25 C ロック・バード
空飛ぶ肉食の怪鳥それが「ロック・バード」だ。
単に、ロック鳥と呼ぶ場合もある。
鳥なのだが魔石があるらしく、モンスターに分類される。
大きさも、ワシなどの大型の鳥類の倍はあり、幅も大きい。
見た目はワシやタカなどに非常に似ていて、茶色と白の羽根が生えている。
その姿は、雄大であり、カッコいい鳥の代名詞でもある。
貴族の人気も高く、ロック鳥の絵を象った紋章を旗に掲げる領や国もあるくらいだ。
確か、東の向こうの国、アラバニア聖王国の国旗がそうだったように記憶している。
猛禽類だと思う通り、肉食だ。
ブロック肉を丸ごと持ち去るレベルで、大型を活かしてかなり大きなものを持ち運べるようだ。
爪もクチバシも鋭いので、気を付けよう。
圧巻なのは空を飛んでいて、俺たちの上空を通過したときだ。
一瞬、完全に影が差すので、みんな思わず上を見上げる。
ワイバーンやドラゴンだったら逃げる合図である。
ロック鳥であれば、そこまで危険視する必要はない。
生きた人間より、死体を食べるほうを優先するらしい。
ただし、お腹が空いていれば、人も普通に襲うので、どんな動きをするか、注目はしておいたほうがいいだろう。
ロック鳥の羽根は、たまに落ちていることがある。
ほとんど偶然だが、非常に運がいい。
ということで、幸運のお守りとして、高値で取引されている。
俺もひとつ持っていて、宝物の一部だ。
ロック鳥の唐揚げが、美味そうだが、食べたことはない。
そもそも、生息数が激減していて、絶滅に瀕している可能性がある。
もっとも生息地は、空飛ぶ魔物に共通して、国に収まらない。
前出のアラバニア聖王国なんかは、砂漠の国として知られ、そういう乾燥地帯にも生息しているということが推測できる。
ただし、このロック鳥をテイムするのは非常に難しく、俺は実例を見たことがない。
しかし伝承のおとぎ話「百夜一夜物語」には、テイムされたロック鳥が登場するので、過去にはテイムされた個体がいたのだろう。
もしロック鳥がたくさんおり、テイムできるモンスターであれば、国の輸送は大きく変わる。
ハーピーでは無理であった重量物の輸送ができ、商人たちもロック鳥で荷物をやり取りする世界だっただろう。
しかし現実には、そうなっていないのが、この世界の厳しさを伝える一面でもある。
その代わり、商人や冒険者の護衛は今日も荷物を運んで旅をする世界が成り立っているとも言える。
空を荷物が飛ぶ世界であれば、商人が激減し、街道はさびれて利便性が大きく減少していただろう。
なにが素晴らしいかは、見る角度によって異なるということでもあるようだ。




