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ダンジョンマスター with 妖精 ~ひたすら型破り~  作者: 紅蓮グレン
第6章:マスターと冒険者②

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158/200

100.ダブルイーター襲来

「何でこう次々モンスターが来るんですかね、リチャードさん。」

「んなこと知りませんよ。」


 俺と清鈴はそれぞれ杖と呪符を構えたまま溜息を吐いた。アイスガレオがぶち破った闘技場の壁の穴から入って来たモンスターは2体とも人型で半透明。禿頭で顔には口しかない。体長は2m程で、厄介な能力を持っていた。因みに、鑑定結果はこれだ。


フィジックスイーター ランクB

名前:------

保有魔力:964238/2500000

称号:なし

スキル:体術(体術武技を使用可能とするスキル)

    物理攻撃吸収(物理攻撃を吸収するスキル)

    衝撃吸収強化(吸収した衝撃を自らの強化に充てられるスキル)

    抵抗倍化(自らの抵抗値を倍にするスキル)

    物理攻撃無効(物理攻撃の悪影響を無効化するスキル)

状態:凶暴化

体力:800000

魔力:5000

筋力:38000

耐久:3300

俊敏:500

抵抗:120000


マジックイーター ランクB

名前:------

保有魔力:964238/2500000

称号:なし

スキル:基本属性魔術(全基本属性魔術を使用可能にするスキル)

    魔術吸収(魔術を吸収するスキル)

    衝撃吸収強化(吸収した衝撃を自らの強化に充てられるスキル)

    耐久倍化(自らの耐久値を倍にするスキル)

    魔術無効(魔術の悪影響を無効化するスキル)

状態:凶暴化

体力:800000

魔力:38000

筋力:5000

耐久:120000

俊敏:500

抵抗:3300


「面倒な相手だな……」


 鑑定結果を見て俺は呟く。


「清鈴さんは物理攻撃できますか?」

「はい。近接格闘術やってたので。リチャードさんはどうですか?」

「俺は体術スキルがあります。それと魔法で体力強化できますね。」


 俺はそう答えて、2体のモンスターを見る。それぞれ動きは遅く、ノソノソと動いているだけだが、かなりのプレッシャーを感じるな。


「ヴェトルさん、あいつらはどんなモンスターか分かります?」


 俺はヴェトルさんにそう問いかける。ギルドマスターであるヴェトルさんなら何か知っているかもしれない。


「奴らは通称ダブルイーターと呼ばれるモンスターだ。常に2体が連携して行動しており、フィジックスイーターには物理、マジックイーターには魔術が効かない。おまけに、効果がない攻撃をするとその衝撃を吸収し、自らの回復や強化に充てるという厄介なモンスターなのだ。知能もそれなりにある。俊敏値が低いから攻撃は当て放題だが、対応するイーターに攻撃を当てると強くなってしまう上、急所が無い。ついでに、よく人間を襲って食らう。討伐依頼は常に出しているが、受注者はほとんどいないな。」


 ヴェトルさんはスラスラ答える。流石はギルドマスター、博識だ。


「じゃあ、俺はフィジックスイーターと戦った方が良いですかね。【龍を討伐せし者】の称号効果で回復はしてますし。」

「そうですね。じゃあ俺は近接格闘術や中国武術を中心にしてマジックイーターを攻めます。白龍さんは……」

『俺はこの状態だと膂力があるから、マジックイーターと戦う。』

「そうか、じゃあセントグリフ、頼むぞ。」


 俺はそう言うと、大声で叫んだ。


「魔術師系は右、戦士系は左のモンスターに攻撃! 間違っても反対のモンスターに攻撃を当てないように!」

「「「応!」」」


 指示に従ってくれるか心配だったが、先程の戦いでも信頼を得られたらしく反発したりする冒険者はいない。左右に分かれて攻撃を開始する。


「【サモン・センジュベアー】! 【サモン・クレバーゴースト】! 【サモン・ムクロノショーグン】! 【サモン・フリーズライオン】!」


 俺は続けてソウル・ウォーサイズを掲げ、4体のモンスターを呼び出す。


「ベアゴローは左のモンスターに物理攻撃だ。ムラマサとアイスガレオは左のモンスターに対する戦線に加わって、隙を見て右のモンスターに魔法を撃て。間違っても左のモンスターには撃つな。ローディアスはどっちの戦線にも加わらずに後方で待機し、瘴気を変換して魔力にしたら、右の冒険者のうち俺を除く全員に成長促進をかけて魔力供給だ。右のモンスターが倒れたら、成長促進を左の冒険者たちにかけ直せ。」

「グオオオオオ!」

『貴公の望むままに。』

「ガオオ!」

『お任せください、主君!』


 俺の命令にモンスターたちは従い、それぞれ戦線に加わって行った。


「清鈴さん、俺たちも加わりますか。」

「そうですね、行きましょう。」

『そうだな、行くか。』

「頼んだぞ。私はこの闘技場の制御室で異空間安定の為に魔力制御をしなければならないから戦闘には参加できないが……」

「大丈夫ですよ。俺たちに任せてください!」


 俺はそう言うと、返事を待たずに地面を蹴り、フィジックスイーターの方へと駆けだした。



「もがき苦しめ! 【ポイズンスモーク】!」

「燃えろ! 【フレイム】!」


 フィジックスイーターの所では、多くの魔術師たちが魔術を打ち込んでいた。だが、痛覚が無いのか、それとも倍化している抵抗値が邪魔しているのか、気にしている様子は微塵も見受けられない。それどころか、


「…………ゴッ!」

「なっ?」

「くうっ……」

「うわあっ!」


 謎の短い掛け声のような声をあげてフィジックスイーターが拳を突き出すと、その拳の先にいた魔術師数名がまとめて吹き飛ばされた。近くにいた治癒術師ヒーラーや僧侶が治癒魔法をかけたので、吹き飛ばされた人たちは戦線復帰できたが、あのパンチは厄介だ。不可視の攻撃程対応しにくいものはない。


「【チェーン・バインド】!」


 俺はパンチを出せないように拘束の鎖でフィジックスイーターを捕らえた。奴を縛り上げ、ギリギリと締め上げる。この魔法の鎖は魔力塊なので、こいつの能力では無効にできない。


「もう1つ、【ロープ・バインド】!」


 俺は拘束の縄も生み出して更に強く締め上げる。この縄も鎖同様魔力塊なので、こいつは無効にできない。二重に縛ればまず逃れられないだろう。しかも、鎖も縄も逃れようと暴れれば暴れるだけ縛る力が強くなるのだから。


「よっしゃあ! 攻撃当て放題だぜ! 【アイシクルランス】!」

「反撃されないなら簡単。【サンダークラッシュ】!」

「さすが優勝者ね! 【ライトニングアロー】!」


 たくさんの魔法使いがここぞとばかりにフィジックスイーターに魔法を撃ちこむ。だが、やはり抵抗力は伊達じゃない。かなり強力な攻撃が当たっているにもかかわらず、相変わらず意に介している様子がないのだ。抵抗力の問題だけじゃなく、痛覚も無いのかもしれないが。


「抵抗が高いのが面倒なんだよな……運だけど、使うか。【スキルシール】!」


 俺は封印属性魔法のスキルシールを使用した。この魔法は対象のスキルをランダムでいくつか封じられる。だが、どれが封じられるかは運任せだし、酷い場合は1つも封じられずに魔力だけを消費してしまうこともある。今回は……


「よしっ!」


 俺は思わずガッツポーズをする。鑑定してみたところ、奴の【体術】と【抵抗倍化】が封印されており、抵抗値が半分に減っていたのだ。


「これで6万……なら効くだろ。【フレイムバースト】!」


 俺は上空に杖の先端を向けてそう唱える。すると、杖から噴出した火炎流は弧を描き……


 ――ゴオオオオオオオオオ!


 フィジックスイーターを包み込んだ。


「ゴゴ……ゴ……ゴオオオオオオ……」


 フィジックスイーターは苦しそうな声をあげる。ちょっと可哀想な気もするが、倒さないと被害が拡大されるし、仕方ない。


「悪いな。【ウォーターデリュージ】!」


 俺は続けて洪水のような水流を放った。それは見事にフィジックスイーターを直撃し、フレイムバーストの炎を消しながら7m程後方に押し流す。


「トドメだ。【ライトニングレーザー】!」


 俺は最後となるであろう光属性魔法を放った。俺の指先から強力なレーザーが放たれる。フィジックスイーターは縄と鎖で二重に拘束されている上、他の魔術師たちが更にかけた拘束属性の魔法などで動きを封じられていた為、避けることはできない。


「貫け!」


 俺の叫びと共に奴にぶつかったレーザー光線は、見事に奴の胴体に大きな穴を穿った。


「ゴゴ……ゴ……」


 奴が苦しむような声をあげながらバタリと仰向けに倒れる。近寄ってみると、既に息絶えていた。


「おおおおおおおおおおー!」


 冒険者たちが勝ち鬨を上げる。俺はそれを聞きながら聖属性魔法の呪文を唱えた。


「急所が無いんじゃ捕獲できないしな……仕方ないか。【ゴウ・ア・ヘブン】!」


 呪文に呼応して、光がフィジックスイーターの亡骸に降り注ぎ、それを光の粒子に変えた。粒子はキラキラと輝きながら消えていく。俺はそれを見届けると、清鈴たちが戦っているマジックイーターを睨みつけるのだった。

【リチャードのステータス】

リチャード・ルドルフ・イクスティンク

種族:人間

職業:ダンジョンマスター、魔術師

レベル:280→286

スキル:鑑定眼(Lv6)

    剣術(Lv9)

    刀術(Lv2)

    鎌術(Lv6)

    槍術(Lv16)

    杖術(Lv34)

    体術(Lv6)

    投擲(Lv2)

    狙撃(Lv6)

    自動回復(Lv2)

    神将召喚(Lv1)

    話術(Lv3)

    幸運(Lv6)

    疾走(Lv7)

    壁走(Lv7)

    隠蔽(Lv2)

    非表示(Lv2)

    罠解除(Lv4)

    武器造形(Lv3)

    全属性魔法(上級)

    念話

    降霊

    影潜

    無詠唱

    全言語理解

    毒属性無効

    呪属性無効

    聖属性無効

    邪属性無効

    地属性無効

    闇属性無効

    火炎無効

技能:炎剣(魔法剣)

   炎槍(槍)

   捨て身タックル(体)

混合武技:豪炎の激情(炎)

     水流の乱舞(水)

     荒れ狂う疾風(風)

     猛毒の抱擁(毒)

     浄化の閃光(光)

称号:妖精の寵愛(全魔術の威力上昇)

   大魔術師(適性ある魔術の威力大上昇)

   スキル収集家見習い(スキル獲得率小上昇)

   龍を討伐せし者(物理耐久力、回復力大上昇)

   破壊神の破砕腕(物理攻撃力大上昇)

   称号収集家見習い(称号獲得率小上昇)

   氷炎の支配者(氷、炎属性の攻撃力大上昇)

   霊の天敵(霊族モンスターへの攻撃力小上昇)

   瘴気喰らう者(瘴気系の悪影響中減少)

   気高き守護者(防御魔術の威力小上昇)

   称号収集家助手(称号獲得率中上昇)

   ウェポンメイカー(武器造形成功率中上昇)

   影の支配者(闇属性魔術の威力中上昇)

   嵐神の加護(風、嵐属性の威力大上昇)

   強奪者の素質(倒した相手のスキル、称号奪取率小上昇)

   邪を祓いし者(浄化属性魔術の威力中上昇)

   神獣との契約者(戦闘勝率大上昇)

   スキル収集家助手(スキル獲得率中上昇)

   栄誉の強奪者(倒した相手のスキル、称号奪取率中上昇)

   トラップブレイカー(罠解除成功率中上昇)

   称号収集家(称号レア変化率小上昇)

   魅惑の微笑み(異性魅了率小上昇)

   主の上に立つ者(配下の命令遵守率中上昇)

   ダンジョンを攻略せし者(ダンジョン攻略成功率小上昇)

   名付け親見習い(ネームモンスター強化率小上昇)

   微笑みの紳士(異性魅了率中上昇)

   神将との契約者(戦闘時負傷率大減少)

   微笑みの貴公子(異性魅了率大上昇)

   スキル収集家(スキルレア変化率小上昇)

   リジェネゲッター(自動回復の回復率小上昇)

   称号コレクター(称号レア変化率中上昇)

   支援されし者(支援系魔術の効果小上昇)

   豪炎を制する者(炎属性の攻撃力大上昇)


所持武器:アイアンナイフ(ノーマル、鉄製のナイフ)

     ウィンドナックル(レア、風属性物理攻撃可能)

     ソウル・ウォーサイズ(SSRダブルスーパーレア、死霊系に特効)

     ドラゴンスレイヤー(SSRダブルスーパーレア、全属性対応)

     神秘の破砕銃(URウルトラレア、神秘の聖銃の上級武器)

     烈火の神槍(LRレジェンドレア、黒迅の魔槍の炎属性特化上級武器)

     七星の宝石杖(GXギャラクシー、七属性の威力大上昇)

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