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33ブレス<<< オレは炎を燃え上がらせる!

「オレはやりたくない!

なんて言ってる場合じゃないか!」


一番近くにいた鉄女からの鉄で強化された攻撃。

受け流しながらくるんと懐に入って龍気を込めたソウルスキル深紅拳の咆哮クリムゾンナックルブレスを放つ。

鉄女が苦悶の声を上げて昏倒する。

鉄の装甲をいくらか溶かしつつ体内に直接衝撃を与えて一撃必殺になった。


「攻撃してくるからやり返すんだからな!」


「この子なかなか強い♪」

「あは♡ 甘いこと言うのもそそるわ♡」

「これはかわせる?」

「鉄はそこそこ溶かせる火力なんだねぇ?」


一人目の鉄女の連続攻撃が重い。

手足でさばいてたらオレの目を狙って拳から寸鉄が打ち出された。

至近距離から不意打ちの飛び道具!

その上、二人目が横合いから長い鉄の棒で首を突いてくる。

棒術かよ!

んでもって後ろから三人目がすねを狙った鉄装甲の蹴り。

三人同時!


頭に流れる映像がリアルタイムの視覚情報とぶつかる。

混乱して判断が鈍る。


「未来予測うざい!」


サポートいらない!

邪魔!

使い所が難しいかも!

慌てて機能をオフにする。


鉄棒を手甲でちょこんと弾いて軌道を変えて寸鉄をガードしつつ。

体をひねって垂直ジャンプでローキックをかわしつつ。

股を大きく開いて二人のあごを炎を噴き上げ蹴り上げる。

着地した足で大きく踏み込んで残った一人の腹に肘打ち。


こいつら体の全面もあごもドラゴン化(リベレイション)してるんだよなあ。

さすがに龍気を込められないから鉄の装甲が硬い。


「おお! やるねぇ♪」


タングステンドラゴンのフラムが攻撃後の硬直を狙って銀灰色に輝く拳の一撃。

脇腹にもらって鱗が砕ける。

無造作なのに破壊力抜群!


「ぐは!?

四人同時ってずるくない?」


「ボスキャラ相手は大体仲間とやるだろ?」

「オレってボスキャラだっけ?

ゲームなんてしたことないから分かんねぇ!

深紅拳の咆哮クリムゾンナックルブレス烈火!」


思った通り避けようともしないフラムの腹に烈火の拳が突き刺さる。

戦闘狂の笑顔が曇る。


「……ぐふ。

なにをした?」


「龍気を込めた」


ずーっとサボってた龍気の修行。

言われて飯食う時もクソする時も寝てる間もずっとやってた。

おかげで忘れてた龍気の内転も自然にできてる。

シャオちゃんのショック療法で龍気を込めた攻撃ってのもなんとなく分かった。


「イーラ様、シャオ様と同じ技かい。

憧れるねぇ、天才ってやつは。

あたしはまったくできないってのに。

だけどこの程度じゃ蚊に刺された程度だねぇ。

あたしの硬度はダイヤモンド10に次ぐ9。

3000度の耐熱を超えなきゃねぇ」


「そうみたいだな?

オレ一人じゃやばいかも」


たしかにあんまり手応えがなかった。

四人同時を相手に龍気を込めた攻撃はできないかも。

レイナもほかのマテリアルドラゴンやパワードギアを相手に善戦してるけど、押され気味のルミナ兵もテルース軍もあてにならない。

ヴァルキューレのやつらが周囲に増えてきた。

ちょっとかなりやばいよな?


「アナ! あんたは一人じゃない!」

「オフィもいるんですよ!」


猛スピードのホバーバイクがタングステンドラゴンのフラムに激突。

ホバーバイクの頭をつかんだフラムが足を踏ん張ったまますごい勢いで横滑りしていく。


サクラコとオフィリアが地面に着地して敵めがけて跳ぶ。


青水晶の振動波クリスタルヒットウェイブですよ!」

一角獣の背面蹴ユニコーンスピンシュート!」


腹に掌底を当てると超音波だか周波だかの振動で鉄装甲を吹っ飛ばして一人を昏倒。

硬い毛皮で包まれた回し蹴りであごにクリティカル、脳震盪を起こさせて昏倒。


深紅拳の咆哮クリムゾンナックルブレス


オレも二人に続いて炎の拳を喰らわせて一人を昏倒させる。


「へへ♪ やっぱりオレたち三人じゃないとな♪」

「アナにはわたしがいないとよね!」

「オフィもやるんですよ!」

「シルヴィアは?」

「怒ってたわよ」


「そうなの……ぐお!?」


よそ見してたら顔をフラムに殴られた。

だいぶ距離があったのにここまで跳んだのかよ。

ていうか!


「ホバーバイクがぶつかったのになんでそんなにピンピンしてんだよ!」

「ちょいと痛かったけどねぇ?」


「アナ、オフィリア、やるわよ!」

「先日のリベンジなんですよ!」


「おや? 紙っぺらみたいに弱い青水晶の嬢ちゃんじゃないかい。

またかわいがってあげようかねえ?」

「今度はこっちがかわいがってあげるんですよ!」


「三人だと強気だねぇ。

かかっておいで!」


硬くて炎に強いからってオレたち三人をなめるなよ。

ほかのマテリアルドラゴンが加わる前に倒す!


左右正面から交互に同時に拳打と蹴撃の連続攻撃。

相変わらずあんまり避けずに硬い体で受け止めやがる。

破壊力抜群の反撃がかすめるたび冷や汗もんだ。


「なんだい?

ずいぶん硬いギアだねぇ?」


「へへ! いいだろ!」


三人ともドラゴンギアの装甲のおかげで致命打を受けることはない。

だけど装甲のないところにもらうと効く!

サクラコもオフィリアもいいところにもらって痛そう。


「サクラコ! オフィリア!

連携いくぞ!」

「「オッケー!」」


サクラコとオフィリアに攻撃を先行させる。

オレの狙いは一つ。

魔装龍甲術ドラクーンアーツの連続技でとにかく炎の拳を叩き込むこと。


「炎は効かないって言ったろ?」

「涼しい顔してられんのもいまのうちだ!」


肩や顔、腹を殴る。


龍気を込めて炎のソウルを高める。

ドラゴンギアのソウルコアが呼応する。


とにかく殴る。


殴る場所は虚実混淆、ランダムに見せかけてる。

でもほんとに狙うのはただ一点。

腹!

こいつのタングステンを焦がす!


「「アナ!」」


サクラコとオフィリアの攻撃で腹ががら空きだ!


「喰らえ!

深紅拳の咆哮クリムゾンナックルブレス!」


フラムの硬いタングステンを殴る。


「おお! 熱い熱い!」


なめんなよ?

炎の熱!

高まれ!

龍気とソウルを内転させる。

ぶつけた拳から炎を燃え上がらせる!


「燃えろーーー!」

「ぐ!? いいかげんにするんだね!」


オレの首をつかんで持ち上げるフラム。


「たしかに熱かったけどねぇ。

破壊するほどじゃなかったねぇ?」


「へへ。

分かってるよ。

だけどさ?

サクラコ! オフィリア!」


一角獣の背面蹴ユニコーンスピンシュート!」


フラムの膝裏を蹴ってかっくん。

背の高いフラムの腰の位置を下げさせるサクラコ。

オレはフラムの首に足を巻き付けて両腕をつかんで動きを封じる。

次はオフィリアだ!


青水晶の振動波クリスタルヒットウェイブですよ!」


高熱で熱せられたフラムの装甲、タングステンの腹に叩き込むオフィリアの両手の掌底。


格闘はそこまで強くはないオフィリアだけど、オレよりも龍気の扱いがうまくて体内にダメージを与える技を得意としている。

そしてオフィリアは青い水晶のマテリアルドラゴン。

オフィリアのソウルスキルは水晶の振動で高周波を起こす。

そしてタングステンは耐熱性に優れているけど熱を与え続けるともろくなる。

もろくなったところにオフィリアの龍気を込めたソウルスキルの掌底だ。

タングステンの装甲にびしびしと亀裂が走る!


「ぐはっ!?」


衝撃に苦しむフラムからの首の拘束が解けた!


「最後はオレだ!」


飛び退るオフィリアと入れ替わって着地。

踏み込んで炎の拳を砕けた腹の装甲に叩き込む!


深紅拳の咆哮クリムゾンナックルブレス!」


「ぐっはあ!」


噴き上がる炎が砕けた装甲を吹っ飛ばす!

よろけて仰向けに倒れるフラム。


「こいつは……やられた。

まいった。

もう動けないねぇ」


やられたのに楽しそうに笑ってるし。

うーん。

装甲吹っ飛ばしたのにやっぱり硬いなあ?

殺したくはないしまあいっか。


「リベンジ成功ですよ!」

「作戦成功ね!」

「やったな!

でもさ?

オレ一人でも倒せたと思うんだけどなあ」

「はいはい」


「フラムさあ。

後出しでなんだけどさ?

オレに負けたよな?

オレの女になんない?」


フラムの頭の脇に膝を抱えてしゃがむ。

無意識に小首をかしげて聞いてみる。


「は?」


「アナ!?」

「さすがアナなんですよ」


「あっはっは!

こいつはいいねぇ!

あたしみたいないい女をほっとかないとは気に入った!

そうだねぇ。

いいともさ。

あたしもアナのことはいいなあって思ってはいたんだよ。

すぐには無理かもだけどアナの女になってみようかねぇ」


「やたっ!」


「まさかアナの女にしてしまうとは……

皆さん、将の一人であるフラムを倒すなんてお見事です!」

「へへ〜♪ レイナもやるな!」


レイナがはあはあ言いながらやってきた。

何人かの敵を相手にしてたせいかだいぶ疲れてそう。

おかげでフラムに集中できた。


「まだ敵が大勢いるわ!」

「油断したらダメなんですよ!」


倒しても後から後から湧いてくるヴァルキューレ。

フラム級のやつがまだ何人かいそうだし。


「アナ、わたくしはイーラを倒しに行きます。

一緒に戦ってはいただけませんか?」


関節技で投げ飛ばしながら聞いてくるレイナ。


「そうだなあ。

どの道、戦場から逃げるにしてもこいつらほっておいてくれないしなあ?

いっそのこと一番偉いやつを倒した方が話が早いかもな?」


オレもぶん殴りながら話す。


「はあ!? なに言ってるのよ!?」

「敵が多すぎて精いっぱいなんですよ!」


「よし決めた!

イーラと話をつけてくる!

シャオちゃんもいるしさ!

うまくすれば話だけでなんとかなるかもだし!」


「話だけじゃ無理だと思うけど!?」


「話すだけ話してみるさ。

だけどレイナはここでサクラコたちとがんばってくれないか?」

「なぜですか!?」


「うーん。

なぜって言われてもなあ?

シャオちゃんとイーラはずっと座ったまんまだし?

レイナが行くと問答無用でバトル!とか言うだろ?

話し合いが大事ってシャオちゃんが言ってたんだよ。

だから少しの間だけでもまかせてくれないか?」


レイナ、だいぶ疲れてるし。


「……分かりました。

わたくしはアナの女。

指示には従います。

ですがルミナの民はわたくしの命よりも大切なこと。

命を賭しても救いたいのです」


「そうだよな。

わがまま言ってごめんな?

ま、行ってくる!」


「「アナ、気をつけてね(つけるんですよ)!」」

「ご武運を」

「だから戦わないの!」



(※フィクションです。金属などの現象は実際の特性とは異なります)


☆次回<<< オレは抱きしめてなでまくる!

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