第54話 最悪
多分そろそろ終わりです。思ったより見ていただけたみたいでありがとうございます。最後まで毎日更新で行く予定です。
悪魔は王国の中心部である王都に来たのは間違いないらしい。逃げ出している人達が教えてくれた。
「これはもう国境とか気にしている場合ではないな。この先にはいい道が無いしとりあえず少数で偵察に行こうか。サクラさん、この後俺が戻るか指示を出すまでここをお願いします」
「な、セートも行くのか?」
「自惚れでなければ多分対処できるのは俺だけかと。当然生きて戻りますよ」
「駄目だ危険すぎる」
「ここでの最高司令官は俺のはずです。最低限の人数で行ってきます」
「お出かけではないのだぞ」
「後を頼みます」
国境を越えて進んだ。移動には馬を使った。
王都が見えてきた。でもまだ魔力をそんなに感じない。
なんて考えていたら王都から巨大な火球が飛んできた。
出来るかな?「魔力を奪い取る」
出来たのは出来たが気持ち悪い。魔力を一気に取り込み過ぎた。
どうしようか?このままでは俺が耐えられない。
そうだ地面に逃がそう。「地面に魔力放出」と言うと……地面に草が生えた?!なんで?
「せ、セート。今のは魔力の……浄化ですか?普通使われた魔力は地面に吸収されてゆっくり浄化されまた魔力として使われる。だからダンジョンはその浄化前後の魔力を狙って地下に作られると言われている。しかし浄化など人間に……というより生き物に出来る物ではない。……っていつまで動かない?」
「コデマリ、久々の出番と解説ありがとう。動かないのではなく動けないんだよ。魔力は大丈夫だが体が痛い……」
「魔力を一時とはいえ大量に吸収し、その後排出。良く生きてるな。そう言えば2撃目来ないな?」
「来ない方が助かる」
「誰だお前たちは?」突然近くに気配を感じた。
「あ~、悪魔さんですか?こちらは人間です。そろそろお帰り頂けませんか?」
「無理だな。今食事中だ。まあお前と戦うと腹が減りそうだ。ここの食事が終わったら帰っても良いぞ」
「今すぐ帰ってほしいのだが」
「今吸収中だもう少し待てよ。お前の後ろにいる人間はこの辺りのより美味しそうだ。そいつら貰えるならすぐ帰るぞ」
「この人たちは俺の婚約者(本当は一部違う人も居るが)だ。渡すわけないだろ」
「我儘はだめだよ」
「その言葉はそのまま返す。嫌だが戦うしかないみたいだね」
「人間に何ができる?弱いのに数が居たら勝てると思っているのか?」
「……一つになる」
「えっ?す、すいこまれる~」
悪魔取り込んでしまった。とりあえずそれより王都は……
惨状だった。干からびた人だった物と辛うじて生きている人……
生きてる人は何とか助けよう。魔力足りるかな?
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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