22 A ポイズンヴァイパー
荒ぶる巨大な毒蛇それが「ポイズンヴァイパー」だ。
ヘビはヘビだが、魔物のソレは大きさが異常だ。
全長で10メトルほどと言われている。
鱗一枚にしても、見えるだけで大きい。
見た目は濃い黒紫色をしているが、太古の始祖に近い個体には白い巨大なポイズンヴァイパーがいたとう伝説だけは残っている。
普段は、深い森の奥などでひっそりと生活しているが、稀に村を襲って恐怖に陥れる。
幸いにして、王都付近にはほとんど出てくることがない。
またフィーラル大草原のような、草原地帯にも不思議と顔を出さない性格らしい。
まあ、出てきたらめちゃくちゃ目立って、ワイバーンやもしかするとドラゴンなどが捕食するのかもしれないが、理由は不明だ。
人というか、大きいモンスターであっても、ぐるぐる巻きにして絞め殺すその力と筋肉は恐ろしい。
そしてポイズンというからには、牙から毒が出ている。
強毒性であり、人間クラスであっても、早い段階で痺れ始め、すぐに死亡するとされる。
ところが面白いことに、ヴァイパーの子供は最初、小さいのだ。
卵から孵化するとされるが、あまり見た人はいないと思う。
見た目はちょっと大きい蛇だな、くらいの認識だが、黒紫であれば、それはだいたいポイズンヴァイパーなので、注意しよう。
中級冒険者くらいになれば、子供であればだが、ヘビ退治感覚でこなせるようになる。
超巨大な個体もいるので、そういうのが出てこないことを祈るか、出てきたら逃げよう。
ヴァイパーは足も速いので、危険だが必死に走れば逃げ切れることもあるだろう。
超巨大な個体だった場合は、おそらく騎士団が出てくるだろうから、冒険者ギルドに報告だけしっかりしてくれればいい。
あとはハーピー便がワイバーンに食われずに連絡が届くのを、またしても祈るだけだ。
人間のやれることは思ったより少ないのだ。
身は切り身にして、唐揚げにするとちょうどいい。
ワイバーンほどではないが、淡泊な鶏肉風の味は、さっぱりめだが旨味はあり食べれば美味しい。
皮も切って持ってくれば、鞄や財布など、高級革の代名詞でもある。
つるつるして硬いほうだが、子供のポイズンヴァイパーであれば、ちょうどいいサイズや厚みだったりする。
高く売れるので、ぜひ採っておいて、冒険者ギルドに行って金貨にしよう。
革職人たちが、泣いて喜ぶだろうし、ウィン・ウィンである。
伝説の白変種の皮であれば、どんな高値になるか想像もできない。
貴族たちが欲しがっている事実がすでにあり、依頼自体はずっと出ている。
なんでも「高貴な白い蛇のお財布は巨万の富を呼び込む」と言われているとか。
もっとも、存在しないからこそ高いともいうものなので、一生拝めることもないだろう。
もし見つけたら、小さな個体でも全力で狩ろう。頑張ってくれよ。
白変種はヴァイパーに限らず、だいたい高額買取りが待っているので覚えておくといい。
ちなみにガラガラヘビおもちゃといえば、子供の定番アイテムだ。
困るのは、これで他の子を脅したり、怖がらせたりする子がいることだが、社会とはときに厳しいものだと実感してしまう。
おもちゃと分かれば怖いも何もないが、これが本物のポイズンヴァイパーの革でできた、最高級品だった場合は、俺でもビビり散らかすと思うので、そういうのはやめよう。




