14 C キラーアント
殺人級の大きな軍隊アリ、それが「キラーアント」だ。
マイマイなどよりも少し大きい体長1メトル級だ。
ただし、地面を歩いているので、高さは40セントメトル程度に抑えられている。
見た目は完全に、アリだ。
色は黒のと赤いのがある。
ごく稀に白変種の個体が目撃されている。
この白変種は、幸運を呼び寄せるとして、人気があるが、襲われたときはそれどころではない。
森に多いが、平野部に巣をつくることもある。
生息範囲は全国各地に散らばっており、どこにでもいるようで、いないところにはいない。
特に被害から守るため、王都周辺では徹底した駆除を繰り返してきたため、現在は生息域になっていない。
昔は王都近くまで進軍してきて、住民を襲ったという。
騎士団に加え民間人の軍隊まで動員して駆除したそうだ。
アリは地下に巣を作り、巣単位で行動を共にする。
それを通称「軍隊アリ」と呼ぶことがある理由だ。
キラーアントの名に恥じぬ、強力な顎が武器で、噛みついて人を襲う。
もちろん人間だろうと、ホーンラビットだろうと食べつくしてしまう。
食べたら移動して、巣を引っ越すこともある。
また、分巣といって、巣から新しく分かれることがあり、これが生息域を広げるきっかけになる。
蟻酸による攻撃も侮れない。
武器が腐食したりする原因になるので、注意されたい。
頭を持ち上げ、口というか顎を開いて、静止してこちらを向いたら合図なので、横に避けよう。
初心者には慰めにならないが、慣れてくると感覚で分かるようにはなる。
こういうのは経験がものを言う。
もちろん、盾で防いでもいい。
さらに言えば蟻酸だけなら軽い木の盾も有効なので検討して欲しい。
初心者冒険者の剣ではかたい外骨格を貫けない。
魔法が効くことは多いが、油断はできない。
もし生息域以外で初心者のうちに遭遇したら逃げて、冒険者ギルドに知らせたほうがいい。
ギルドが総力を挙げて、討伐することになるだろう。
地下の穴巣では、女王アリがいて、次の卵をたくさん産んで育てている。
この女王アリを掘り出して、退治するまで、戦いは終わらない。
キラーアントの硬い外骨格、殻は虫系の防具として使われることもある。
これを部品にしてくみ上げ、糸でつないで、スケイルメイルのようにするのが一般的だ。
その黒光りする防具は、中級冒険者の証としても知られいてる。
アリは足も細く、本体も内臓なので、可食部がほとんどなく、食べることはない。
なんとなく文化的にも、食べようとは思わないようだ。
普通の小さなアリなら食べる民族もいるものの、キラーアントでは聞いたことがない。




