39 D シルバー・フォックス
高級の毛皮の一つ、それが「シルバー・フォックス」だろう。
キツネの一種だがこれも立派なモンスターだ。
銀色をしており、白変種同様に高値で取引される。
イヌにも似ているが、鼻と耳が尖っているのが特徴的だ。
ふわふわの大きな尻尾もまた目立つ。
跳ねるように走り回り、すばしっこい。
雑食性のようだが、肉もそこそこ食べる。
北部を中心に森林に多く生息しており、その銀色の毛皮は降雪地帯では逆に目立ちにくい。
森の中では、薄暗く思ったよりはこちらも目立たないようで、不思議な感じがする。
シルバー・フォックス狩りは毛皮が儲かるので、何度か挑戦したことがある。
森へと入っていき、他のモンスターを避けつつ、ターゲットを探した。
乱獲されるかと思いきや、思ったよりフォックスのスペックが高いため、獲るのに技量がいる。
そのため、乱獲しにくいのだと思われる。
その分、高価で高値なので、狩れるレベルの冒険者は、懐が温かい。
俺も美味い思いをさせてもらった。感謝している。
肉は普通に食べられているが、少し独特の臭みがある。
気にしなければ、なんということはないが、ホーンラビットなどが淡泊なこととは対照的で、ワイルドウルフに食べ慣れていない中流層以上の人間にとっては、びっくりするものだ。
味自体は深みがある旨味が特徴だが、独特なのは違いない。
地元の猟師に伝わるネギなどの香味野菜と鍋にすると意外なほど美味しい。
その毛皮は、貴族のたしなみであり、モモンガが超高級品であることと対照的に、貴族の一般的な毛皮製品として流通している。
色が白に近いシルバーなのも高級感を示していて、人気の理由の一つでもある。
地方の冒険者の中には、このシルバー・フォックスを専門にする業者がいる。
彼らは肉は自家用に、毛皮を貴族相手に売りさばき、家を建てたと自慢していた。
放浪気味の冒険者である俺からすればうらやましいが、寒い冬は厳しい現実もあり、どちらのほうが裕福で幸せかと問われると、俺は一瞬躊躇してしまう。
キツネ種としても、親しまれているが、モンスターであり、あまり人に懐かない。
ペットにしたいという意見はたまに聞くが、だいたいが金持ちの道楽であり、理想に過ぎない。
現実的ではあまりないようで、実際に飼ったという話は聞いたことがない。
性格は温和で、人懐っこいところはあるが、モンスターである。




