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ポーカースマイル  作者: 城井龍馬
エピローグ
40/40

ポーカースマイル

とある賭場でポーカーが行われていた。


ディーラーが三人のプレーヤーにカードを配る。


ディーラーは小柄だが威厳のある雰囲気。


白髪が目立つ短髪と立派な髭を蓄えている。


ディーラーは手際良くカードを配っていく。


一人目のプレイヤーが胸元のバッジを弄っている。


彼に入ったのはいきなりエースのスリーカード、ここは勝負といったところだろうか。


隣の黒縁眼鏡の女性も顔には出さないが同様の考えのようだ、落ち着かないようでしきりにキャップを何度も触っている。


二人目のプレーヤーは白髪を肩まで伸ばした女性、髪をかき上げている。


彼女は苦い顔をしている、手が悪いのだろうか。


彼女の横には、男性が立っている。


がっしりとした体型で整った口ひげが印象的だ。


その後ろから二人の男女があーでもないこーでもないと騒いでいる、男は細身だが筋肉質で眉間の皺を随分気にしているようだ。


女は小柄でスレンダーな体型。


束ねた髪を指でくるくると弄っている、癖のようだ。


その隣でも別の男女が話をしている。


年下と思われる男性が、赤縁のメガネをしている。


年上と思われるのが女性、左目元にあるホクロが印象的だ。


こちらは寄り添いながら穏やかに話している。


三人目のプレーヤーは整った顔立ちで常に微笑を浮かべ、手札を眺めている。


その後ろには三人組、爪を噛んでいる少年と同い年くらいの女の子、隣に年上の男がいる。


丁寧にハンドクリームを塗りこんでいるその男は、どうやら二人の父親のようだ。


そして近くに二人。


壮年の女性と中年の男性。


女性は少し曲がった腰をさすり、男性はボサボサの頭を掻いている。


一人目のプレーヤー、バッジの男が手札交換をするとフルハウスにまで発展した、顔に出そうなのを我慢しているのが見て取れる。


少し悩んだがレイズ、すると二人目のプレーヤー、白髪混じりの女性は降りてしまった。


が、三人目のプレーヤー、笑顔の男は手札を交換していないのに更にレイズ。


バッジの男と笑顔の男はお互い目を合わせた。


緊張が走る。


いざショーダウン、バッジの男はフルハウスを開示して笑顔の男の反手を待った。


しかし、笑顔の男の次の行動に、場の空気が一変する。


彼は突如として手札を山札に混ぜ、全てのカードを宙に舞わせた。


カードがひらひらと舞う様は、まるで時が止まったかのように見える。


赤と黒が交錯し、キング、クイーン、ジャックの顔が一瞬光る。


その一枚一枚に、一片の真実が刻まれているかのようだった。


笑顔の男は立ち上がり、彼が手にしていた山積みのチップに目をくれることも無く去っていく。


最期に見えたその顔は、やはり太々しいほどの笑顔だった。


彼の手札を知るのは彼しかいない、しかしそれを知る事はもはや叶わない。


ポーカースマイルに手の内を全て隠したまま、その手札が開かれる機会は永遠に失われてしまった。(了)

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