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3ブレス<<< オレは下着をつけない!

「初めて会った時から♪」

「勝手に言ってればいいわ」

「そうする♪」


無意識に胸をぷるんと前屈みに小首をかしげて片目をつむる。


「(くっ!? アナはほんとにいつもいつも!)

……資源をカントリーに売りに行くわ」


「いつものジャンク屋のおっちゃん?」

「もちろんよ。

アナ、それじゃあね」


色っぽい流し目で背中を向けるシルヴィアがかわいい!

オフロード三輪バギーに乗って行っちゃった。

やっぱりシルヴィアのバギーだったんだ。


「じゃあなあ〜♪」

「何よ! アナったらちょっと話したくらいでそんなに喜んで!

バカじゃないの!」

「またバカって言ったあ〜。

うわ〜ん」

「ふん!」


「ふふふ♪

わたしたちもいくらか資源を採集できたしうちのシェルターの食費は稼げたんですよ?」

「そうね?

あ〜あ〜。

わたしたちもカントリー暮らしができたらいいのになあ。

市民権があるインサイダーっていいわよね?

わたしたちアウトサイダーには遠い夢ね」


「別にシェルターだっていいじゃん。

カントリーの貧民街よりはマシだし」

「なに言ってるのよアナ。

シェルターなんていつどうなるか分かんないんだから!」


カントリーは都市のこと。

半円柱状の巨大なドームが大地に建造されていて外気が入らないように密閉された空間になっている。

小さいところで数万人くらいから大きいところで1000万人くらいいるらしい。

世界のあちこちにあって独立してたり連合してたり自治権を持ってる。


オレたちが暮らすシェルターもテルースと呼ばれるカントリーに隣接している。

シェルターはカントリーに属していなくてもっと人数が少ない小さな施設だ。

カントリーの市民権があるインサイダーでないはぐれものはまとめてアウトサイダーと呼ばれている。

オレたちみたいに採集で生計を立ててるシェルターだったり、傭兵や盗賊業なんかで飯を食ってるシェルターもあったりする。


「まあなあ。

オレたちもどっかのカントリーに入れたらいいのかもな?

オレはシェルターで満足だけど。

でもどうせならシルヴィアと一緒がいいな♪」


「あんたはまたそんなこと言って!

どうせあんたなんかわたしと一緒にずっとシェルター暮らしよ!」

「ええ!?

そうなの!?」

「そうよ!」


「サクラコ、それってずっとアナと一緒ってことですよ?」

「そ、それはそうでしょ!

みんなと一緒よ!

ふんだ!」

「ふふふ♪

素直じゃないですよ♪

そんなこと言ってると後で後悔するんですよ?」


「サクラコ、オフィ、さっきからなんの話をしてんだ?」

「あんたみたいなバカには関係ないの!」


「またサクラコがバカって言ったあ!

ぐすっ」

「ああ!? もう泣かないでよ!

ほら! これで拭いて!」


サクラコが大切にしている桜の刺繍が入ったハンカチを受け取る。

長いこと愛用してるせいかちょっとぼろっちい。


「うん……び〜!

あんがと、返す」


「鼻までかんだ!

うわ〜。ネトネトしてる〜。

もう、世話ばっかりかけてほんとにしょうがないんだから!」


「なんやかんや嬉しそうですよ?」

「う、うるさい!

アナ! オフィリア!

解体したロックリザードをトレーラーに乗せてシェルターに帰るわよ!」


「そうだな!

早くしないと日が暮れちゃうからな!

みんながんばろう!」


サクラコとオレの掛け声で仲間たちが元気に返事をする。


解体はどうしても時間がかかる。

こんな感じで今日の資源採集は終わった。

いつもの日常。

今日は帰って飯食って寝るだけだな?

オレの女と♪




「おはよ〜」


「ふわ〜。おはようアナ」


なんだか知らない金属でできたボロボロに腐食した狭い部屋。

一緒に寝てるサクラコが返事をくれた。

硬いベッドで起き上がると眠い目をむにむにこする。

今回のオレの女はサクラコだ。

女の子たちがオレと寝たがるもんだから日替わりで一人ずつ一緒に寝る。

時には数人で。

オレは毎晩幸せ♪


「今日はどうすんだっけ?」


無意識に膝を抱えて首を傾げて聞いてみる。


「はう!」

「どしたん?」


「なんでもない……

(あざとかわいい! なんでアナはこんなにかわいいの!)

昨日採集した資源とロックリザードをジャンク屋に売りに行くのよ」


「そっかあ。

まずは朝飯だな」

「その前に身だしなみよ!

ほっとくとボサボサのままなんだから!」


がさつでごめんね。

洗面台で顔を拭き終えたサクラコが水に濡らしたボロボロのタオルでオレの顔を拭き始めた。

部屋には老朽化してるけどトイレと水道、シャワーがある。

シャワーは使わない。

水はけっこう貴重だったりする。

だけどサクラコは貴重な水を使って流れる汗も胸にたまった汗も拭き取ってくれる。

首から脇の下、胸を優しく下の方までしっかり。


「うあ〜。

気持ちいい〜」


「顔くらい自分で拭きなさいよね!」

「ママがしてくれるからいい〜」


見下ろすサクラコに下から上目で頭をすりつける。


「わたしはママじゃない!

ったく!

ブラシも入れるからあっち向いて!」


「サクラコは面倒見がいいよな〜。

いいお嫁さんになること間違いなし!」


「お嫁!?

バカ言ってんじゃないわよ!?

わ、わたしは嫁なんかにはいかないんだから!」


「朝イチからバカって言われたあ!

くすん」

「また泣く!

ほらツーサイドアップできたわよ」


「あんがと〜♪」


感謝の気持ちを込めてはぎゅっとハグ、頭を抱えてなでなでするとサクラコの顔が桜色に染まってる。


「なんか悔しいけどあんたはほんとかわいいわね」

「あん?

なに言ってんだよ?

オレなんかよりサクラコの方が一億倍かわいいじゃん」


「うぎゃ!? かわ!?

〜〜〜!

いつまでもすっぽんぽんでいないで早くアーマードスーツを着なさい!」


サクラコがボロのワンピパジャマを脱いで裸になると素肌にアーマードスーツを着てる。

うは♪ いい眺め♪


オレたちドラゴンのほとんどは下着をつけてない。

だってアーマードスーツを着るのに邪魔だから。

オレものろのろとスーツに手を伸ばす。


「だってすっぽんぽんの方が気持ちいいんだもん」


オレたちの大事なところは椅子やベッドで絶妙に見えないからな♪


着終えて部屋から出ると二人で食堂に向かう。


「腹へった〜!

サクラコのこと食べちゃっていい?」


後ろからはぎゅっと耳たぶに唇がくっつくくらいにして囁く。


「うぎゃ!?

わざとやってるの!?」

「ん? なんのこと?」


あっけらかんと答える。


「ほんとにあんたはも〜!」

「?

朝飯、食べに行こ♪」


サクラコの腕をとって胸に抱えると顔を赤くしてる。

廊下でサクラコと二人で朝から嬉しいな♪



☆次回<<< オレの女がかわいい!

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