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吸血姫の館に迫る

 帝都より呼び寄せた一個小隊ぶんの将兵五十名弱。と、勝手に着いてきたエリカ。何か、兵たちに激しい気疲れのあとが見える。


「なにかね、エリカが我が儘でも言ったかね?」


「いえ、閣下。世にいる男なら、『特』がつくほどの上級サキュバスが近場に居るだけでこうもなります。そういうものです。」


「そういうものか。サキュバスというものの恐ろしさは実感したことがない。」


エリカの表情が異様ににっこりしたような、その奥に紅蓮に燃える激情を覆い隠しているような、そんなものになる。その整った顔を乱れ染めることを夢見ない男はあまり居まい。なんだかそう思わせる顔だ。そのために作られたとも言われれば確かにそうだ。思わずその頬を撫でると、目を細めて喜んでくれる。そこから先に進むことは、たぶん今生に於いては無いだろう。戦争が終わるまで誰とも褥をともにすることはない。そして、きっと戦争が終わる頃には。初めの帰りたいという目的は不可能になった。そして、生き残りたいという目的もいよいよずれてきた。いまの新たなる目的は、『この世界を叩き壊すこと』だ。その為に死ぬだろう。


「小隊、整列‼」


兵は直ちに横隊をとり、並ぶ。立て銃の姿勢で並ぶは非常に美しい。如何なる風景も、これに勝るものはなかろう。しかもそれを自在に動かせるのは、愉悦の極みだ。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 吸血姫の館に向かう男たちの隊列があった。足場が悪いのか、ふらふらと定まらぬ足取りで進むそれ。目を離した隙に先頭の男の姿が掻き消える。吸血鬼たちの狩りが始まった。その隊列の最後尾にいるのは、エリカ・フォン・ホーネカーであった。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 用水路を歩く親衛隊の者共。半分凍結したそれを足早に進む。


「しかし、あのチンピラたちも悲惨ですねぇ。」


「あんだけの上玉前に、盛り上がるのもわかる、が、アレは、ネェ?」


彼等が話しているのはある男たちの末路の話だった。街で適当に引っかけたチンピラがあっさり操られたのを目の当たりにしているのだから、なんとも言えないことだった。たぶん彼らはいま、正規の道で館に向かう途中だろう。生きていれば。頭のいかれた閣下は、この酷寒の用水を行くように決め、挙げ句自分の嫁をも囮に使った。先頭をかける閣下の後ろ姿。ものを言わず、手拭で顔の下半分を覆い、抜き身の軍刀を手に走るそれ。一歩ごとに踊る雑嚢、暴れないように左手を添えられた鉄板で補強された鞘。限りなく黒に近い濃紺の軍装。

BANZAI!


2018.4.14

以下転載防止文字列

反動中共粉砕、民主化‼不忘六四天安門同志‼習近平黄熊殴殺‼

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