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最強平凡B級冒険者ヤドルのフィーラル王国魔物事典  作者: 滝川 海老郎


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24 E アルラウネ

 森の植物系妖精型の魔物それが「アルラウネ」だ。


 植物系モンスターを紹介するのはこれがはじめてか。

 植物と言っても、その生態は動物に近い部分もある。

 それがモンスターと言っていいだろう。


 本当に植物のように生息している個体と、根が触手状になり、地面を移動するタイプもいるのだ。

 アルラウネはおそらく後者だと推定される。


 妖精型というように、女性の上半身のような形をしているが、これは擬態といって人間を模倣しているとされる。

 これは進化の過程で発達したものであって、交配とかをしたわけではないらしい。

 人間と植物型の妖精が交配のであれば、それはそれで珍しい現象だが、学者の見解は異なる。


 女性型の上半身は、大きな綺麗な花の中心に生えている。

 その花そのものが本体だったりする。

 さらに葉っぱや触手があるのが、普通だろうか。

 女性型の上半身は、ほとんどが緑色をしているが、髪や目など再現度が高い。


 しかも、植物だと思うのだが、意思があって、会話ができることもあるという。

 ちょっと植物という種別そのものを、考え直さないといけないかもしれない。

 普通の植物も目や口などがないだけで、知能があるかもしれないと思うと、ちょっと思うことがある。


 戦闘に関して、そもそも敵対関係にあるのか、それとも友好的な種族なのか、その時点で論争がある。

 もし戦闘になったら、触手もあるし、顔には口があって噛みついてくるだろうから、注意はしておこう。

 あまり強いとは思えないが、要人は必要だ。

 それでも、初心者冒険者でもギリギリ対処くらいはできるのでは、ないだろうか。


 伝承では、アルラウネはマンドラゴラの親戚とされる。

 マンドラゴラはダイコンに似た植物なのだが、二股に分かれ足のように見える。

 また側面に模様ができて、それが目や口に見えることから、人型の魔物との関連性が真面目に研究されている。

 処刑された魔女が流した血から生えたのがアルラウネだという言い伝えだが、真偽のほどは不明だ。

 そのため、なにか怨念のような不気味な感じがする理由だろう。


 さて、アルラウネだが、中央の巨大花以外に、小さめの小花をたくさんつけることがある。

 大きさは3セントメトルから5セントメトルくらいだが、それは受粉すると実がなる。

 その実は、小メロンのような果実で、食べると甘くておいしい。

 外側は緑色で中も薄い黄緑だ。種がいくつか中央に入っている。

 この種を植えたらアルラウネが生えるのだろうか。ちょっとそれはそれで怖い。


 フィーラル王国西部に広がる魔の森では、アルラウネが多く目撃されている。

 その地方では、アルラウネの小メロンが人気になっていて、身近な甘味として販売されている。

 俺も西部に行った時には、よく買って食べた。

 ただ、それほど安くないわりには、実は一口サイズで小さいので、割高感はある。

 プチ贅沢品くらいの価値観だと思うが、美味いものを食べない理由にはならない。


 フィーラル王国西部にあるパンナン村では、緑色をした女性に花がついた、アルラウネぬいぐるみが販売されている。

 これは、伝統品ではないものの、よくできている。

 小さいので、お土産にもちょうどいいサイズだ。



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