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第5話 冒険者パーティーを追放って……

 「追放ですか?冗談で……はないですか。確かに無能なのは認めますが、追放されるような事をした覚えはありません」

「有能か無能かは関係ない。多分君は悪くない。しかし君のまだ知らないパーティーメンバーも居る。全員の生活も有るんだ。君だけを守ることも出来ないんだ。そうだモモとは結婚するのだったか?良かったら連れて行ってくれないか?君たち二人の旅を始めると思ってくれたらいい」

「ある程度の祝儀と迷惑料も渡すから、私たちの為だと思って」と言われると嫌とは言えない。こちらがお世話になっている訳だし。できるだけ早くという事なので、すぐにモモに相談した。

「モモ、俺このパーティーから出て行く事になった」

「何で?そんなの嫌だ。折角出会えたのに」

「俺もそう思ってるよ。でも皆の為に出ていくように言われた。で、あの……な俺とモモって仲がいいだろ?結婚するなら一緒に行っても良いと言われたんだ。こういう聞き方は卑怯かもだが一緒に出ていくか?」

「そう言ってもらえて嬉しい。一緒がいい。けど喜べない。ここは私たちの家で皆家族みたいなものだし」

「そうか。俺もそう言ってもらえて嬉しいよ」

「今セートと別れたら二度と会えない気がする。セートと離れたくないよ」

「ありがとう。でもごめんね。少し他の場所で生活して数年したら遊びに来るぐらいは出来ると思う」

多分モモは追放ではないはず。俺が一緒でなければ大丈夫だろう。

直ぐに出発となった。モモと二人旅だ。隣の都市までは数日で着くらしい。でもそこよりもう少し遠い都市を勧められた。

 

 町を出た翌日モモが嫌な予感がすると言う。話し合った結果一旦戻ることにした。町の中にはモモだけ行ってもらう。とりあえず俺は外で様子見だ。

戻ってよかった。町の反対側の外で戦いが起こっているらしい。相手は魔獣ではなく人間だと。追放がとか言ってられない。現場に向かった。対人の戦闘なんか嫌だ。でも太陽の光の人たちには助けてもらった。あの人達の為なら戦える。そう思った。戦場なんて縁のない俺には遠距離からの支援位しか出来ないだろう。味方に当てぬよう敵の後方に豊富な魔力を大量に使い……。

 気が付いた時には気を失っていたらしい。野戦病院みたいな所で寝かされてた。目覚めると、

「無傷で運ばれるなんて珍しいな。しかも君男なんだね。こんな状況でなかったら色々観察したかったのだが」と医者?看護師?みたいな人から笑いながら言われた。

「すみません。ありがとうございました。戻ります」

「何かな、巨大な魔法を敵陣に打ち込んだやつが居るらしく敵は撤退を開始したみたいだよ」

「そうなんですか?よかった。」

「まあそんなに無理せずに休んで居ろ。魔力を使い過ぎて倒れた人に助けられたと言う数人に丁寧に運ばれて来たんだ。これ以上は無理するな」

「では、こ……恋人も一緒に来たので探して見つかったら一緒に休ませてもらいます」

「きちんと休めよ。恋人との時間も大切だろうが。戦闘で興奮してとかいう話も聞くしな」

「よくわかりませんがもう疲れているので大丈夫だと思います」

とりあえずモモを探すとサクラとツバキを見付けた。

誰かが倒れてそれに話かけてる。

嫌だなパーティーの誰かが倒れてるのかな?

でも近くにモモは居ない……。どこ行ったんだろう?

近付いたら「何で戻ってきた?」と怒鳴られた。

「いくら追放とは言え戦闘なら知人を助けたくなるのは仕方ないのでは?」

「そうだけど、そうではなく……お前たちには幸せになってほしかったんだよ」

意味が分からない……本当は分かりたくない

「モモは?」

「そこに居る。もう長くはない。これでは追放した意味がなかった」

「回復魔法を使います」

「苦しみが長引くだけだ。最後に話してあげてくれ」

モモに駆け寄った。

「モモ結婚しよう。な、この怪我が治ったら結婚して幸せになろ……ではなく必ず幸せにする」

「ありがとう。うれしい。結婚する。怪我治す。なんか寒いよ温めて。二人で一つに……なろ」

「そうだこれからは二人で一つになるんだ。だから元気になってくれ神様でも何でもお願いします!」

(固有魔法一つになるの発動条件解除。発動します。対象者は重体な為取り込み次第治療を開始しますがこれには魔力が必要です。現在魔力減少中の為治療速度を落とします)

「俺の魔力より治療を優先してくれ」

突然叫んだ俺に状態が分からない周囲の人々。「あれそこにモモ居たよね?」「消えた!」「モモお姉さんどこへ行ったの?」「治療を優先?何の?」等。みんな現状が分からない。


 実は俺もわかっていない。多分神様に貰ったユニーク魔法でモモと一つになったのだと思うが、”一つになる”って何だよ?一応治療するって言っていたから、助かったんだと思うが。

(「ここ暖かくて気持ちいいよ。私死んだのかな?せっかく結婚できそうだったのに。いや違う結婚しようと言われたと言う事は結婚した……はず。私は結婚できた。そう思っておこう」)

何か頭の中にモモの声がした。これ聞いて無い事にした方がいいやつかも。


 サクラに説明した。ユニーク魔法によってモモと(物理的に)一つになった事を。

何か勘違いされてる気もする「子供が楽しみね」って言われた。けが人相手に何するって言うてるのか?

謝罪もされた。対人戦闘は出来たら体験させたくなかったから追放ってしただけだったらしい。

戦争に巻き込みたくなかったみたい。確かにしたいものではない。でも「恩人を置いては逃げれないです」とは伝えた。本当にそう思っている。彼女たちがいなかったら死んでいたと思う。

モモにも話しかけた。今繋がった事にして。先ほどの独り言は誰も聞いてませんよ。

また笑って話せそうでよかった。



ここまで読んでいただきありがとうございます。

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