第8話 新しい魔法?
この世界に来た当時の事を思えばかなり強くなったと思う。食料の確保も一人で出来る。出会いも有る。なのに何故普通の恋愛が出来ない?多分これは贅沢な悩みなのだろう。彼女が欲しいと思ったら結婚しましたって貴族の政略結婚かって思う。
話は変わるが最近この付近に新たに住み着くものが増えた。多分ピースキーパー教から逃れてきた者達だろうと言われている。そのため食料や木材が不足し始め協力要請がギルドより来た。当然受けるのだが、最近他のパーティーとかからよく手伝ってもらえる。正直に言うと過剰に手伝い過ぎで少し邪魔でもある。
その時ツバキ姉妹等が近くに居ると怒られる。
「あれは狙われているのだ。丁寧に礼を言ったりするから相手も近付いてくる。直ぐに結婚の意思がないなら私たち以外に近付かないほうがいい」と言う。
「男と言うだけでも貴重なのにさらに魔力も高いってもう結婚相手としては最高なのですから。相手の中身を知らなくても狙われて当然です。私たちっていう婚約者が居ることも忘れないで」
それって自分達も含まれていませんか?あともう婚約者確定?って思ったが空気を読める俺は口には出さない。負ける戦いはしたくないので。
木を切ったりに剣は使えないし対象が変われば使う道具が変わる。当然だが面倒でもある。何か魔法でって考えた時突然何かが吸い込まれるように俺の中に入ってきた。正直一瞬気持ち悪かったが新しい固有魔法が増えた。いや……あの……神様”変態”って何ですか?嫌がらせですか?私は変態でも不審者でもないと思っていますが。
後日分かった。今日は斧が要るな……手が斧にでもなったら楽なのにと考えた時本当にそうなった。
神様に感謝した。
ただ残念なことに使えなかった。単純に叩きつけると痛かった。痛覚は多分変形した部分にはないが当たった衝撃?反動?が腕に来る。多分硬さも足りない。柔らかい対象に針の様に変形し刺したら成功した。使い方次第って感じでしょうか。
木を切って町に戻った時偶然まだ幼い子供が2人居るのを見付けた。男が少ないからかあまり子供を見なかったので見ていたら、俺の方にに寄ってきた。
「おてつだい、ない?」
「今は特にないかな?お手伝いしたいのかな?」
「食べ物欲しいの。たべるものないのママも動けないの」
「いつからかな?近くに居るの?」
「近くへ来たの。あの中にねママ居るよ。お手伝いするから何か食べるものほしいの」
「あのお家の中に入ってもいいかな?君たちのママが心配だからね」
「君じゃなくて私はセリ。こっちは妹のミツバだよ。ママ助けてくれるの?」
「助けたいからお家に入るね」
「ありがとう。入っていいよ」
中に入ると瘦せ細った女の人が寝ていた。こちらを見て驚いたがゆっくり話し出した。
「子供に食料を分けてもらえませんか……」
「あなたも食べてないのでは?」
答えてくれなかった。
「とりあえず食べ物用意しますね。と言っても保存食程度しかありませんが」
「お代はすぐにはむりですが必ず何とかします」
「この辺りでは困った時は助け合うように言われてます。出来る範囲だけですがお金は不要です」
外に出て準備した。急に固い物は消化できないだろうから柔らかくした肉とか薬草を使ったものにした。
食べ終わる頃に質問した。
「仕事とかは有るのですか?」
「今は有りませんがすぐに探します」
「得意な事とかは?」
「特に有りません」
「ほかに助けてもらえる家族とかは?」
「夫は居たのですが、戦争に……」
「これは失礼しました。」
「戦争……に行ったら女性の部下か出来、その人たちとの子供が出来たら将来の兵士候補を作ったと手当も貰えると私達を捨てて行きました」
「は?それは酷い」
「男の人ですから。今となっては貴重ですからね」
「いやいや同じ男ですがそれは酷いと思いますよ」
「あっ、男っぽいと思ていたのですが本当に男の人なのですね?」
「聞かなかったことにしてください。一応秘密なので」
「助けてもらった人を裏切りませんよ」
「ありがとう助かります。長い期間は無理ですが、掃除の仕事とかどうです?うちのパーティーの倉庫増築したのはいいのですが、広いからって荷物が散乱していて。少し狭いですが大人一人と子供二人ぐらいなら寝る部屋も作れますよ。まあ片付ければですが」
「子供も一緒でいいのですか?」
「離れては心配でしょう。一応リーダーと相談はしますが私個人で雇うので大丈夫です」
即サクラに承諾を貰い小屋に連れて行った。意外とサザンカは協力的だった。
「女の人を連れ込んで」等と怒られる覚悟はしていたのだが。
後日会話を聞いて理解した。
子育てと夫との接し方とかを細かく質問していた。
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