないが。


『なあ、リチャード、俺たちが時間を稼ぐから、あいつを鑑定して対抗策を考えてくれないか?』


 セントグリフは鉤爪の付いた手を振るってマジックイーターを吹き飛ばしながらそう言った。


「ああ、分かった。鑑定。」


 俺は言われた通り鑑定した。レベルやスキルに変化はない。だが……


体力:1600000

魔力:76000

筋力:10000

耐久:240000

俊敏:1000

抵抗:6600


 全ステータスが倍まで跳ね上がっている。俺は探索属性魔法の【データサーチ】でマジックイーターの情報を調べた。すると、脳内に流れ込んだ情報の一端に、


【共に行動しているフィジックスイーターが命を落とすと、その後1時間の間ステータス値が倍になる。】


 という、何とも最悪な文章が。


「あっちを先に倒したからか……」


 俺は呻く。こっちを先に倒すべきだったんだな。


「どうしたんですか、リチャードさん?」

「……フィジックスイーターを倒したせいで、こいつが強化されています。全ステータス値が倍になっているんです。」

「倍、ですか……ただでさえ高い耐久値まで倍になったとなると……」


 清鈴は考え込んだ。マジックイーターには冒険者や召喚獣たちがそれぞれ自らの得物を振るって攻撃を加えているが、目立った効果は見られない。


「あいつに魔法さえ効けば……あのスキルを封じられればいいんだけど魔法無効じゃスキルシールは効かないし……あっ!」


 天啓がひらめいた。魔法を使わなくともスキルを封印する手立てはある。


「来てくれ! レオライトニング!」


 俺はそう叫んだ。有翼の神々しい純白ライオン、グリフォンのレオライトニングが俺の横に姿を現す。


『我が契約者の1人よ、何用であるか?』

「ちょっとやってほしいことがあってな。」

『何だ?』

「今、あそこのモンスターと戦闘中なんだが、厄介なスキルを持っていて魔法が効かないんだ。そこでお前に頼みたいことがある。【スキル封印】ってスキルを持ってたよな?」

『うむ、あるぞ。となると、【スキル封印】をあれに向けて使えばいいのか?』

「ああ、そうだ。」


 俺はレオライトニングが意志を正確に汲み取ったことを確認すると、


「重ね掛けはできるか?」


 と更に聞いた。


『いや、それは無理だ。継続時間が長い代わりという訳でもないだろうが、重ねてかけても封じられるのは1つだ。我の寿命を削れば2つ封じることも不可能ではないだろうが……』

「そうか……じゃあ1つだけでいい。頼むぞ。」

『任せろ、我が契約者!』


 レオライトニングはそう言うや否や、大きな羽を広げて上空へ飛び立つと、


『ウオオオオオオオオオ!』


 と凄まじい咆哮を上げ、前足をマジックイーターに向けて白い光線を放った。それはマジックイーターを直撃し、奴を吹き飛ばす。俺はその隙を見逃さずに鑑定。すると、奴のスキル欄は、


スキル:基本属性魔術(全基本属性魔術を使用可能にするスキル)

    魔術吸収(魔術を吸収するスキル)

    衝撃吸収強化(吸収した衝撃を自らの強化に充てられるスキル)

    耐久倍化(自らの耐久値を倍にするスキル)

    魔術無効(魔術の悪影響を無効化するスキル)【封印中】


 となっていた。魔術無効を封じられたらしい。


「これなら効くはずだ! 【スキルシール】!」


 俺は思い切って使った。【魔術吸収】スキルはまだ生きているが、この魔法はサポート系。ダメージを与えるものではないので運が良ければかかるだろう。結果は……


「よっしゃあ!」


 ガッツポーズ。運よく吸収されず、しかも見事に【魔術吸収】と【衝撃吸収強化】スキルを封印できたのだ。もしかすると【幸運】スキルの効果もあるのかもしれない。


「これで魔法も効く!」


 俺はそう叫ぶと、一気にマジックイーターに向かって突進した。体術技能【捨て身タックル】を使用して、思いっ切り突っ込む。そして、マジックイーターの腰をホールドし、そのまま闘技場の壁にぶつかった。すぐさま他の冒険者たちも駆け寄ってきて、抑え込むのに協力してくれる。


「【クリティカルシールド】!」


 俺は聖の防壁で、俺を含むマジックイーターを抑え込んでいる冒険者を包みこむ。そして、防壁が張り終わると、清鈴をはじめとする魔法攻撃主体の冒険者たちが攻撃を開始した。


「……ゴッ……ゴオオ……」


 マジックイーターは苦しむような声をあげ何とか逃れようとするが、俺たちがそれを阻む。そしてついに……


「【サンダークラッシュ】!」

「ゴオオオオオオー!」


 特大の雷がマジックイーターに命中。奴は黒焦げになり、断末魔を上げると動かなくなった。


「おおおおおおおおおおー!」


 また冒険者たちが勝ち鬨を上げる。


【ダンジョンマスターが防御魔術で周囲の仲間を守りました。称号【誇り高き守護者】を入手します。】


 ついでに忌まわしき機械音声も聞こえたが、ウザいので完スルーして俺は、マジックイーターの亡骸に【ゴウ・ア・ヘブン】をかけた。亡骸が光の粒子となって消えていく。念の為に闘技場の穴の方を見て【マジカルアイ】を使用したが、魔力は見えない。もうモンスターは来ないようだ。


「やっと終わった、か。」


 俺がこう呟いた時、フリーズライオン戦の後いつの間にかいなくなっていたティリが飛びついてきた。


「ご主人様!」

「ティリ、どこにいってたんだ?」

「ルキナスさんとかルーアさんとかキャトルさんとかクエスターさんとかと一緒に、非戦闘職の方々を避難させていました。転移陣が使えるか分からないので、ワープで。」

「そうか、よく頑張ったな。」


 俺は微笑むと、ティリにご褒美のナデナデをする。彼女は満面の笑みを浮かべた。俺はその笑顔を見て、本当に戦闘が終わったんだ、と実感するのだった。

【リチャードのステータス】

リチャード・ルドルフ・イクスティンク

種族:人間

職業:ダンジョンマスター、魔術師

レベル:286

スキル:鑑定眼(Lv6)

    剣術(Lv9)

    刀術(Lv2)

    鎌術(Lv6)

    槍術(Lv16)

    杖術(Lv34)

    体術(Lv6)

    投擲(Lv2)

    狙撃(Lv6)

    自動回復(Lv2)

    神将召喚(Lv1)

    話術(Lv3)

    幸運(Lv6)

    疾走(Lv7)

    壁走(Lv7)

    隠蔽(Lv2)

    非表示(Lv2)

    罠解除(Lv4)

    武器造形(Lv3)

    全属性魔法(上級)

    念話

    降霊

    影潜

    無詠唱

    全言語理解

    毒属性無効

    呪属性無効

    聖属性無効

    邪属性無効

    地属性無効

    闇属性無効

    火炎無効

技能:炎剣(魔法剣)

   炎槍(槍)

   捨て身タックル(体)

混合武技:豪炎の激情(炎)

     水流の乱舞(水)

     荒れ狂う疾風(風)

     猛毒の抱擁(毒)

     浄化の閃光(光)

称号:妖精の寵愛(全魔術の威力上昇)

   大魔術師(適性ある魔術の威力大上昇)

   スキル収集家見習い(スキル獲得率小上昇)

   龍を討伐せし者(物理耐久力、回復力大上昇)

   破壊神の破砕腕(物理攻撃力大上昇)

   称号収集家見習い(称号獲得率小上昇)

   氷炎の支配者(氷、炎属性の攻撃力大上昇)

   霊の天敵(霊族モンスターへの攻撃力小上昇)

   瘴気喰らう者(瘴気系の悪影響中減少)

   気高き守護者(防御魔術の威力小上昇)

   称号収集家助手(称号獲得率中上昇)

   ウェポンメイカー(武器造形成功率中上昇)

   影の支配者(闇属性魔術の威力中上昇)

   嵐神の加護(風、嵐属性の威力大上昇)

   強奪者の素質(倒した相手のスキル、称号奪取率小上昇)

   邪を祓いし者(浄化属性魔術の威力中上昇)

   神獣との契約者(戦闘勝率大上昇)

   スキル収集家助手(スキル獲得率中上昇)

   栄誉の強奪者(倒した相手のスキル、称号奪取率中上昇)

   トラップブレイカー(罠解除成功率中上昇)

   称号収集家(称号レア変化率小上昇)

   魅惑の微笑み(異性魅了率小上昇)

   主の上に立つ者(配下の命令遵守率中上昇)

   ダンジョンを攻略せし者(ダンジョン攻略成功率小上昇)

   名付け親見習い(ネームモンスター強化率小上昇)

   微笑みの紳士(異性魅了率中上昇)

   神将との契約者(戦闘時負傷率大減少)

   微笑みの貴公子(異性魅了率大上昇)

   スキル収集家(スキルレア変化率小上昇)

   リジェネゲッター(自動回復の回復率小上昇)

   称号コレクター(称号レア変化率中上昇)

   支援されし者(支援系魔術の効果小上昇)

   豪炎を制する者(炎属性の攻撃力大上昇)

   誇り高き守護者(防御魔術の威力中上昇)


所持武器:アイアンナイフ(ノーマル、鉄製のナイフ)

     ウィンドナックル(レア、風属性物理攻撃可能)

     ソウル・ウォーサイズ(SSRダブルスーパーレア、死霊系に特効)

     ドラゴンスレイヤー(SSRダブルスーパーレア、全属性対応)

     神秘の破砕銃(URウルトラレア、神秘の聖銃の上級武器)

     烈火の神槍(LRレジェンドレア、黒迅の魔槍の炎属性特化上級武器)

     七星の宝石杖(GXギャラクシー、七属性の威力大上昇)

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