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31ブレス<<< オレ恥ずかしいんだけど!

『みにゃさん、配置についていただきましたにゃ。

脳波リンクおよび脳波インストールを行いますにゃ』


各所に配置された女の子たちにノアの立体映像が問いかけるとオーケーの返事がスピーカーから帰ってきた。


「それにしても戦艦と脳波リンクするなんてびっくりよね?」

「ギアみたいに脳波による補助機能があるんですよ?

脳波インストールで知識と技術を一瞬で覚えられるなんてすごいんですよ」

「これもロストテクノロジーの一つってわけね!」


「そうみたいね〜♪

わたしたちもいいよ〜♪」

「戦艦の運転楽しみ♪」

「アーレもじゅんびおーけー!」


「みんないいみたいだな!

ノアちゃんお願い!」


『了解ですにゃアナ艦長』


目の前に浮かぶ2.5頭身のノアちゃんがしっぽゆらゆらピシッと敬礼してる。


オレはいま艦橋ブリッジの艦長席に座ってる。

ほんとにオレでいいの?

戦闘指揮所《C I C》でもあるここにいるのは副艦長のクインにサクラコにオフィリア。

操艦担当のキャリーとネシティ。

あと管制っていったっけ?

レーダー担当とか通信担当とか武器管制担当とか女の子たちもいる。

そしてアーレもここにいる。

小さいのに指揮系統系の適性があるんだって。


『脳波リンクおよび脳波インストールを開始しますにゃ。

3、2、1、スタートにゃ♪』


「ふわあ!?」


艦橋ブリッジ内に響くクインたちの声。

スピーカーから女の子たちの声も聞こえてる。


『脳波リンクおよび脳波インストール完了確認ですにゃ♪

うにゃ?

問題発生、乗組員クルーの体調不良者続出ですにゃ。

回復のため休憩をおすすめしますにゃ』


「はう! た、体調不良っていうかこれって……」

「こ、こんなの……」

「全身マッサージされたみたい……」

「オフィもお休みしたいんですよ……」

「アーレこそばかった!」


「みんな大丈夫!?」

「みんなくたくたになってるね!」


サクラコとアーレ以外からみんなのトロンとした返事。

オレもサクラコも少し声が出ちゃってたけど。


「思わないところでダメージ喰らってるな。

オレとサクラコはドラゴンギアの脳波リンクを経験済みだから衝撃が軽かったのかも?

アーレは大丈夫そうだけどなんで?」


『成長途上の脳に負担があるみにゃさんには情報量の制限をしてますにゃ』


「そうなんだ。

すぐに助けにいくって言ったけどそういうわけにもいかないか?」

「みんなのこの感じじゃ逆に危ないわよ。

少し休んで明日の夜明け前に出発するくらいがいいかもね?」

「開戦は明日の正午だったな。

それなら間に合うか。

よし! みんな寝室で寝よう!

明け方に出発だ!」


みんなからトロンと大賛成の声が上がる。


「あ、そうだ。

オフィリアのギアが壊れちゃったし新しいギアを用意しないとだよな?」


「ギアですよ?」

「そうよ!

格納庫にドラゴンギアがまだあるわよね!

明日はきっと戦うこともあるかも知れないからオフィリアの装備も整えないとだわ。

ね、アナ!」

「そうそう、戦えるようにしないとな♪」


「ふ、二人してなんですよその笑顔は。

なんだか嫌な予感がするんですよ?」


「ギアか……わたしももっと強くなりたい」


「ん? クイン、なにか言ったか?」

「ううん。アーレと部屋に戻って寝てるね?

アーレ行こう」

「うん!」

「そっか。オレとサクラコとオフィは格納庫に行ってくるな」


みんなそれぞれの部屋に戻っていく。




「これがいいんじゃないか!

この青色のドラゴンギア!

オフィリアの青水晶にピッタリじゃん!」

「ほんと!

とっても似合いそうね!」


「とっても素敵なギアなんですよ。

なんでそんなに二人ともにこにこしてるんですよ?」

「「まあいいから着けてみて♪」」

「はいですよ」


ハンガーに吊るされたドラゴンギアに手と脚を通すオフィリア。

ニカっと目を合わすオレとサクラコ。


サクラコがギアとコンソールを繋げて操作をピピっと始めた。


「脳波を繋げるわよ?

いいオフィ?」

「いいですよ?」

「3、2、1、はい」


サクラコがコンソールをタップする。


「はわ!?」


オフィリアの体ががくがくと震えるけど胸はまったく揺れない。


「はあ! はうう〜〜〜!」


「「オフィリアどう?」」


「こ、こんなのダメなんですよ……」

「全身マッサージみたいで気持ちよかったろ?」

「さっきよりも刺激が強すぎるんですよ!

背中がやばいんですよ!」


そうなの?

オレの時もたしかに死ぬかと思うくらいに気持ちよかった。

涙目で呼吸の荒いオフィリアの背中を撫でる。


「ひゃん!」


がくがく震えてくてんとオレに倒れかかってくる。


「あれ?

もしかして寝ちゃった?」


「オフィ!? 大丈夫!?

刺激が強すぎたのかも!?」

「念のためメディカルルームに連れてくか?」

「そうね!」


オフィリアを背中におんぶして向かう。

しっとりした太ももがやわらか♪





「く!? あう!?

あああ!? くうぅ!?

あああああああ!」


「だいじょうぶ!? いたいの!?」


扉が開いたままのメディカルルームから大きく苦しむ声が聞こえる。

慌てて中に入ると。


「どうした!?」

「クイン!?」


床に転がって悶絶してるクインと心配そうに背中をさするアーレの姿。

背もたれのない丸い椅子が転がって注射銃シリンジガンが床に落ちている。


「アーレ、クインはどうしたんだ!」


意識のないオフィリアをベッドに寝かせながら質問。

サクラコは苦悶するクインを抱き上げてベッドに運んでる。


「あのね、クインちゃんがドラゴンになってつよくなりたいっていってたの。

あしたたたかえるようにって。

だかられいぞうこにあったおちゅうしゃするって」


「なによこれ!

こんな大昔のドラゴンワクチン打ったの!?

今日の明日でドラゴン化(リベレイション)できるようになんてならないわよ!?」


サクラコがシリンジを手にとって驚いてる。

ノアにずっと保管されていたものだからとんでもなく古いものだよな?


「くう! こ、根性で、な、なんとかする!

ああああ!?」


「死んじゃうかもしれないのに無茶しやがって!

サクラコ、どうしたらいいんだ!?」

「待つしかないわ。

わたしのソウルスキルで少しは楽になるかも。

ドラゴンソウルリベレイション」


額からクリーム色の長いつのが生える。

サクラコの四肢や肩まわりがクリーム色の柔らかそうな毛足の長い毛皮に包まれる。


一角獣の息吹(ユニコーンブレス)


クインの体を抱きしめるサクラコ。

あたたかそうな光の粒がいくつも現れてクインの体に染み込んでいく。

大怪我でも治してしまう、誰にも内緒で不思議な癒しの力。

多分だけどサクラコ以外にいないんじゃないか?


「ふわあ! サクラコちゃんすご〜い!」

「アーレ、このことはみんなにも内緒だからな?」

「うん、わかった!

アーレもにゃんこになりたいなあ」


キラキラな瞳を輝かせて眺めてる。


「少しは落ち着いたみたいね」

「サクラコあんがとな」

「どういたしまして」


サクラコのソウルスキルのおかげか、叫び声はあげなくなったクイン。

でもまだ苦しそうな表情をして脂汗が浮いてる。


「アナ、アーレを連れて先に休んでて」

「でもさ!」

「明日は大変よ。

アナが寝不足だとどうしようもないでしょ。

オフィリアもここで寝かせたままにするし、クインがもう少し落ち着いたらわたしもここで休むから」


「オレもここで寝るよ」

「いいから。

アーレだって寝かせなきゃ。

今日はアーレと寝てあげて」

「アーレはひとりでもだいじょうぶだよ?」

「ほら、こんなこと言ってるし」

「分かったよ。

クインをよろしくな。

アーレ、一緒に寝るぞ」

「うん!」


後ろ髪を引かれる思いでアーレと二人でメディカルルームを後にする。

アーレが注射銃シリンジガンを服の中に隠し持ったなんてオレもサクラコも気づきもしなかった。





「えーと。

なんて言ったらいいと思う?」


「ノアから情報もらったんでしょ?

普通に発進とかでいいんじゃないの?」

「なんでもいいんですよ?」


「そうか?

んじゃあ……

ノア! ソウルコア融合炉始動!

ソウルコアエンジン起動!」


艦橋ブリッジの艦長席から指示を出す。


『了解ですにゃ』


しっぽをピシッと敬礼するノアちゃんがかわいい。


「みんな! 各自操艦にあたれ!

……なんか恥ずかしいんだけど!?」


「アナにも恥ずかしいなんて感情あったんだ?」

「あるよ!?

クインは大丈夫かなあ?」

「いまは落ち着いて寝てるから大丈夫よ」


「みんなも大丈夫かなあ?」

「昨日のあれなマッサージのおかげで緊張感も忘れてみんなぐっすり眠れたんですよ。

クイネラたちが作ってくれたおいしい朝食で元気いっぱいなんですよ」


「それならいいんだけどさ。

なあノア。

ほんとにフレイムクリスタルキャニオンから飛び立てるのか?」


『問題にゃいですにゃ。

ソウルコア融合炉出力安定。

いつでもどうぞですにゃん♪』


ぺこりとおじぎをする2.5頭身の白猫ノアちゃん。

艦橋ブリッジにいるみんなの視線が集まる。

照れるんですけど。

まあそういう場合じゃないよな。


「みんな!

突然こんなことになってごめんな!

笑顔で賛成してくれてありがとう!

本艦はこれよりテルースに向かう!」


艦内の女の子たちはアーマードスーツにノーマルギアやパワードギアを装備して聞いてくれてるだろう。


「シルヴィアたちやみんなを助けに行く!

だけど作戦通り絶対に戦わないからな!

みんな危ないことするなよ!

炎の水晶を爆破する!

ミサイル、撃ちぃ方! はじめ!

強襲揚陸艦ユニバースアサルトシップノア発進!

全速上昇! ヨゥ〜ソロ〜〜〜!」


「なにそれ?」

「へへ♪

こんな風に言うみたい♪」


覚えたての言葉を使ったらサクラコが不思議そうな顔してる。

脳波インストールされた情報はそれぞれ違うみたい。


水晶の谷に露出していた戦艦上部のミサイルポッドから発射されるミサイルが炎の水晶を爆砕していく。

硬いけど脆い水晶が連鎖して崩れていく。

水晶の拘束から解かれたノアが上昇していく。


モニターに映し出される夜明けの朝陽。

宇宙ソラが青く銀河が輝いてる。



☆次回<<< オレは逃げたいんだけど!

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