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空白の世界  作者: キサラギ フレシオ
2/14

始動

―――   始動   ―――


メイウェン「ネディア!ネディア!」

ネディア「何だよ?メイ 何か良いものでも見つけたの?」

メイウェン「違うよ!これネディアにあげようと思って」


無柄で金に光る2個の髪留め


ネディア「何これ・・・」

メイウェン「髪の毛につけるアクセサリーだよ つけてあげる」

ネディアの髪の毛を一房持って髪留めをつける

メイウェン「ネディア・・・」

ネディア「・・・何?」

メイウェン「ネディアの髪の毛さらさらすぎて髪留めが留まらない」

ネディア「・・・必要なの?」

メイウェン「ネディア今日誕生日だから 誕生日はね 生まれて来た事を

お祝いするんだって 母さんが言ってた」

ネディア「わかったよ・・・ 魔法で髪につけとく」

メイウェン「それ ネディアの事好きって 永遠に愛してるって 母さんに聞いて

文字つけたんだ」

ネディア「・・・・・え・・・?」


ちょっと頬を赤く染めながら問いかける


メイウェン「ネディアは嫌い?」

ネディア「嫌いなら一緒にいないよ」

メイウェン「・・・そうだね」

頬を染めてお互いに笑いあった



ある日



シャオロ「ネクロ 大変だ!メイウェンが!!」

ネクロ「どうしたんです?そんなに慌てて」

シャオロ「慌てずにいられるか・・・・ メイウェンが・・・」

ネディア「体全体が熱いんだ 汗も出てるし酷くうなされてる」

ネクロ「・・・何かに感染したんでしょうか?症状がわかりませんね」

ネディア「助からないの!?」


ネクロ「自分の子ですよ みすみす殺す事はしません でもこのまま

放って置けばそうなるでしょう 何か策を練ないと」

シャオロ「とはいえ何か良いアイディアでもあるのか?」

ネクロ「ふむ・・・・・・ あまりいい決断とは言えませんが未来の地球へと送る事です

我々は魔法というものがありますが 悪魔の私が天使の・・・

回復治療は持ち合わせていないしシャオロさんやネディアも

回復治療には疎いでしょう?」


シャオロ「確かに私は女神だが 癒やしの女神というよりは力の女神だし・・・

だが 私は未来に送るのは反対だ!母親として子の側にいるのが当たり前だ」

ネクロ「今は緊急事態ですよ?我が子を失う方が辛いでしょう?」

シャオロ「・・・・」


ネディア「くそぉぉっ!!俺がもっと魔法を知ってれば!!」

ネクロ「それは誰でも同じですよ 未来の地球に望みを託しましょう」

メイウェンの体を魔法で包み込む

ネクロ「治療されたらすぐに迎えに来ます それまで・・・」

パンッ!!と両手を叩く音と共にメイウェンの姿は消えた

ネディア「メイウェーーーーーン!!!」

叫ぶその声が一際大きく響いた



その後の事はよく覚えてない

メイがいなくなった後の記憶が曖昧になった

あれから世界は終わったかのような 長い孤独を感じた

この世界の住人はまだまだ少ない


メイがいなければ俺は独り・・・

時々シャオロやネクロディアと話はするが

俺の心にどこか線を引いていた



ネディア「もぉ我慢ならねぇ!俺はメイを迎えに行く」

ネクロ「迎えに行くって・・・ 未来の行き方はわかるのですか?」

ネディア「最近覚えた 大丈夫 早く迎えにいかないと!きっとメイも独りぽっちだ」

ネクロ「・・・わかりました ただし条件があります」

ネディア「条件?」

ネクロ「ちゃんと病気が治ってたら連れてきて下さい」

ネディア「・・・ああ」


言い終わると同時にネディアの姿が消える


シャオロ「・・・なぁ 一つ思うのだが」

ネクロ「はい?何でしょう」

シャオロ「完治した状態でつれてきても 病気した状態に戻る・・・

という事はないんだよな?」

ネクロ「ええ それは大丈夫でしょう」

シャオロ「ふむ・・・」

ネクロ「メイウェンの体を過去の状態に戻すのではなく メイウェン自身を過去に

戻すのですから」



人の記憶とは不安定に出来ている

忘れては覚え 覚えては忘れる

でも実際忘れている訳じゃなく 隅っこの方にちゃんと残っていて時々

無理矢理引っ張るように出てくるもの


あの後すぐにメイウェンに会った

うなされていた事が嘘のように完治していた

でも 何一つ覚えていなかった

こっちに送られた時に何かの衝撃で記憶を全て新しくしてしまい自分を

人間だと思っている

しかも人間の名前まで付けられて・・・


俺は嘆いた 嘆く事しかできなかった

全てが嘘のように・・・ 全てが夢のように終わった

メイと一緒に遊んだ事も メイと二人だけの秘密の場所も

メイと交わした約束さえも 全てが消えた


最初は夢だと思った 悪い夢だと

一度寝たらまた元のメイに戻ると

でも状況は何も変わらなかった

それどころかメイは同じ家に住む人間に恋をした

メイの心に俺はもぉ無かったのだ

そう感じたら体内の中の魔力が一気に膨大した



暴走



人と同じで感情が高ぶると押さえられなくなるあの強烈な力

しかも俺は他のどの悪魔や天使の魔力よりも強大な魔力を持つ

ちっぽけな俺の体はその力を押さえる事など到底無理な話だ


暴走は収まらなかった

一面の野原が魔力の力によって伸びたものや 焼けたもの

その場所がごっそり無くなったものなど異様な景色になった


俺の身体は悪魔へと様変わりした

その際に足が鳥とも似つかないかぎ爪のような足へと変化した

府の感情が強すぎるが故に起こる現象

魔力が悪に染まり 二枚羽になる

兄貴ネクロディアは困ったような顔をして笑っていた

その後俺は悪魔の世界に足を踏み入れた


皆の目は普通じゃなかった

底なしともいえる魔力を持つ俺を放っておくような輩は

ここにはいない


あっちでは俺をエサにしようと こっちでは俺を利用しようと

奥では俺の力に怯える者 近くでは俺の事をよく思ってない者も

血のような臭いと淀んで見える世界が最初は辛かった

頭痛や吐き気 居心地の悪さでおかしくなりそうだ


それでも悪魔としての性なのか 血の臭いがだんだん

香しい臭いにと変わっていった

その臭いで空腹を訴えたのか目の前の肉に思わずかぶりついた

美味いとは言えないが食べれた物でもなかった


後々気がついたらそれは人の肉だった

自分のあまりな事に衝撃を覚えた

体全身が震えていた

もし「これがメイウェンのだったら?」と思うと自分さえ憎く

もっと心に負担をかけた

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