『親衛軍計画』
『帝国指導者』、もとい俺は今、円卓に着いている。此処で先程、『西方帝国宰相』を名乗る頭に角が生えたジジイに軽く教わった帝国の現状を、本格的に説明されていた。
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「で、対策案は有るのか。国土は削られ、国民は虐げられて。」
と、問う。当たり前だ、目の前に居る十名程の連中が国家運営の中枢なのだから。
「対策?そんなモノは不要だ。閣下が勝てば総て解決するのだから。」
と、リザードマンの化け物のようなオッサンが言う。待て、一介の短大生に何を望んでいる。出来るわけ無いだろう、この脳筋蜥蜴野郎、腹を切って消えて仕舞え。
「そんなだから何時まで経っても勝てないのよ。この脳筋蜥蜴馬鹿。」
と、やたらとエロい体つきをした、しかしメリノー種な角と蝙蝠な羽がついたお姉様的なのが返す。良く言いたい事を言ってくれた。
「弱い奴は黙ってろ!オスに股を開く事しか能が無い癖に!他にどういう手段があるか!!」
また、オッサンが怒鳴る。どうやら他に意見は無いらしい。ふざけるなよ。このままじゃ自分が戦わにゃいけなくなるぢゃ無いか。俺に出来るわけねーぞ。
ここ数日、宰相を名乗るオッサンにいろいろと聞いた、てか聞かされた訳だが、この西方帝国、『国軍』のような組織は無く、強い魔族や領主が勝手に造った私兵集団が各個に外敵と戦っては負けて居るらしい。ならば何処かが軍を統一的に統制して見ればよいとは思うのだが、既得権益やらなんだかんだで出来ないらしい。一回吹っ飛べ貴様ら。仕方ない。俺がやったる、やったろうじゃないか。
「ふむ、諸君。宜しい、ならば先ず我が直轄の軍を造ろうではないか。」
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後世の歴史家、イワン・ベッケンシュタインの言うには、この瞬間から、『兵力の機械化と兵站の高速化に伴う戦火の拡大の時代』が始まった。
2018.4.14
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