第41話 ダンジョン内の整備
ダンジョンの入り口付近は殆ど探索も終わり危険な場所も無かったので、簡易的な冒険者用の学校を作った。年齢、怪我等で冒険者を続けられないが、色々な場所の戦闘経験のある人に先生になって貰い、ダンジョン入り口付近の安全な場所で戦い方、魔獣の解体方法等を教えている。
偶然か効果が有ったのか学校を作って少ししてからはダンジョン内の死傷者は減り、逆に毎日適度に稼げる人が増えた。
それを見ていたサクラとミモザに
「この学校ってなかなかいいな。今までは知り合いに頼んで教わったり、弟子に成ったりしか教われなかったのがここに来るだけで勉強できる。更に怪我や年齢で引退して仕事に困ってる人も助けてる。今ダンジョンに来てすぐに怪我した奴が学校に来たりもしてるらしい。教わった奴の稼ぎと怪我の少なさを知り何で誰も教えてくれなかったのかと怒るやつも居るみたいだ」
「一応成功みたいですね。でしたら、ダンジョン外にも学校を作り皆の能力を向上を目指しませんか?当然冒険者以外も」
「それはいい考えかもしれませんが、予算の問題が有りますね。建物を作ったり道具をそろえたりにもお金がかかりますし」とミモザは答えた。
「いや、このダンジョン入り口付近を学校にと思ったのですが?」
「セートさんそれは危険ではないですか?非戦闘員をダンジョン内に居れるのは」
「まあそうなんですが、冒険者の素材もダンジョン内で買い取りでき、内部に服や武器防具の作成の学校が有れば冒険者に安く提供できそうですし。少し奥の方に我々の駐屯地を作れば内部で急に魔獣が出てきても何とかなるのでは?」
「普通はまずご自分の身を大切にして欲しいのですが……。一応代表の考えですので会議で議題としてみます。では失礼します」とミモザさんはギルドに戻って行った。
残ったサクラさんは「なあセートまじめな話だがここを要塞化するのも良くないか?街の方が攻められたらここに避難出来て食料も確保できるし。ただ奥にどんな大物が居るか分からないから最悪前後を敵に挟まれてしまうが」
「そうですね。そうするために俺たちは早く一番奥まで到達しないとですね。奥の敵が弱ければ保護区を作って繁殖させ一定数以上になると討伐する……言ってみれば養殖みたいなことも出来ますしね」
「そうだ話変わるけど聞いてもらえますか?最近俺が考えて居る事なんですが、強い軍を作って国を守りたいのです。どこよりも強い軍隊を。強くても守る事しかしない軍です。多分強い軍を持ったら他国と戦争したがる人も多いでしょうがその兵力を使って不戦条約を結ぶかお互いの戦力の削減を提案したいのです。守るための軍隊って今みたいな状況なら必要だと思います」
「これだけ人口減ってもまだ戦争しようとしてる国も有るからな……人間亡ぼしたいのかと最近思うよ。だから気持ちはわかるが、人々の考えを変えるのは難しいだろうね」
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