21ブレス<<< オレ……もうそろそろ……限界だよう
「クニノマツエイってなんだ?
オレ、分かんないんだけど?」
「末裔は子どもの子どもの子どもとか昔のヒトの関係者。
国はカントリーみたいなものよ?
ソウルと呼ばれる異世界の力をあふれさせて世界を破滅に追い込んだ国。
当時の世界大戦で敗戦濃厚になった連合国の一員だった国の一つなんだけどね。
あれを起こしたのはヴァルキューレの元になった国なの。
ヴァルキューレは罪をつぐなわいといけないの」
「やっぱり難しい言葉が多いなあ。
そうは言うけど大昔のことなんだろ?
もういまさらじゃないか?」
「そうかもしれない。
でもね。
ヴァルキューレの民はずっとずっと大昔から侵略を続けることで繁栄を築いてきた民族。
大戦後にも同じことを繰り返したのよ。
大量破壊兵器ケイオスを使うことで世界に大穴をあけたのよ」
「ケイオス?
大穴ってアビスのことだよな?」
「そうよ。
ケイオスはこの星アーステラスの次元に穴を開けて異世界と繋いでしまった兵器のことよ。
この大穴を……そうね、テルースに大穴が開いたらどうなると思う?」
「え!? テルースで!?
どうなるんだ!?」
「質問したのはわたしなんだけど?
まあいっか。
その空間は違う世界に落ちるそうよ?
嘘みたいにその空間からなにもなくなるの」
「へー。じゃあ異世界ってところに行けるんだ?」
「どうかしら?
生きてるとは思えない。
きっと全滅しちゃうわ。
有毒なソウルを撒き散らすような大穴なのよ」
「怖っ! オレの胸が萎んじゃいそう!
そんな怖い兵器なんてやばいじゃん!」
「アナのそれが萎んだらもったない!
萎まないように揉んでおく!
おっきくなあれ♪」
「ふみゃ!?」
なんでそんなに目つきが挑発的なの!?
ちょっとダメ!
そんなにしたら!?
クインてば指を舐めたりしてけっこう積極的!
「あ、あの、そんなことしたらやばいんだけど?」
「やばいでしょ?
ヴァルキューレの元になった国はそんな兵器を使うヒトたちの集団なのよ。
だけど反対する一派もいたの。
それがわたしの一族だった。
その一族が大量破壊兵器ケイオスを隠したのよ。
そして誰にも知られないようにした」
「えー! アビスっていまでも勝手にできることがあるんだろ!?
わざわざ大穴を開けるようなもん壊しちゃえばいいのに!
ふみゅ!?」
「ほんとそうよね。
壊さないあたりが未練がましいわよね?
きっと兵器として使うことを考えたんでしょうね。
そしてそれがいまになって現実になろうとしてるの。
女帝イーラは軍事クーデターを起こしてヴァルキューレを支配した。
そしてケイオスを探してる。
目的は世界征服といったところかしら?」
「ふみょ!?
世界征服っていくらなんでも話が大きすぎない?
オレの頭じゃよく分かんないんだけど」
「わたしも正直分からないけどね。
ともかくイーラはなんとしても見つけたいのよ。
だから大昔に同盟国の一つが母体だったルミナに残る情報を求めて支配した。
ルミナの研究組織にそれとなく知らせたのはわたしなんだけどね。
そのせいもあって前政権の生き残りのわたしを捕まえようと追いかけてきた。
見つけたくてしょうがないのよ」
「こないだの女軍人か?」
「あー、あれはまあまた別」
「そうなの?
もしかしてオレとシルヴィアが見つけたあれが、みんながいまいるあれがその兵器なのか?
ふみゃ!?」
「あれは違うと思う。
だけどわたしが学んだ知識からすると一緒に隠された兵器の一つだと思うの。
だから必ずケイオスはある。
もしかしたらだけど奴隷となったルミナの民に探させているのは炎の水晶じゃなくてきっとケイオスのつもりなのかもしれないわね」
「マジか!
どうしたらいいの!?
ふやん!」
あの……もうそろそろ……限界だよう。
オレ……もう……どうにかなっちゃいそう。
難しい言葉が多くて。
無意識に困った視線を送るとなんだかとっても嬉しそうなクイン。
「わたしの話はこれでおしまい♪
最後まで聞いてくれてありがとう♪
誰にも話せなくてちょっと心が苦しかったんだ♪
とってもすっきりしたよ♪
それじゃあ……もういこうか?」
「……うん。
ふみゃあ!?」
「ふふ♪
グミおいしかったわ♪
みんなのところにいこう♪」
「うん……いっちゃう」
やっと解放されました。
オレには話の内容が難しくてちょっと逃げたくなっちゃったけど。
やっぱりオレってバカなのかなあ?
「クインの心がすっきりしたなら良かったよ。
リンパと肩を揉みほぐされてオレもすっきり!
特に肩が♪
胸が重いと肩こりすごいんだよね」
「ふふ♪
アナはやっぱりおバカさんだよねぇ♪」
「クインがバカって言ったあ。
がんばって聞いたのに〜。
くすん」
「ふふ♪
褒めてるのよ!
おかげで自分のやらなきゃいけないことに覚悟ができたよ♪」
「覚悟? そりゃよかった」
ぴょこんと飛びついてくるからお姫様抱っこ。
すりすり甘えてくる。
いつものキラキラな笑顔が眩しい。
さっきまでの挑発的な感じはどこにいった?
なんとなくクインも侵略が好きで繁栄した民族の一人なんだなって理解した。
「ただいま〜。
様子はどう?」
地下の居住区であれこれ作業するサクラコ、オフィリアとみんなを見つけた。
機能の一部を動かせたのかな?
居住区はしっかり気密性が高いみたいでみんなアストロスーツを外してる。
「すっごい設備が立派で住みやすそ……
あ!? なにお姫様抱っこしてるのよ!
ちょっとクイン!
もう元気になったんでしょ!
降りなさいよね!」
「へへ〜♪
アナからたっぷり元気をもらっちゃったよ。
あんなこととか、こんなことしてね♪」
「は!?
ちょっと! なにしたのよ!」
「教えな〜い♪
でも早くしないとアナはわたしが先にもらっちゃうよ♪」
「先に!?
べ、べべべ、別に好きにすればいいわよ!」
「ほんとに?
じゃあそうする〜♪」
「うぎゃ!? で、でもそのあの!」
「ふふふ♪
みんなで仲良く分けっこすればいいんですよ♪」
「みんなで!?」
「それもいいね♪
ていうかみんなはそのつもりだもんね♪」
それぞれ同意の声を上げる女の子たち。
うん。もちろんオレもそのつもりだし。
「とりあえずみんなが寝泊まりできる居住区があったんですよ。
立派な厨房もあるしお風呂もあるしでシェルターよりもすごいんですよ」
「そうなの!
聞いて! お風呂があるのよ!」
「風呂があっても水がないと使えないじゃん。
水は貴重なんだからさ」
外気にさらされた水はソウルのせいでやっぱり有毒。
カントリーやシェルターでは浄化した水を使ってるけど水量に限りがある。
「ふふ〜ん♪
アナ、聞いて驚けばいいわ!
大気水生成装置があるのよ!」
「なにそれ?」
「空気から安全な水が作れるの!
飲み水にも困らないしお風呂に入りたい放題よ!」
「そりゃ良かった」
「反応薄っ。アナはそんなにお風呂好きじゃないものね?」
「でもみんなで入れる大浴場があるんですよ?」
「マジか! そんならみんなと一緒に入る!」
「言うと思ったわ。
ともかく生活に必要な設備は問題ないわね。
ベッドはフレームしかないからマットレスや掛け布くらい欲しいし。カトラリーや着替えとか細かい生活用品が全然ないから、なるべく早く調達したいところよ」
「持ち出せたものはほとんどないもんな?
買い出しに行くにしても地上に出るだけで大変だし、カントリーは遠いし、ヴァルキューレに見つかったらやばいしで困っちゃうなあ?
ところでアーレとレーナは?」
「あら? どこに行ったのかしら?」
「たいへんだよ!」
「皆さん! 大変なものを見つけました!」
「二人ともどしたん?」
「お帰りになってたんですね!
びっくりするものを見つけたんです!」
「おねえちゃんこっちこっち!」
「え? なに?
どうしたの?」
「わたしも行くね〜♪」
「あ! ちょっと待ちなさいよね!」
「オフィも行くんですよ」
二人に手を引っ張られて移動する。
クイン、サクラコとオフィリアまでついてきた。
「なんだここ?」
「この艦のブリッジですわ」
「ぶりっじ!」
「なんだそれ?」
「艦橋だね〜。
いわゆる戦艦の艦長が運航の指令を出すところ。
だけど戦闘指揮所《C I C》にもなってるみたいだね」
クインはよく分かってるみたいだな。
オレはよく分かんないけどいろんな計器類やモニターに椅子。
なんだか銃のトリガーみたいのがついてる席もある。
中央後方には一段高いところに立派な椅子がある。
「そして見てください!
このかわいい子を!」
「にゃんこだよ!
アーレはじめてみた!」
「こんなところににゃんこ?」
☆次回<<< オレの女とちゅっちゅする!




