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ダンジョンマスター with 妖精 ~ひたすら型破り~  作者: 紅蓮グレン
第5.5章:閑話集&解説集①

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閑話:初めての買い物(side ルーア&キャトル)

「じゃあ、まずは服を買おう!」


 ルーアはそう言うと、ゴルドshop内のコマンド、【ブティック】を選択。すると、ウィンドウに様々な服が表示された。ローブやマントは勿論のこと、宝石をちりばめたような豪華なドレス、アオザイやチャイナドレスのような民族衣装まである。


「うーん、やっぱり高いな……1200ゴルドだと3着くらいが限界だし……」

「あの、ルーアさん、良かったら私のお給料分けましょうか?」


 ちょっと残念そうな顔をするルーアにキャトルはそう声をかけたが、ルーアは首を横に振った。


「え? いいよいいよ。それはキャトルちゃんがお仕事してマスターから貰った報酬なんだから、私が横取りする訳には……」


 しかし、キャトルは食い下がった。


「私はリチャード様に初任給や戦闘に付き合ったボーナスも貰いましたから。ここに居させて頂ける限り、食と住に関しては不自由しませんし。」

「うーん……じゃあお言葉に甘えてちょっとだけ。ありがとう、キャトルちゃん。」


 ルーアは晴れやかな笑みを浮かべる。その顔を見て、キャトルは喜びが湧き上がるのを感じた。


「じゃあ私、これを買おうっと。」


 ルーアは水色のスカートを選ぶ。すると、【購入】と【試着】という2つのコマンドが出てきた。


「へー、試着もできるんだ。じゃあ試着してみようかな。」


 ルーアは試着を選択。すると、ルーアの体を水色の光が包み込み、一瞬の後、ルーアの服装が変わった。選択した水色のスカートに。


「うん、サイズピッタリ。購入決定!」


 ルーアはスカートを気に入ったらしく、580ゴルドを支払ってスカートを購入。すると、ルーアの服装が元に戻り、その手の中に水色のスカートが出現した。


「じゃあ私は……これにします。」


 キャトルが選択したのはメイド服。ホワイトブリムもフリルもついた、長いスカートの正統派であるヴィクトリアンメイド様式のものだ。


「キャトルちゃん、そんなのでいいの?」

「はい。私、こういう服着てみたかったんです。ルロリーマの私のお家にいた使用人の人がこれを着ていて、凄く大人っぽく見えたので、私も着たいってお父様におねだりしたんですけど、キャトルはあの服を着るのに相応しくないって言われて着られなかったんです。」

「家にメイドさんがいたの?」

「はい。で、それからも着られなかったんですけど、私はもう勘当されたので自由です。だから、夢を叶えるんです!」


 そう鼻息を荒くしながらキャトルは宣言し、試着もせずに購入を選択。メイド服1式1500ゴルドを入手した。


「キャトルちゃん、何だか楽しくない?」

「とっても楽しいです。ここに来てから毎日楽しいんですけど、これはその中でも上位に入ります。」

「ね、お買い物って楽しいんだよ。じゃあ、他のものも買おう!」


 ルーアは今度は【ジュエル】を選択した。すると、煌びやかなアクセサリーやティアラなど、女の子が喜びそうなものがウィンドウに並んだ。


「わあ……」


 ルーアは目を輝かせる。


「凄いね、キャトルちゃん!」

「そうですね。こんなのはルロリーマにいた頃でも見たことないです。でも……」

「でも?」

「値段もバカにならないみたいですね。」


 キャトルは商品の下に書いてある値段を指す。ダイヤモンドのちりばめられたティアラは200万ゴルド、パールの首飾りは150万ゴルド、エメラルドの腕輪は120万ゴルド。とても2人の手が届く値段ではない。リチャードからすればこの程度のものはタップ1つで買えるのだが、剣術訓練の相手や一介の従業員からすると雲の上の上の上。銀色の指輪やターコイズの指輪などならば購入できるのだが、すでに結婚しているルーアと結婚予定がないキャトルは、指輪に用はない。


「しょうがないね、今日はアクセサリーは諦めようか。」


 ルーアはそう少し残念そうに呟くと、【ジュエル】を閉じて【スウィーツ】を開いた。マカロンやシュークリーム、マロングラッセ、タルトタタン、コンフィズリー、クグロフ、ミルフィーユ、フロランタン、ビスキュイなどお菓子の画像がウィンドウに並ぶ。値段も手ごろだ。


「うわあ、美味しそう!」


 ルーアは先ほどと同じように目を輝かせる。


「血みたいなものはないですよね……」


 反対にキャトルは少し残念そうな顔。


「キャトルちゃんって、甘い物嫌いだっけ?」

「いえ。寧ろ好きです。でも、私たち吸血鬼族の主食は血なので……」

「じゃあ、赤い物にすればいいんじゃない? これとか。」


 そう言ってルーアが指さしたのは、ニボーズと呼ばれる苺のケーキ。苺をジャム状にしたものをホールケーキの中央に作った窪みに入れ、生クリームと苺をトッピングしたかなり赤の要素が強いケーキだ。


「赤くて綺麗だよ?」

「わあ……本当に綺麗です……じゃあ私はこれにします。」


 そう言って、キャトルはニボーズをタップ。130ゴルドを支払って1ホールのニボーズを入手した。


「じゃあ私は……これにするね。」


 ルーアが選んだのはシャンティーとパティシエールが2層になっているシュークリームだ。1つ60ゴルドのそれをルーアは3つ購入した。


「まだいろいろ買えるものはあるみたいだし、他にも見てみよう!」

「はい!」


 ルーアとキャトルは、他にもゴルドshop内の商品を色々と見てみるのだった。

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