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どこまでも続く青空。


自分が立っているところは雲。


白い雲が青い空と共にどこまでもどこまでも果てしなく続いている。


拭えぬ虚無感。乾き。何かが足りない。


何か大切なものがすべて自分の体から出て行ってしまったようだ。


自分であるべき証。名前、年齢、住所。母親の顔、父親の顔。


駆ける、駆ける。何もない。何も、何も。


やがて目の前に大きな建物が見える。何もかも鏡でできている。


自分は人の姿ではない。獣。


前足で鏡に写る自分の顔に触る。


こんな姿ではなかった。


しばらく鏡の自分とにらみ合っていたが、らちが明かないため建物の奥へ入る。


そこは鏡の街だった。


人がいた。それらはガラスでできていた。


誰も自分に見向きもしない。


そこの住人は皆背が高く、屋根より頭が少し高かった。手足が長く無機質だった。


どこから光源が来ているのかわからないが、建物には濃い影ができていた。


それが自分の不安を煽り、恐怖を煽る。


俺は街中を突っ切る。


しかし誰も自分に見向きもしなかった。


虚無だけが存在した。



走って街を抜けると大木が見えた。


雲を突き抜け遥か遠くの空を目指して大木はそびえた。


どこからともなく音が鳴る。


ポロン、ポロン。


自分の証の一つを見つけた。


大木の枝葉を抜けて幹に近づく。途中何度も何度もすり傷を負った。


幹に触れる瞬間、真下の雲が開け、大地があらわになる。


未開の世界。うっそうと生い茂る巨大な森林が見える。はるか彼方には海と海岸が見える。


建物のようなものも見えた。


落ちていく、落ちていく。



目が覚めると血の海が目の前に広がっている。


全身の痛みにうめき声すら出せない。


体が動かせない。


そこへ小さな女の子がやってきて、自分の目の前に座る。


パンツ見えた。


なんて喜んでいる場合ではない。


ヘルプ、助けてくれ。


女の子は俺の鼻を撫でると、どこかへ行ってしまった。


俺は吐血して気を失う。



目が覚めると、真っ白な建物の中にいた。


窓には何もはめられておらず、壁が四角く切り取られているだけだった。


小屋のような小さな白い部屋には、四角い灰色のアナログテレビが入り口の脇の、本棚の上に置かれていて、ニュースが流れていた。


窓は一つしかなく、そこから白いゆるやかな坂になった道と、向かい側に白い建物が見えた。


空は青く透き通っていて、白い雲が一塊浮かんでいた。


自分は白いベットに寝ていて、黄色い生地に赤いチェックの模様の入った毛布をかけられていた。


室内は暗く、窓から光が斜めに射していた。


部屋には赤い扉が一つあるだけで、他に出れるようなところは一つもなかった。


白い部屋の真ん中には透明なガラス板でできたテーブルと、そのテーブルの上には、小さな白いマグカップとスープ皿と銀でできたフォークが置かれていた。


部屋に置かれたものはどれも子供用のもののようだった。


体は痛むが、ここにはいられない。


誰かが住んでいたような生活感みたいなのが感じられない。まるで展示会場にいる気分だった。


外に出てみて、違和感の原因がわかった。


ここは巨人の作ったミニチュアの街なのだ。


巨人の子供と思わしき太った子供がにやりと笑いながら自分に向かって手を伸ばしてくる。


逃げ場はなかった。



そういえば○撃の巨人アニメ化したんだってね、おめ





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