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最強平凡B級冒険者ヤドルのフィーラル王国魔物事典  作者: 滝川 海老郎


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45/59

45 C スカイフィッシュ

 空を飛ぶ魚それが「スカイフィッシュ」だ。


 大きさは空を飛ぶサイズで30セントメトルから1メトルくらいだろうか。

 魚には違いないが、浮袋が発達しており、その浮力で空に浮かんでいる。

 小さい幼魚のときは海に住んでおり、成長すると水中から出て空を飛ぶ。

 成魚になり、一年から数年回遊してきた後、海に戻ってきて卵を産む。

 ヒレも発達していて、空中をうまいこと泳ぐ。

 意外なほど素早く、捕まえるのは困難だ。

 ぶっちゃけ、割に合わないので、冒険者はあまり相手にしない。

 しかし、魔物ではある。


 たまに王都周辺に群れでやってきて、討伐隊が組まれることがある。

 別段、悪さはしないのだが、肉は食べられるし、空を飛んでいて糞を落とすなどの被害自体はあるので、放っておくわけにもいかないらしい。

 そのへんは、かなりのところお役所仕事感が強い。


 火魔法や弓矢で撃ち落とすことは可能だ。

 剣で戦うのは絶望的なので、諦めてほしい。

 王都では、常備軍の遠距離部隊がいるので、それで対処している。


 ワイバーンが主食として好んで食べる。

 ワイバーンに捕食されないように低空を飛ぶ習性があるが、ワイバーンのほうが上級から急降下してきて、根こそぎ食べていくので、圧巻だったりするらしい。


 シタリア・ベルマ海から浮上した成魚は内陸部まで入り込んで、フィーラル大草原一帯の上空まで進出してくる。

 小さな昆虫などエサは多いので、それを食べるためにも、低空で飛ぶのかもしれない。

 時には小型の鳥を捕食することもあるそうで、なかなか空も弱肉強食の世界が広がっている。


 王都からでも、群れが飛んでいるのが、しばしば目撃される。

 その光景を見たことがある人は多いだろう。

 まるでトンボの群れのようだが、サイズが大きいので、圧巻だ。

 ワイバーンがもし来たら何はともあれ、一目散に逃げよう。

 おそらく魚に夢中で大丈夫だとは思うが、いつ気が変わるかは誰にも分からない。


 焼き魚としては珍しいが、オイル漬けなどの伝統料理はあり、熱した油で茹でて食べる。

 表面はパリッとして、中の身はほろほろで意外といける。

 俺は個人的には肉のほうが好きだが、魚も捨てたものではない。


 綺麗な胸ビレは、透明でしばしば工芸品などに使われる。

 ステンドグラス風のテーブル照明具の魔道具は有名だが、いささか高級品だ。

 魔石の値段もあって、一般に普及しているとはいいがたい。

 普通の油やロウソクのランプ向けもあるが、ヒレが焼ける問題があって、あまり実用的ではない。


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