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空白の世界  作者: キサラギ フレシオ
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契約

ネディア「さぁて・・・よくもうちの主人とマリアちゃんを

いじめてくれたね?」

満月「ひぃっ・・・や・・・やめろ!こいつがどうなってもいいのか?」

皐月を盾にしようとする

ネディア「くだらない」

目にも見えぬ素早さで皐月を取り上げる

ネディア「ごめんね・・・痛い思いをさせて」

息はしているもののぐったりしている皐月をぎゅっと抱きしめる


ネディア「さて・・・どうしてくれようか」

満月「ち・・・くしょーーーっ」

マリア「えぃっ」

容赦なく皐月についていた悪魔を容赦なく踏みつける

満月「いで・・・いででっ」

クエリオ「とりあえずただ憂さ晴らしするだけじゃ気が治まらないな」

頭からどろどろと悪魔に透明の水をかける

満月「あち・・・あちちちち」

ネディア「はいはい俺の魔力 喰らう?」

悪魔に向けて少しだけ魔力を開放する

満月「ぐぅぁああああっぐふっ」


3人はひとしきり気がすむまで悪魔をいじめた



* * *



マリア「こいつ私のペットで家畜のように扱い私の奴隷にさせるわ」

ネディア「まぁ本当は殺してやりたいけれど ただ殺すだけじゃ

つまらないしマリアちゃんの好きにしていいよ」

マリア「ええ」

ネディア「おっさんはもぉ帰ったんだね」

マリア「あの人一応あれでも天使ですものね・・・何か『これ以上は私の

規定に反する』とかいってさっさと帰ったわよ」

ネディア「何が規定なんだか ジジィ呼ばわりされただけであんなに

感情的になるのって天使としてどうなのさ」

マリア「まぁあの人らしいけれど」

遠く空を見つめるマリア


ネディア「今回の件はありがとうマリアちゃん 君がいなかったら

主人はもっと大変な目にあっていたと思う 悪魔も追い払えたし」

マリア「別にいいのよ 暇だったから助けただけなんだし」

ネディア「俺は自分の魔力暴走を回避する事は出来ない また

マリアちゃんに助けを求めると思う その時は・・・」

マリア「その時は又・・・助けてあげるわよ」

笑顔で悪魔界へ帰るマリア



* * *



こうして俺と主人は又 いつもと変わらぬ日常を過ごした

いろいろ起きても主人は俺を軽蔑しない だから俺は主人にずっと

ついていく どこまでも・・・ どこまでも・・・


主人にとっては長い年月過ぎた

俺にとっては短い時間


生きている者には必ず訪れる 死

それがとうとうやってきてしまった

死の前にどうしても主人に告げなければならない

どうしても・・・


ネディア「さて主人の死は明日に迫る そして主人は悪魔と契約した人間が

死ぬ場所を与えられると思ってはならない」

皐月「そう・・・か・・・」

ネディア「俺は悪魔だ 主人・・・大丈夫苦しませはしない 生きる事を

強要するわけじゃない」

皐月「う・・・ん・・・ネディア 君はそういう子じゃない」

ネディア「でももう二度と君という存在は生まれない 主人の魂は俺

ネディアの中で生き続ける それが俺と主人の契約の証」

皐月「はは・・・そうか・・・つまり俺は・・・生まれ変わる事が出来なくなる

そういうことだね?」

ネディア「そうだよ でもねこの契約はね俺の欲望でもある」

皐月「何だい?その欲望ってのは?」

ネディア「魂さ 魂が俺の中に永遠と生きていく

もちろん俺の魔力ですぐに跡形もなく消えるんだけれど

それでも形として残る それは主人 君と一緒に行き続けれる最高の幸せ」

皐月「成る程・・・君は一人ぼっちになって寂しいからね・・・わかるよ」

ネディア「まだマリアちゃんがいるけれどね」

皐月「その話 俺に拒否権はないんだろう?君が好きなようにしていいんだ」

ネディア「そうだね ただ主人には話しておきたかった・・・どうしても」

皐月「これから俺はいなくなるから?」

ネディア「そう・・・」

皐月「話し相手がいなくなるから?」

ネディア「そう・・・」

しばらくそんな他愛のない話をする


皐月「ネディア・・・そろそろお願い・・・」

ネディア「・・・わかった・・・」

ごぉぅとネディアの体から魔力が纏わりつく

そして皐月を優しく しかし確実に肉体と魂を引き剥がしていく

皐月「さよ・・・な・・・」

ネディア「いらっしゃい・・・主人・・・いや・・・皐月」

ぱくり と皐月の魂を丸呑みした



* * *



マリア「そうあの子寿命が来たの・・・」

ネディア「うん・・・今一緒にいるよ」

自分の体を手で撫でる

マリア「本当に貴方と会ってから私もいろいろあったわ・・・

あの頃は貴方 目で人を殺しそうだったのに」

ネディア「マリアちゃんが助けてくれたからだよ」

マリア「別に私助けるつもりじゃなかったのよ?

面白そうだったから」

ネディア「そういえばプラチナは?」

マリア「ん?あ~・・・貴方の主人に憑いていた悪魔?その下にいるじゃない」

ネディア「へ?」

マリア「その座布団が彼よ」

ネディア「げっ!?何でそんなのに座らせるのさ!」

マリア「だってお客様だし?丁重に扱わないと」

ネディア「にしたってこれはないでしょうこれは」


自分の下から座布団に成り代わった悪魔を引っ張り上げると

座布団から悪魔の姿に戻る


満月「酷いや姐さん 客が来るから座布団になりなさいと無理やりさせられ

『あ 誰かに乗られるのいいかも』と思いながらワクワク待っていたら

よりにもよってこいつですか!?」

ネディア「うわぁ・・・何このマゾっぷり こいつ豹変しすぎじゃね?」

マリア「犬みたいで可愛いでしょう?最近は踏んだりすると喜ぶのよ?」

ネディア「うぁダメだ・・・」

満月「それに貴様!あ・・・いえネディア様・・・」

ネディアが白目で睨むと急に態度を変える満月


満月「いえその・・・出来ればなぜ私がプラチナと呼ばれるのかを

知りたく思いまして」

ネディア「皐月の苗字は白金しろがね白金=白銀 

白銀はプラチナ だからプラチナ」

マリア「まただいぶひねるわね・・・誰もわからないわよそれ」

ネディア「いいのいいのどうせ名前なんか覚える気ないから」


ネディア「ねぇ・・・マリアちゃん・・・」

マリア「何?」

ネディア「マリアちゃんもいつかは死ぬんだよね・・・」

マリア「そうね・・・私貴方みたいに不死身じゃないもの」

ネディア「マリアちゃんの魂も欲しいな・・・」

マリア「何それ・・・セクハラ?」

ネディア「だってマリアちゃんは俺の女神だもん でもなあ・・・

だからこそもう一度・・・ううん何度でも僕の傍にいて欲しいのもある」

マリア「本当に貴方って・・・一人じゃダメなのね・・・」

ネディア「だからマリアちゃん ずっと一緒だよ?」

マリア「気が向いた時とあと未来によるわ」

ネディア「守るよ」

マリア「?」

ネディア「マリアちゃんの生まれ変わり・・・俺が守るよ」

マリア「そう・・・」



* * *



それから俺がマリアちゃんとどう過ごしたかは知らない

まだ先の話かもしれないし 過去の話かもしれない

新しい人間と又楽しく過ごしているかもしれない

おっさんと口げんかしながらも笑いあっているかもしれない

そして マリアちゃんの生まれ変わりが現れるのも先の話かもしれない

その時たぶん俺はマリアちゃんに死を告げると思う

だってマリアちゃんとして話せるのはそれが最後だから

そして多分マリアちゃんの最後の台詞はきっとこうだろう


マリア「ねぇ・・・どうして私が貴方に近づいたか知っている?

私ね・・・本当は貴方の事―――――」



FIN

管理人です

空白の世界ようやく終わりました

楽しんでいただけたでしょうか?

楽しんでいただければ幸いです

又新たな話が始動中ですのでお付き合いしていただければと思います

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