50 プチっと情報局2
◆季節イベント
さて、そろそろ年末だが、王都では冬至祭りが開かれている。
この機会なので、フィーラル王国の祭りやイベントを年間を通して記述したいと思う。
1月
1日。新年は冬至祭りから続く公式な休みだ。
王宮では新年祭が開かれる。
15日。王都では冬のブルー・ブルの日だ。
年4回の闘牛ショーが行われる日の一つだ。
2月
14日。チョコレートの日。
フィルダーズ南洋国から輸入されたチョコレート記念日として定着している。
男女問わず、チョコをあげる。
俺も誰かから欲しいくらいだ。
3月
王都の王宮の森では、新春の薬草採取強化月間が行われる。
珍しい高価な薬草をゲットして大金を稼げるチャンスだ。
下旬から4月頭。学校は春休みになる。
下旬。サクラ祭りが各地で開催される。薄ピンク色の花弁は綺麗なものだ。
大人はエール片手にリクウミウシの串焼きを食べるのが、伝統となっている。
子供は麦ソーダと決まっている。発酵させていない麦ジュースに天然の炭酸で割ったものだ。
4月
この国では新学期のはじまりだ。
国によっては9月開始のところもある。
15日。王都では春のブルー・ブルの日だ。
年4回の闘牛ショーが行われる日の一つだ。
5月
5日。冒険者ギルドの日。
冒険者ギルドではエールが1杯無料で飲める。
まあ、それ以上に追加で頼んで飲み過ぎる人が続出する。
6月
この時期は梅雨で、雨が多い。
南部マタスニユ湖では、夏のフロッグ大繁殖に備えて、冒険者が集まってきて狩りをする。
7月
15日。王都では夏のブルー・ブルの日だ。
年4回の闘牛ショーが行われる日の一つだ。
20日。海の日。
海に感謝する日だ。陸側の俺たちは別に何かするわけではない。
シタリア・ベルマ海の漁師たちは、この日は海に出ないで酒を飲むらしい。
そして海にも酒を注いで、感謝をするそうだ。
8月
一か月、貴族学園はお休みだ。
貴族も王都ではなく、この間は実家の領都へ帰る。
地元貴族や商人と交流する期間でもある。
北のバロストア大森林は、夏がシルバー・フォックス狩りのシーズンなので覚えておくように。
専用のパーティーを組むのも盛んに行われるので、ボッチでも参加しよう。
冬は雪が積もってそれどころじゃないぞ。
15日。祖先の日。
祖先に感謝して、祈りをささげる日だ。
俺も両親や祖先にお供え物をして、お香を焚く。
9月
山に感謝する日だ。
実際には、ワイバーンやドラゴンに感謝する日というのだろうか。
別に何をするわけではないが、そう決まっている。
上級貴族はこの日にワイバーン肉を食べるらしいが、知ったことではない。
10月
この一か月はキノコ月間だ。
魔の森では、キノコ採取が盛んに行われる。
15日。王都では秋のブルー・ブルの日だ。
年4回の闘牛ショーが行われる日の一つだ。
下旬。収穫祭。
麦の刈り入れが終わり、新しいエールとブタ肉を食べる日だ。
飲めや歌えのどんちゃん騒ぎに発展する。
夜は恋人たちのダンスで、ここでカップルになる連中も多い。
11月
5日。のろしの日。
このころは晴天が多いとされる。
のろしの年に一度の試験日で、国中ののろし台に火がつけられる。
23日から一週間。黒の曜日。
起源は不明だが、12月前にセールが行われる。
特に服、靴、鞄、魔道具といった高価な品が一斉に割引されるので圧巻だ。
12月
冒険者はこの閑散期に王都に集まって情報収集する。
そういうものだから、もし機会があれば王都にくるといい。
21日前後。冬至祭りが開かれ、このまま年始の新年祭りまで一緒にお祝いする。
王都の貴族学園は、新年5日まで冬休みだ。
この新年の間は貴族も年末年始の御挨拶で、王都に集まる風習がある。
王都のバザールでは安売り祭りが開かれ、賑わいを見せる。
こんな感じだろうか。
冒険者はその時期に合わせて移動したりするが、参考になればうれしい。
◆妖精について
モンスターではないから書いてこなかったが、この世界にも妖精はいる。
15セントメトル程度のサイズで、蝶の翅を持つ。
下級妖精は単なる光の玉をしている。その辺で夜に光ってるのは、だいたいこいつらだ。
中級妖精は二枚翅をしているので、見ればわかる。
そして上級妖精は四枚翅の完全体だ。高位の妖精は強い力を持ち、属性魔法を操るとされる。
体は人型で服を着ているが、服も妖精と同じ不思議な魔力の塊で構成されているので、体の一部ともいえる。
しばしばサーカスなどの裏メニューとして出てくることがある。
小さな檻や専用の魔法瓶に入れられた姿は、可哀想なものだ。
薄暗い中では発光しているので、特に目立つ。
妖精は高価な蜂蜜酒が好きで、酔っ払うと簡単に掴まえられるという伝承がある。
実際につかまっている話を聞くと、その通りなのだと思う。
基本的に善性ではあるが、敵対的行為をすれば、痛い目に遭うこともある。
魔法は得意なので、人間の魔法使い並みかそれ以上の属性魔法を使える。
体のサイズからすると驚異的な能力だが、体が魔力でできているという言い伝え通りであるなら、魔法との相性がいいのは納得の話だ。
妖精について冒険者ギルドや王宮は掴まえないように命令を出しているが、闇市ではしばしば取引され、こうしてサーカスのようなところで人目に触れる。
フィーラル王国の王宮では懇意にしている、クーシリアという上位妖精がいる。
青いアゲハ蝶で水属性をつかさどり、王都の治水を安全に治めている理由だそうだ。
たびたび歌劇や吟遊詩人に謳われているので、見聞きしたことのある人も多いだろう。
妖精の鱗粉が錬金術の材料になるという話もある。
確かにそうらしいが、珍しいので、あまり取引履歴はないようだ。




