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17ブレス<<< オレのパンツがびりびり破けた!

「うそだろ……」

「信じらんない……」


猛スピードでホバーバイクを飛ばすサクラコと後ろに乗るオレ。

徐々に近づく光景に目を奪われていた。


オレたちのホームシェルターが業火にさらされている。

激しい音を立てて屋根が崩れていく。

シェルターの周辺の地面が爆撃でえぐられている。


ヴァルキューレの紋章が描かれた空挺艦エアボーンが3機、シェルターの上空に浮かんでる。


猛火に照らされて二人の人影が揺らめていた。


「「オフィリア!」」


「アナ……サクラコ……

やられちゃったんですよ……」


ノーマルギアがぼろぼろに壊されてリベレイション状態のオフィリアが首を絞められて吊るされていた。

見惚れるほどの綺麗な青い水晶の甲皮が無惨に削られて口からは血を流している。

体中傷だらけの首をつかんでいるのは一人の女ドラゴン。

ヴァルキューレの女軍人だ。


むちむちした色気のある筋肉質な肉体美。

オレたちより頭二つ三つ飛び越すほどのでか女。

銀灰色の長髪が炎が起こす風になびいてる。

輝く銀灰色の金属が鎧状に四肢や首肩腰を覆って炎の灯りを照り返している。


「おっきいおっぱいやおしりの一部もドラゴン化(リベレイション)してる。

戦闘特化タイプってやつか。

なんの金属か分かんないけどマテリアル系だよな」


「なんだ? 二人だけかい?

中を捜索したがヒトっ子ひとりいない。

ほかにもいるはずだろう?

どこに行ったんだい?」


「オフィリアを離せ!」

「分かった」


あっさりと言うこと聞いた!

どさりと地面に落ちるオフィリアがヒト化して力無く横たわる。


「オフィ!」


駆け寄るオレとサクラコ。

膝をついて具合を確かめる。

致命と思われる傷が腹を貫いてる!


「オフィ! オフィ!」


オフィリアから返事がない!


「あんた誰よ!

うちのシェルターを破壊するなんてどういうつもりよ!」


膝をついたまま見上げて女軍人を睨みつけるサクラコ。


「あたし?

あたしはフラムってんだ。

シェルターなんてどこにあるんだい?」

「なんですって!

目の前で燃えてるじゃない!」


「ああ。あれのことかい?

ゴミの山かと思った。

お前らうちの領有地でこそこそと資源を漁っていたねぇ。

これはカントリー法に基づく制裁だ。

そんなことよりレイナはどこにいるんだい?」


カントリー法って言われると実はその通りなんだよな。

だからってシェルターを破壊するなんて許せるわけがない!


「はあ? レイナって誰のことかしら?」


サクラコがすっとぼけてる。

やっぱり奴隷のレイナが目的か。


「そっちの赤髪の女。

お前、フレイムクリスタルキャニオンでレイナと戦っていたろう?

谷に落ちたはずなのになぜここにいるんだい?

レイナがどこにいるか知ってるだろう?」


「知らないね」


絶対教えない!


「嘘だろ?

遠目で見ただけだが相打ちを装って谷に落ちたよな?

あたしの目はごまかせないよ。

レイナはうちにとってなんとしても回収したい重要人物だ。

あいつがいないとフレイムクリスタルキャニオンにあるっていう探し物が見つからないんだよ」


「探し物ってなんだよ?」


「あん? 古い古いお宝さ。

それが見つかればあたしらヴァルキューレはもっと強くなれる。

まったく。

だから兵として活用しないでふんじばっとけばいいって言ったのにねえ。

大事なものはしまっとくもんだ。

お前だってそう思うだろう?」


「いますっごい思ってる。

大事なものは近くに置いておきたいってな」


「あっはっは!

レイナの居場所を教えろ。

でないとお前らの仲間を地の果てまで追いかけて根絶やしにしてやる。

こんな風にな!」


蹴り!

オフィリアをぎゅっと抱きしめているサクラコの後頭部めがけて蹴りを放つ女軍人!

サクラコはオフィリアを介抱してんだよ!


「ふざけんな!」


二人の間に速攻割って入って両腕をクロスして蹴りを受け止めた。

生身じゃむちゃくちゃ痛い!

こいつの装甲すっごい硬い!


「ドラゴンソウル! リベレイション!」


ドラゴン化を待たずに格闘戦に突入!


大地をどすんと踏み込んで至近距離から金属の装甲で覆われた豊かな胸を打つ。

硬ってー!

生身の拳じゃこっちが壊れる!


シルヴィアにもらったブラウスとニーハイソックスを突き破って、素肌から硬質のとげとげした物質が生えていく。

蹴りと拳打で攻めるとプリーツスカートがひらめく。


「あんたかなりの美人だけどよ?

オフィリアの仇は討たせてもらう!」


クリムゾンレッドの長髪の間から金色のつのがメキメキと2本伸びていく。

金色の瞳も変質して銀河のように輝く。

胸がぷるんとでかくなる。

ブラウスがぱつぱつだ。


「かわいい服がびりびりだねえ。

オーガニズム系かい。

突起の鱗状てことはトカゲかい?

だったらあたしには勝てないねぇ!」


銀灰色に輝く拳の一撃を肘で受け止める!


「重い!」


威力が半端ない!

硬い上に重い。

速さはそれほどでもないか?


一撃一撃が急所を狙ってくる。

分かりやすくて単調。

虚実のかけらもない。

だけど一撃が恐ろしくやばいから気が抜けない。

こういうのって実は厄介だ。


軍式格闘術マーシャルアーツには違いないけどそんなの関係ないって感じで攻撃してくる。

それにまあ楽しそうに笑うこと笑うこと。

誰だっけ? ああそうだ。

イッシュとかいうおっさん傭兵が言っていた通り戦闘狂だ。


「ぬわ!?」


防御したつもりで肩で受け止めたんだけど、とげとげが拳打で破壊された。

オレの外皮の硬度を軽く超える破壊力。


「なんの金属だよ!?」

「教えてやろうか?

原子番号74。

硬度はダイヤモンド10に次ぐ9。

比重は金。

クロム族元素のタングステンさ!」


オレのガードを突き破って胸に入る拳!

胸がぷるんと大きく揺れる!


「ぐは!?」


口から飛沫が飛ぶ。


「あたしの拳は重いだろ?

大昔の国の言葉で重い石って意味があるくらいだからねえ?」


得意満面な顔で余裕しゃくしゃくだな!

でもさ?

攻撃がとろいんだよ!


「うりゃあああ!」


殴る。殴る。殴る。

蹴る。ぷるん。体当たり。

殴る。掌打。肘打ち。ぷるる。

蹴る。殴る。ぷる。膝蹴り。

ぷるぷるんぷるん。

胸がゆれて邪魔。


足捌きと体捌き、虚実を加えた体術で攻撃する。


だけど硬い!

防御に絶対の自信があるせいかあんまり避けない!

虚実の意味なくない!?

だったら!

殺すつもりでやってやる!


深紅拳の咆哮クリムゾンナックルブレス!」


拳をぶち込むと燃え上がる炎がブラウスの袖を焼きながら女軍人の腹に突き刺さって炎が噴き上がる。


「それ本気かい?」


輝く銀灰色のボディが炎を反射して輝いていた。

なんともなさそうな平気な顔。

マジ!?


「あたしは熱いのは得意なんだよ。

なんせ3000度だっていけるからねえ。

だけどびっくりだ。

トカゲが炎とは不思議じゃないかい?

……赤い鱗に炎。

まさか……龍種かい?」


「オレは炎龍だ!

これでも喰らえ!

龍尾の炎の鞭ドラゴンテイルファイアウィップ


大地を蹴って飛び上がりながら体を鋭く回転させる。

パンツを突き破ってプリーツスカートの下からずるんと一気に生えた極太の尻尾!

炎の噴射で加速!

噴き上がる炎の龍尾をやつの脇腹に叩き込む!


「おおおう!?」


吹っ飛ぶ女軍人。

いくら硬くて重くても遠心力と質量が合わさった威力は半端ないだろ!


地面に足をついても勢いが止まらないで横滑りしていく。

そんな状態でも顔はとっても楽しそうに笑ってる。


「えー? これでもダメなの?

もしかしてあんまりダメージない?」


ショックでオレの胸が萎んじゃうよ?


「サクラコ!

逃げるぞ!」


「もうちょっと待って!」


チラリと二人を見るとドラゴン化(リベレイション)したサクラコがソウルスキルを使ってる。

そっかもうちょい時間がかかるか。


「ちょっと苦戦もいいとこだな?

でも勝つしかない!」


燃えた右袖を破り捨てて肩まで露出させる。

シルヴィアにせっかく買ってもらった服なのに。

シクシク。

オレ、涙が出ちゃう。


「あっはっは!

そのドラゴンの尾!

まさかとは思うけど異世界最強と言われる龍種かい!

こいつは楽しむしかないねえ!」


あーあー。あの女軍人。

なんか嬉しそうにしてこっちに戻ってくるし。

やるしかない!


「オレの女は守る!」


『こちらはカントリー、テルースである。

カントリー、ヴァルキューレに告ぐ。

貴カントリーは領有地を侵犯している。

速やかに領有地外への退去を求める。

警告に応じない場合、実力を持って排除する。

繰り返す……』


「ちっ!

タイムリミットだね」


おお! やっときた!

こないかと思った!

カントリー、ドームの周囲は立地にもよるけど領有権がある。

当然、空挺艦エアボーンが3機も領有地内に現れたとなれば黙ってるわけがない。


「次に会ったらまた戦おうじゃないか!

さっき言ったことよく覚えておきな!」

「やなこった!」


ホバーバイクにまたがると飛んでいった。

空挺艦エアボーン3機もなんの応答をしないまま飛び去っていく。



「オフィリアの仇は討てなかったかあ」

「勝手に殺さないで欲しいんですよ?

まだ生きてるんですよ」

「オフィ! さすがサクラコ!」


「ふう! しっかり治ったわね!

わたしのソウルスキル、一角獣の息吹(ユニコーンブレス)はどんなもんよ!

死んでなければまかせなさい!」


「周りに誰もいなくて良かったな!」


サクラコの力は言葉通り、生きてればどんな傷でも治す。

この力は誰にも知られちゃいけない秘密の力。

うちのシェルターでも知ってる女の子はわずかだ。


「みんなを探しに行くんですよ」

「そうだよな!

でも探すっても燃えちゃってるし……」


「ちょっと待ってアナ! 忘れたの!?

探すのはここじゃないでしょ!

乗って!」


「え? あ! そうだった!

よし行こう!」


二人乗りのホバーバイクに無理やり三人で乗り込む。

そう。探すのはここじゃない。

隣接してるカントリー、テルースへとホバーバイクを飛ばす。



(※フィクションです。金属などの現象は実際の特性とは異なります)


☆次回<<< オレの胸で泣け!

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