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8ブレス<<< オレの胸がゆれて邪魔!

「さらにでっかくなった!

見応えたっぷんで眼福!」


「えっち!

うりゃあ!」


殴る。殴る。殴る。

蹴る。ぷるん。体当たり。

殴る。掌打。肘打ち。ぷるる。

蹴る。殴る。ぷる。膝蹴り。

ぷるぷるぷるん。

胸がゆれて邪魔。


ただ殴る蹴るだけじゃない。

足捌きと体捌き、虚実を加えた体術で攻撃する。

時には手で地面をつかんで蹴り。

空中で軌道を反転して殴る。

側転やバク転、体を不規則に回転して相手の攻撃をかわす。

その度に胸が大きくゆれる、邪魔。


「てめぇ! ガキのくせになんて格闘術と胸だ!

どの戦場でも見たことのない流派だな?

失われた武術、ロストアーツか!?

どこで覚えた!」


なんか視線を一部に感じるんですけど?


魔装龍甲術ドラクーンアーツってんだ!

貧民街のばばあに教えてもらった!」


ばばあって言っても年齢不詳のどちゃくそたっぷん美人な女の子だけど。

鬼のような冷徹さで鍛えられていた時のことを思い出すと胸が萎んじゃいそうだ。


「貧民街!? そんなところに達人クラス!?」


達人て知らんだろ?

それってオレが手強いって思ってるってことだよな?

もしかしなくても褒められてる?

心の中でおっぱいゆらすほど飛び跳ねてうれしい♪


おっさんの反撃もなかなかに強烈だ。

いわゆる軍式格闘術マーシャルアーツ

多分どっかのカントリーの正規軍にいた軍人くずれ。


「攻撃が重い!」

「へっ! 俺は鋼のマテリアルドラゴンだ!

パワードギアで強化した俺の必殺技を喰らえ!

強襲鋼弾アサルトブレット!」


メキメキと鋼の筋肉が盛り上がってコンパクトな拳打の連弾を放ってきたかと思ったらみぞおちに強烈な肩の体当たりを喰らった。

カウンターで膝蹴りを腹に入れとく。


「痛ってー!

ただの体当たりじゃねぇか!」

「ぐはっ!?

ただので済ますな!

楽しくなってきた!

俺はイッシュってんだ!」

「へっ! アナだ!

オレも楽しいぜ!」


よく見りゃかなりのイケメン。

きっとたぶん一般的には。

無精髭を生やしてなきゃ、かなりモテそうだ。

オレは全然興味ないけど。


「あなたたち楽しまないでくれるかしら?」

「シルヴィア!? なんで逃げてないの!?」


「助けてもらっておいて逃げられないわ?

申し訳ないもの。

でも礼は言わないわ。

ありがとう」

「律儀でおかしなこと言ってる!

でもそこがシルヴィアのいいところ!」


「お前らのやりとりおかしくないか?」


「それはともかくそんなこと言ってる場合じゃないみたいよ?

ほら」


「「え?」」


『繰り返す。

フレイムクリスタルキャニオンはヴァルキューレの領有地である。

不法な資源採集は認められない。

カントリー法にのっとりただちに投降せよ。

逃亡、反抗するものは排除を実行する』


いつの間に現れたのか、空には部隊を展開するための空挺艦エアボーンが3機浮かんでる。


「げ!? ヴァルキューレの空挺艦エアボーン

女が支配する狂信的で戦闘狂なカントリーじゃねぇか!

あいつら数年前から自分とこの市民以外は死ぬまで奴隷としてこき使うって話だぞ!

そんなとこに捕まったら男なんてなにされるかわかったもんじゃねぇ!」


そうなの?

男だと大変だな?


バトルしてたおっさん傭兵集団のスクラッパーにじじばばギャングの老霊会が空挺艦エアボーンにバズーカやキャノンをぶち込むと反撃とばかりに空対地ミサイルが降ってきた。

まあおとなしく投降するようなやつらじゃないよな?

空挺艦エアボーン3機からパワードギアを着用した軍人が飛び出てくる。

五、六十人はいそうだ。

中にはオープンタイプのパワードギアを着用したドラゴンもいる。


『アナ! アナってば聞いてるんですよ!』


「オフィリア!? なんか大変なことになってるぞ!」

『さっきから通信してるのに全然返事がないんですよ!』

「ごめん! バトルに夢中で聞こえてなかった!」


『正規軍に見つかったらひとたまりもないから撤退するんですよ!』

「そうしてくれ! オレたちも逃げる!」

『たち? あとで合流するんですよ!』


「シルヴィア! 逃げるぞ!

バックパックを捨てろ!」

「嫌よ。

みんなのご飯になるんだから絶対に捨てない」

「そんなこと言ってる場合か!

死んだら飯食えないぞ!」


峡谷はそこら中、深い谷が切り込んでるからオレはともかくシルヴィアは中身の詰まった重いバックパックを背負ったままそんなに早く移動できない。


「きゃあ!?」

「まかせろ!」


シルヴィアに向かってきた流れ弾のミサイルを殴って軌道を変える。

飛んだ先に着弾して爆風が舞い上がる。


「ありがとう!

礼は言わないわ!」

「うん、オッケー!」


「女子に手荒な真似はしたくありません! おとなしく投降してください!」


女の子の声。

めちゃかわかっこいいオープンタイプのパワードギアを装着したオーガニズムドラゴンが銃を構えて警告してくる。

前方に回り込まれてた。


「しないから!」


言った途端に足元に威嚇の射撃をしてくる。


「警告を無視するなら次は当てます」


なんていう女の子のセリフが言い終わるくらいに銃声。

シルヴィアが銃を構えて続けて発砲したけど全然当たらない。

ていうか撃つたびに腕があっちこっち向いて当たるわけがない。


「シルヴィアって採集能力はすごいけど他はへっぽこだな!?」


初めて知った。

ていうかなんとなく想像はついてた。

相手の女の子もそんな様子に呆気にとられてる。


しかしこの女の子、すっごいたっぷんな美人。

硬質のとげとげした白い物質が生えている。

白いつのに銀河のように輝く濃紺の瞳。

濃紺のストレートヘアが地面につくほど。

オレと同じビキニタイプのアーマードスーツでスタイル抜群。

おっさんなんかどうでもいいけど、断然こっちの女子に興味が湧く。


「オレはアナ。お前の名前は?」

「レイナと申します」


「いい名前♪

オレと似たようなタイプのドラゴンだな?

シルヴィア! オレがレイナを相手してる間に逃げろ!」


「俺は逃げるぜ!」

「あ! ずるい!

お前! ……なんて名前だっけ?」


「イッシュだ!

アナ、今度デートしようぜ!

じゃあな!」


しゅたっと右手をあげて逃げてった。

けど他の正規軍のやつらに追いかけられてる。


「デートなんてするか!」

「わたしは逃げるような真似はしないわ」

「いいから逃げてくんない!?」


「あなたたちバカですか?」

「初めて会った美人にバカって言われたあ。

ふわ〜ん」


「ええ? いやあの。

なんかごめんなさい。

ですが容赦はしません。

覚悟しなさい」


今度は当てるって言ってたくせに銃を腰に戻すと格闘戦に持ち込んできた。

軍式格闘術マーシャルアーツじゃない。

多分、古武術エンシェントアーツの類い。

しかもやたらと関節技を極めてこようとする。

つまり捕縛にこだわってる。

女子に手荒な真似はしたくないって言ってたしな。


「なあなあ!

お前いい女だな!

オレの女にならないか!」

「わけが分かりません!」


虚実を混ぜて急所を狙うけど読まれる。

心臓に掌底を当てて動きを止めようかと思ったんだけど。


「龍流白魄氣の型」

「うおお!?」


流れるような拳打に織り混ざって急所を狙ってきたかと思ったら手首や肩を狙って立ち関節に飛び関節を極めようとしてくる!


「技巧派かよ!」


捌くのでいっぱいいっぱいだけどこっちだって黙ってらんない!

魔装龍甲術ドラクーンアーツを舐めるなよ!

オレは一撃必殺派なんだ!


「ぐはっ!?」


胸に両手で掌底を当てるとレイナが苦しんでる。


「ドラゴンだって悶絶もんだろ!」


余裕ぶってぷるんと胸を張ってたら、腕を絡め取られて体を入れ替えるように投げられて水晶の大地に投げ落とされてた。

そのまま関節技を極めてくる!

やばいって!


がっちり極まった肩の関節を無理やり外して手足で大地を弾いて飛び退る。

距離をとって肩を入れ直す。

立ち技も寝技も師匠のばばあと散々やり合ったおかげでお手のものだ。


「レイナ強いな。

それにしても戦闘特化のパワードギアと作業用のノーマルギアの違いが凄すぎるな?

あんまり時間かけたくないんだけど。

うーん。どうしよっかなあ」


「アナ! 早く倒して!」


シルヴィアの注文。

もう逃げればいいのに。

あれ?

おっさん傭兵団とじじばばギャングたちがやられ始めてる。

逃走を決め込んだやつらに空対地ミサイル攻撃が爆炎をあげててやばい。

さすが正規軍。

なんとかしないとこっちもジリ貧だ。


『アナ! 見つかったんですよ!

空挺艦エアボーンが2機!

交戦してるんですよ!

ドラゴンソウル! リベレイション!』


「なんだって!? そっちにも!?

大ピンチじゃん!

すぐに行く!

それまで持ちこたえてくれ!」


オフィリアもドラゴンだし、戦える仲間もいるからそんなに簡単にはやられないと思うけどトレーラーは足が遅い!


「時間をかけてらんない!

こうなったら!

深紅拳の咆哮クリムゾンナックルブレス!」


右腕に装着されたドラゴンギア、フォアアームが砲身のように変形する。

腕と拳から吹き出す炎、水晶の大地に炎の拳を叩き込む。

即座に飛び下がるレイナ。


フレイムクリスタルキャニオンは水晶でできている。

水晶は硬いけれど実は脆かったりする。

そして希少な炎の水晶は少量でも持続して高エネルギーを得られる貴重な鉱物資源だ。

燃え上がる拳の炎が突き抜けて炎の水晶の鉱床にぶち当たっていた。


水晶の峡谷が爆炎を上げながらバラバラに砕けていくと、その下にはなにもない空間が広がっていた。


「きゃあああ!」


足場が崩れてフレイムクリスタルキャニオンの谷に落ちるオレとシルヴィア。

巻き込まれなかったレイナがしまったとばかりに手を額に当てている。


「足止めして逃げようと思っただけなのに〜!」

「アナのばかばかばか〜!」

「シルヴィアが3回もバカって言ったあ。

ふえ〜ん」

「泣きたいのはこっち!」


新しくできた暗くて深い谷の底はどこまでも続いてる。



☆次回<<< オレは女を抱きしめる!

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