刃の煌めくは天に知られぬ稲妻か
「着キマシタワー!」
そのあとに我が物顔で入ってくる男たち五人。
「そこに掘炬燵あるぞ。軍衣袴乾かすにゃちょうどいい。投げ込め。」
「閣下、ついでに暖まっていいですか。」
「なぁに、かまわん。」
男たちは思い思いに服を脱ぎ捨てては、行為のために用意した堀炬燵に脱いだ服を投げ込んで行く。
「間違っても弾盒を炭団の近くにおくなよ。何が起こるかわからん。」
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なんでかわからんが、エリカがむくれている。それが可愛らしい。その顎に手を当て、引き付けながら、目を会わせる。
「あれだ、学年で一二を争うような少女の前で格好つけるのに失敗した少年のような表情だな。」
余計にむくれる。あれかね、見透かされたように感じるからかね?ああ、それがいとおしい。ほほを撫でてやる。絵面はまるで恋愛ものだ。はた目から見なければ。方やエロス溢れる美姫に方や下半身褌こっきりの醜男であるから、それは多分滑稽譚にもなりはしない。
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「ということで、この証文に署名捺印を頂きたい。」
目の前の醜男が出してきた文章。条件はただ一つ。『帝国指導者を首班とする帝国の國體に刃向かわないこと』
全く気に食わない。力こそすべてとも言って差し支えのない鬼の邦に文章で誓わせようというその態度。何より気にくわないのは、最上の女がそいつにべったりなこと。だから、吹っ掛けることにした。
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全く絵になりゃしねぇ。軍衣の裾も濡れてて気持ち悪いということで、いまや褌一丁で抜き身の刀を握る自分。まるで捕物の絵に出てくる追い詰められた盗人の様だ。髭ぼうぼうで大見得をきればそれでも見ものだろうが、残念ながらそんな貫禄、持ち合わせてはいない。相手は薄手の衣。ナニをしようとしていたか考えれば、そこにエロスを感じないはずはない。その殺気さえなければ。勝てる気はしない。だが、負けるわけにもいかない。死よ、間違えてくれるな、まだお前の元に逝くときではないのだ。
僅かに相手が動いた。嫌な予感に従い、右に体をかわしながら元に頸のあった空間に刃を『置く』。鈍い衝撃、舞うは彼の血か、我が血か、左肩にできた爪創。一方、落としたとも思った相手の腕は、繋がっている。白兵素人だから、勘違いしたか?巻藁と腕は違うのか?判らん。刃に残る血糊だけが不安をあおる。左腕が痺れて利かぬ。しかして我が意気は旺盛にて天を衝くが如く。感じたことのない高揚。所謂『アドレナリン・ハイ』とか云うやつか。いまならば幾万の軍勢も、幾千の悪鬼も、幾百が暴竜も畏れるに値しない。勝てないが。次は如何にや。
次もまた迫る。伏しつつ袈裟に振るう。狙い外れて相手の脚に入る。骨を苦もなく絶つ。引っかけられてぶっ飛ばされ、壁に叩きつけられた。幸いに刀緒で腕に刀を結びつけていたから、徒手空拳で相対することを免れる。確かに絶った脚はついてあり。僅かに赤い筋が残るが、それも消えてゆく。斬った端から治るのだ。さて、勝ち目はあるか?ある。必勝の信念を失わずならば、このような戦いで勝つことはできる。何しろ相手もまた血を失えるは確かなるゆえに。吸血鬼、血を失うならばどのように出るか?刀緒を解く。白兵の極み、それに至るとなれば邪魔だ。投げ棄てることもありうる。
その時にいきなり襖が開いた。向かってきたのは薙刀を手にした女。咄嗟に軍刀を放る。閃光がごとき尾を引きそれは頸を落とした。飛び掛かってくるは真の敵、ユキ。左腕にてその牙を無理矢理に受けて顎を右手の掌底で衝く。
ミシリ。
左腕が軋む。骨はそのうち折れるか砕けるか。そのまま顎を押し上げたまま、身体を寄せる。相手は右手で手刀をつくる。あれでもこの身を真っ二つに出来るだろう。両の手は今塞がり、脚は立つに精一杯。まだ武器はある。歯だ。ユキの頚筋に歯を突き立てた。
2018.4.14
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