17 B ブラッディベア
森のヌシ、大グマ型魔獣それが「ブラッディベア」だ。
ブラッディは帝国語で血塗られた、という意味。
ベアはそのまんまクマだ。
小グマは1メトルほど。大グマは5メトルほどにもなる。
森のヌシというだけあって、デカい。
ほぼすべての個体の毛皮は焦茶色だが、たまに血に染まっている赤いベアがいる。
そいつは王者なので、とにかく逃げよう。
大きな体で、手足も人間よりかなり太い。
そして肉球はかわいいが、爪が鋭い。五本指の怪物だ。
顔も見た目はかわいい系にも見えるが、口は肉食獣のソレで、歯も凶悪だ。
森の深いところにはだいたい棲んでいる。
だから、森の浅いところ以外にいくなら、ブラッディベアと戦う覚悟くらいはしておいたほうが身のためだろう。
草原や平原にはいないことが、まあ森も浅いところには顔を出さないのが、ありがたい限りだ。
王都にある王宮の森には生息していない。
一般人は立ち入り禁止だが、許可が出れば採取をしてもいいので、そのような安全な森で経験を積むのもいいだろう。
ただし、普通の一般人は許可が下りにくいので、注意してほしい。
ギルドの依頼でレア薬草の採取などがあれば許可が出やすいので、考えておくといい。
話を戻して、ベアのいる森のほうだ。
クマといえばハチミツである。
キラービーの巣があると、よく襲いに行く。
ブラッディベアはその厚い皮と皮下脂肪で、ハチの攻撃を何とも思わないらしく、巣を一部壊してハチミツを奪う。
すべて壊さず、また取りに来るのが頭がいい証拠だ。
会話はできないが、知能は犬猫並みかそれ以上だろう。
そうそうブラッディベアの「ガオオオ」という咆哮を、まともに食らうと、恐慌といって、一種のスタンと同じ状態になってしまい、戦闘不能になる人もいるので、気を付けよう。
経験が多い人、異様に強い人はなりにくいが、個人差がある。
特に女性は気を付けたほうが無難だ。
咆哮を察知したら、耳をふさぐのもいい方法なので、検討してくれ。
クマを無事倒せたら解体が待っている。
アイテムボックスがあれば全部入れてくるに限る。
まずベア肉は、硬いがまあまあ美味い。
オークほどではないが、旨味がぎっしり詰まっているのと、噛み応えがあり、満足感が高い。
シチューに入れてトロトロになるまで煮込んでもいいし、ブロックを丸ごと焼いても美味い。
串焼きなどがあれば、買ってみるのも手だ。
特にベアの手の肉は、ハチミツに触れる部分であり、美味しいとされるが、高級肉の筆頭で、俺も食ったことはない。
それから肝なのだが、強烈な味がするらしいが、重要なのはその滋養強壮で、かなり高い効果があるということで、錬金術師が高く買い取ってくれる。
もちろん冒険者ギルドに売れば、経由して錬金術師や専門の薬師にも渡るので、悪くはない。
直接、錬金術師などに売るのは、ケースバイケースで当たりハズレがあるが、それが嫌ならギルドのほうが安全ではある。
熊人族といえば、長身で筋肉の代表的な獣人だ。
数は少ない分、一部の騎士団や軍隊、衛兵の門番などでは活躍する。
フルプレートアーマーを着せて、最前列に立たせておけば、それだけでも威圧感がある。
防御力も折り紙付きである。
一度旅の途中で、一緒に臨時パーティーを組んだことがあったが、圧巻の安定性で全員が生還できてほとんど無傷で、おまけにリザードの報酬が美味かったのを覚えている。
その時は臨時だったので一回だけだったが、またご一緒したいほどだ。
さてその熊人族とブラッディベアは無関係である。
兎人族や狼人族、翼人族でもそうだったように、基本的に獣人族とモンスターは完全に別だ。
一部の人は、血縁関係があると誤解しているらしいが、そんなことはない。
一応、明記しておく。
森のくまさん人形も、一部の子供たちに人気だ。
さらに一部のマニアの子は、赤い怖い顔のブラッディベア人形のぬいぐるみが好きだそうで、人気がある。




