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16ブレス<<< オレ、やわこいの好き!

「どうだ! すげぇだろ!」


ミニのプリーツスカートを翻しながら両手を広げて振り返る。


フレイムクリスタルキャニオンの深い谷の底。

太陽の光が水晶に反射して光が差し込んでる。


デートは残念だけど中止。

「どうせわたしなんかじゃダメなのよ……」と、怒るのを通り越して涙目でしょぼんと膝を抱えていじけるサクラコをなだめて四人で行動することになった。

いまはレイナとバトルしてシルヴィアと一緒に偶然見つけたシェルターの前に四人で立ってる。

ここには二人乗りのホバーバイクを2台借りて飛んできた。

オレの服装はそのままでシルヴィアはアストロスーツ。

サクラコとレイナはいつものアーマードスーツにギアポーチをつけてる。


「(かわいいか!)

……すっごい満面の笑顔ね。

うわあ。

なにこのシェルター。

ピカピカしてて出来たてほやほやみたい。

新築シェルターなんて見たことないけど」


サクラコが目をまん丸にしてシェルターを見上げてる。


「レイナも興味あったんだろ?

すごいだろ!」



「これは……まさか本当にあるとは……

これがあればルミナの復興も……」


聞き取れないほどぶつぶつと小さく独り言。

レイナがシェルターを凝視して返事をしない。


「お〜い」


目の前で手を振ったり、に〜って笑顔を向けても気づかない。

気づかないからおっぱい持ち上げて揉んでみた。


「きゃあ!?

なにするんですか!?

「やわこいか確認した。

どしたんレイナ?」


「そんなの確認しなくてもやわらかいです!」

「うん! やわこいの好き!」

「好き!?」


たじろぐレイナがかわいい♪


「あんたたちバカ?」

「サクラコがバカって言ったあ。

くすん」

「バカって言われても仕方ないわ」

「シルヴィアまでバカって言ったあ。

ぐすん」


「それで? どうしたのかしら?

なにか気づいたことでも?」


「あ、いえ。

間違いなく新世紀後に起きた世界大戦時に建造されたものですね。

ドーム状ではなく流線形のシルエット。

シェルターではなく……せ……いえ……軍事施設ではないでしょうか」

「やっぱり。

レイナもそう思うのね。

間違いなくってことは知ってるのかしら?

博識ね?

中に入るわよ」


さっそくみんなで扉を通り抜けて進んでいく。


「レイナはお姫様だからな!」

「元ですけどね。

このタイプはルミナの文献で見たことがあります。

シルヴィアもなかなかの博識ですね?」


「まあ……ね。

ところでアナ。

なんであなたは服のままでここにきたのかしら?」


「だってシルヴィアにプレゼントしてもらった服を脱ぐの嫌だったんだもん!

シルヴィアがアストロスーツに着替えちゃってオレはさみしい!」


「しょうがないじゃない。

シルヴィアはドラゴンじゃないんだから。

アストロスーツじゃないとあなたの大っ好き!なレイナが死んじゃうわよ!」


サクラコさん、なんで大好きのとこだけ強調すんの?


「それはやだ!

大体サクラコさ〜、なんでみんなでフレイムクリスタルキャニオンにくるんだよ。

デートの途中だったのに〜。

ジャンク屋のおっちゃんにホバーバイクまでレンタルしてさ!

高いのに!」


「お金のことなら気にしないでいいのよ。

わたしはそれなりに蓄えてるから」

「気にする!

そういやシルヴィア、どうやってレアもんを見つけられるか聞いてないな?」

「あとでね」


「カフェでアナとシルヴィアが話してたロストテクノロジーの話にレイナが興味津々だったのよ。

結局、シルヴィアとレイナがここに来たいって意気投合したからじゃない。

わ、わたしはアナとテルースに残っててもよかったのよ!」


「そしたらシルヴィアとデートが終わっちゃうじゃん!

そんなのやだったし!」

「言うと思った!

ふん!」


「先に降りてますわ」

「夫婦喧嘩はいいから。

一階の格納庫にはなにもなかったから地下に降りてみましょう」

「夫婦喧嘩!?」

「シルヴィア待って!」


こないだきた時と同じで一階の格納庫には何にもない。

階段を降り始めた二人を追いかける。


「わ、わたしとアナが夫婦……にへ」




「まじかあ。

新品のギアがいっぱいある」

「これノーマルギア? なんかかっこいい」

「こっちにはパワードギア。

しっかりタイプ別に並んでるわ」


地下一階の格納庫にずらりと並んでいたのはギアだけじゃない。

軍用機にしか見えない大小サイズの空挺艦エアボーンに軍事仕様のホバーバイクやトレーラーも数台並んでる。

武器庫に弾薬庫もある。


「……なんていう装備……

これだけあれば……」


レイナ一人、思い詰めた表情でいたことに誰も気づかなかった。


下に続く階段を見つける。

さらに地下もあるみたいだ。

とりあえず地下一階をあれこれ探索しながらみんなで進む。


「あれ? レイナは?」

「そういえばいないわね?」

「どこかしら?」


「ここです!

すいません。

ちょっと変わったギアを見つけたものですから。

アナが拾ったというギアと同じようなものだと思いますが?」


レイナに案内されたところに何機かギアが並んでいた。


「これこれ! ドラゴンギア!

カグツチと違うタイプのギアがいくつもあるぞ!」

「アナが見つけたっていうドラゴン用のギアね?

へー。かっこいいじゃない」


「だろ!

これ全部売ったらいくらになるのかな!」


「売るなんてとんでもないです!

これだけのもの、お金には変えられないほどのものです!

おバカさんですか!」

「レイナがバカって言ったあ。

ほんとに売ったりしないよう。

ふえ〜ん」


「ご、ごめんなさい!

興奮してしまいついうっかり。

謝罪いたしますわ」


「まあ本気で売ってもいいかもだけど?」

「謝罪を撤回してもいいですか?」


「これうちのシェルターのみんなに配ろうぜ!

防御力も上がるしバトルになっても安心だ!

それに立派なトレーラーで資源の運搬も楽になるし、みんな喜ぶぞ!」


「あのねえアナ。

こんなにいっぱいどうやって運ぶのよ。

ここ谷の底よ」


「あ……そっか」


「それにシルヴィアと一緒に見つけたんでしょ?

所有権はうちだけじゃないんじゃない」

「サクラコの言う通りだな!

ごめんシルヴィア」

「わたしたちにそんな権利は元々ないけどね」


「……所有権は放棄するわ」

「はあ!? 信じらんない!

なんでよ!?」


サクラコの声が広い格納庫にこだまする。


「軍用の装備なんてうちのシェルターには必要ないわ。

うちのシェルターは戦わないの」

「ふーん。そういやあんたが所属しているシェルターの話は聞いたことないわね?

まああんたのとこの事情なんてどうでもいいけど。

それにしても、なんでこんなものがこんなとこにあるのよ?

どれもこれも新品みたいだし軍事施設だとしてもおかしくない?」


「推測ですが大戦末期に建造されて使用されることのないまま放棄されたのではないでしょうか?

なんでここにあるのかまでは分かりませんが」


「そうだ!

シルヴィアは無理だけど、サクラコかレイナか、ドラゴンギアをつけてみないか!

ギアの性能もめっちゃすごいし、めっちゃおすすめするぞ!

脳波識別登録ならシルヴィアがやってくれるし!」


「わたくしにはルミナの王族に伝承されるギアをつけてますから」

「わたしが使ってもいいの?

ノーマルギアより性能がいいなら当然使いたいわよ。

かっこいいしもらっちゃうわよ?」


「何機かあるしオフィリアの分もあるしさ!

さっそく脳波リンクしてみろよ!

シルヴィアよろしく!」


「サクラコの体への影響が心配だけどいいかしら?

アナが脳波リンクした時はマッサージみたいで気持ちいいって言ってたから大丈夫だとは思うけど」

「マッサージ?

ドラゴン化するワクチン投与みたいに死ぬほど痛いんじゃなければ問題ないわ。

そうねえ?

どれにしようかしら?」


「これがいいんじゃないか!

このクリーム色のギア!

サクラコのイメージにピッタリじゃん!」


「アナがそういうなら……」


ハンガーに吊るされたドラゴンギアに手と脚を通すサクラコ。

うは♪ 楽しみ♪


シルヴィアがギアとアストロスーツの前腕についたコンソールをコードで繋ぐ。

ピピっと操作を始めた。


「脳波を繋げるわよ?

いいかしら?」

「いいわよ! マッサージなら楽しみね!」

「3、2、1、はい」


シルヴィアがコンソールをタップする。


「ひう!? ひゃう〜〜〜!」


サクラコの体ががくがくと震えて胸が大きく揺れてる。


「は! だめだめだめ〜!」


きゅうっと縮こまって股に手をあてがうサクラコ。


「「サクラコ!? 大丈夫!?」」


「大丈夫だよな♪

全身マッサージみたいで気持ちよかったろ?」


少し落ち着いたけど呼吸の荒いサクラコの頭を撫でるとビクッとしてる。


「はう! ……はあはあ……はあ〜。

……アナ……ねえ、お願い……」


なにを?

トロンとした瞳がオレを見てる。

顔がめちゃくちゃ赤い。

うは♪ かわいい♪


「な、なんだかいけないものを見たような気がするのは、き、気のせいでしょうか?」


レイナまで顔を真っ赤にしてる。


「は!? た、たしかに全身マッサージだわ。

だけど、こんなに刺激が強いと思わなかった!

足裏がやばすぎよ!

アナ……最初っからちゃんと教えなさいよね!

このバカ!

バカバカバカ、バカ〜〜〜!」


「サクラコが5回もバカって言ったあ。

ふわ〜ん」


「「どういうこと(です)?」」

「知らない! ふん!」


「オフィリアにも勧めような!」

「いいわね。ぜひやらせるわ!」

「「ふふふふふ」」


「なんだか恐ろしいと思うのは気のせいかしら?」


『アナ! サクラコ!

聞こえてるんですよ!?

応答してくださいよ!

シェルターが襲われてるんですよ!

オフィたちは……』


サクラコが持っている通信機からオフィリアの緊迫した声が格納庫に響く。


「「オフィリア!?」」


「どうした!

おい!

返事しろ!」


サクラコから奪い取った通信機からはザーッというノイズ音だけが聞こえる。


「レイナ! シルヴィアを頼む!

テルースのジャンク屋で合流だ!」

「ですが!」

「シルヴィアはオレの大事な女だ!

頼む!」

「分かりました」


「サクラコ! いますぐ行くぞ!」



☆次回<<< オレのパンツがびりびり破けた!

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