29 D ラージ・バタフライ
大きな蝶々それこそが「ラージ・バタフライ」だ。
幼虫はグリーン・クローラーと呼ばれていたモンスターの羽化した姿だ。
クローラーについては、1ページ前を参照してくれ。
ぶっちゃければ、巨大なアゲハチョウだ。
小さなアゲハチョウは、見ていると長閑で、癒しだが、ラージ・バタフライは飛んでいるだけで迫力がある。
大きさは1メトルを超えるほどで、それが羽ばたいて舞っているので、圧巻だ。
目は黒い複眼、口はストローになっていて、通常時はくるくる巻で収納されている。
手足は昆虫型なので六本。
翅は前出の通り、アゲハ模様だ。
大きくても、あの独特の模様は記憶にある人も多いだろう。
黄色と黒の翅模様の個体が多いが、白と黒の白変種が稀にいる。
飛べるものの、空高く舞い上がることができないようで、比較的低空を飛び続けている。
草原のあちこちで羽ばたいていると、けっこう目立つ。
人間が食べることはない。
手足は細いし、胴体は内臓だけしかない。
内臓は苦いらしいが、あまり食べないほうがいいと思う。
鱗粉は、錬金術の材料になるらしいが、あまり需要がない用途みたいで、それほど高値では売買されていない。
なんだったかな、色素定着材だったか。
ポーションを他の色に染めるときに染料と一緒に使う。
しかし、そもそもそんなことをする人がほとんどいないので、あまり用いられない。
しかし、目がいいらしく、近づくとすぐ飛んで行ってしまう。
そのため実は討伐するのがかなり難しい。
諦めたほうが賢明だ。
10月ごろに羽化し、その後一年間あまり生き抜く。
3月ごろに卵を産んで、その後はのんびり過ごすようだ。
それでも寿命が短いが特徴かもしれない。
卵の数は非常に多く、そのため小さな子供のクローラーが大発生する。
多くはラミーニャに食べられてしまうが、それでもこうして生き残り、ラージ・バタフライになる。
そうして命がつながっていくようだ。
台風などが来ると、風に飛ばされて王都まで飛んでくることがある。
ほとんど害はないが、それでも騒ぎになるのを覚えている。
それも大群が舞ってくると、けっこう面白い。
模様や翅を再現するのが難しいのか、ぬいぐるみは見かけたことがない。
あったら、貴族の令嬢の子供などに人気になりそうだが、誰か作ったりしないのだろうか。
もしできたら、非常に楽しみだ。




