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異世界で大元帥  作者: General der Nationale Volksarmee
創設期(仮題)
2/60

魔法と騎馬の時代

 西方帝国東部、大陸領、フューラースベルクという町。六百数十年前の『帝国指導者』が大陸に攻め込んだ時以来の大都市となり、当時激戦が繰り広げられた場所だ。そこからおよそ二里離れた平野で、今再び戦いが起ころうとしていた。『ガルマン王国』が奪回すべく兵を投入したのだ。互いの兵力は『西方帝国』がおよそ一万、『ガルマン王国』は大体三千五百という、数字の上でも、また、ガルマン王国は純粋に人間のみで編成された軍であるのに対して、西方帝国は魔族が主力となっており、兵の数も質も西方帝国が優っていた。西方帝国公爵フランツ・フォン・ユルゲンシュタットが軍勢から堂々と大音声だいおんじょうを張り上げた。


「やぁやぁ遠からん者は音に聞け、近くば寄って目にも見よ。我こそは、フューラースベルクの領主、誇り高き龍人族の棟梁ぞ。我と思わん者は正々


 彼はそれを言い切る事が出来なかった。何故か?理由は単純である。名乗りを終えるより先に、攻撃魔法が撃ち込まれ、彼と彼の軍主力は殲滅せられたのだ。そして混乱した雑兵は殆ど何も出来ないまま各個に撃破されて仕舞った。結果フューラースベルクは失陥した。







 西方帝国では『戦争』というモノはここ千二百年程、戦術、戦略は進歩を見せなかった。何度勇者に負けようとも。何故か。それは相手が勇者であったが故に変わらなかったと言っても良い。つまり、『勇者と一騎打ちをする』事自体が目的と成っているのだ。勝つに越したことはないのだが、勝てなかったとしてもまたそれは不名誉では無い。正々堂々と戦って負けたなら単に自分に力がなかっただけだからだ。

 一方、人間側は違った。それまで治癒系しかなかった魔法に、攻撃系魔法が生まれ、攻撃系魔法の普及と遊牧民族の台頭と共に、戦術は大きく変わった。単純に言えば、攻撃系魔法や弓による遠戦の後、散らばった敗残兵を、まるで遊牧民が家畜を追うように騎乗した騎士が追い撃ちをかける。ここに、敵兵と家畜の間に存在すべき尊厳の差は消滅した。一騎打ちといった『非合理的』な戦争体系は遥か過去の遺物と化したのである。これが現在の戦争である。後年の歴史家はこの時代を『魔法と騎馬の時代』と呼んだ。

五月二十九日


2018.4.14

以下転載防止文字列

反動中共粉砕、民主化‼不忘六四天安門同志‼習近平黄熊殴殺‼

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