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最強平凡B級冒険者ヤドルのフィーラル王国魔物事典  作者: 滝川 海老郎


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3 E ホーンラビット

 モンスターで一番有名なのがスライムなら、一番身近なのは「ホーンラビット」だろう。

 現代語で書き表すなら「一角うさぎ」だろうか。

 なお余談だか、多くのモンスターは旧統一帝国語で名前を呼ぶことが多く「ホーンラビット」もそうだ。「モンスター」という単語もそうで現代語では「魔物」という。


 ホーンラビットは哺乳類の動物、ウサギに似ている。

 ネズミを大きくしたような姿で、後ろ足が発達し、跳ねる。また耳が長く聴力もいい。

 ホーンラビットは草食性だと考えられてきたが、稀に死骸など肉を食べることもある。

 ウサギとの一番の違いは額に角が一本、真っ直ぐ生えていることだ。

 オスの角は長く、メスの角は比較的小さい。

 動物ではなくモンスターであるのは、胸に魔石があることから、明らかだ。

 普通のウサギが30セントメトルなのに対してホーンラビットは50セントメトルと大きい。

 体毛の色は茶色、黒、白が知られている。親の色を受け継ぐようだ。そのため地域ごとに色が異なる。


 ホーンラビットは街の近くの草原や森など、比較的安全性の高い地域に生息している。

 それはもちろんモンスターとして弱いからだ。

 近くにもワイルドウルフなど肉食モンスターがいるものの、ワイバーンなどよりかはましだろう。


 発達した後ろ足によるジャンプアタックは強力だ。特に角を向けて攻撃された場合、角とジャンプの威力の相乗効果で、それなりのダメージになる。

 もっとも、モンスターとしては一番弱いランク付けなので、強いとは言えない。だが油断も禁物だろう。

 攻撃により死亡させられることは稀だが、防具が貧弱な場合は、怪我は負いやすい。


 ホーンラビットは巣穴を地面に掘り、家族単位で暮らしている。

 家族の範囲は曖昧で、両親と子供世帯もあれば、親戚まで一緒に住んでいることもある。


 オスとメスがいる。もちろん繁殖により増える。

 年に数回、子供を3、5匹ほどメスが出産する。

 基本的には一度決めたパートナーとずっと一緒に生活し、パートナーを替えることは珍しい。


 ホーンラビットの肉は大変おいしく、鶏肉のささみに似ている。脂身が少なく、白っぽい色をしている。比較的淡泊な味がする。

 とても美味とは言い難いものの、重要な食料になっている。

 ホーンラビット肉のステーキ、串焼き、シチュー煮込みなどが定番料理だ。

 町の近くに生息しているなら家畜の肉より、安価で比較的大量にとれることから、庶民にも親しまれている。

 もしホーンラビットがいなかったら貧しい人たちは肉を食べることが難しくなるほどだろう。


 王都周辺ではホーンラビットすら駆逐されてしまい、モンスターがほとんどいない。いるのはスライムくらいだ。

 そのため王都の食肉事情は他の都市からの干し肉の輸入と、家畜だのみになっており、肉の相場が他と比べてかなり高い。

 それが貧困街の食料事情に直撃している。


 骨や内臓はあまり活用されていない。

 毛皮は弱いものの、非常によく活用されて、日用品の毛皮製品になる。

 小物やバッグ、小銭袋などに加工される。


 ホーンラビットたる角は、そのまま槍の先端に装着して、ホーンスピアにされる。

 また調薬師協会は認めていないものの、民間薬として、角を粉にして煎じて飲むと、風邪や軽い病気に効くと信じられている。


 顔は可愛くて、毛皮はもふもふで気持ちがいいため、たまにテイムしたり、ペットにする人もいる。

 気性は温和ではあるものの、ひとたび敵対すれば魔物であるのを実感できる。

 飼うのなら、普通のウサギをおすすめしたい。

 やはりモンスターはモンスターである。


 ウサギに似た兎人族がいるが、彼らは別にホーンラビットだからといって特別な感情などもないようだ。

 普通に兎人族もホーンラビットの肉を食べ、共食いともみなされていない。

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