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第19話 出会い

登場人物を増やしてみました。

 セートは珍しく一人で森を巡回していた時偶然人の様な気配を感じたので声を掛けた。

「誰かそこに居ますか?」

「居るぞ、こんなところに人が来るとは珍しいな」

貴方も人ではないのかな?と思いながら近付くと、老いたエルフが一人居た。

「おや?君は噂の異世界の人か?」

「そうです。初めましてですよね。セートと申します。こんな所で何をしてるんですか?」

「何をか……何だろう、散歩かな?儂はエルフのローと呼ばれる爺さんだ。略してエロ爺と呼んで……」

「それは遠慮しておきます」

「そうか残念だな。今時間あるか?少し聞きたいことが有ってな。個人的な用事なんで断ってくれてもいいぞ」

「今は大丈夫ですよ。お茶でも飲みながらお話ししましょうか」

近くに座り持っていた水筒からお茶を渡した。

「ありがとう。突然で申し訳ないが、君は転移してきたみたいだね。前の世界はどのような世界だったんだ?答えられる範囲だけでいいから知りたくてな」

「前の世界は此方とは違って魔法がないのです」

「魔法がないと不便ではないか?」

「その代わり機械とかの技術が高く、地面を高速で移動したり、空を飛んだり出来ます」

「そちらでも空が飛べたのか」

「こちらでも飛べるのですか?」

「ん?そうだねこちら世界でも魔法で少しは飛べるよ。高度は低いし短時間だがね」

「こちらでは馬車とかの移動になるので慣れるまで大変でした」

「そうだな。遅いからな。遅い分揺れは少ないが」

何か頭の中に違和感が……何故だろう?

「エルフの方って魔法が得意な印象が有るのですが……合ってますか?」

「そうだね。魔法は得意?得意と言うか攻撃としては魔法か弓位だね。刀もないし」

「でしたら沢山の魔法を知ってそうですね。俺はまだ少ししか使えません」

「魔法か……便利だが人を傷つける物だから気を付けないとな」

「やはり戦争とかで……?」

「若い頃は何も考えずに魔法で敵を殺した。それが正義だとな。今思うと恥ずかしいが戦争と酒と女位しか興味なかったな。敵を倒せば褒められいい酒を飲める。女も寄ってくる。そんな生活を何百年かして、最近の大きな戦争が終わって気付いた。沢山の戦友を亡くし、世界から男を減らし、瓦礫の山を作り。わしは何のため戦ってるのかと」

「そんなに長い間戦ってたあのですか?」

「それはずっと戦っていた訳ではないぞ。戦闘狂ではないのだから。誰かが攻めて来た時とかだけだよ。生まれる前から戦ってるからそれが普通だと勘違いしていたよ」

「生まれる前から?」

「そうだ。言っても信じてくれないが前世が有るんだ。3人に話したら10人に笑われたがな」

「どのような前世でしたか?」

「兵隊になるよう育てられ、空が飛びたかった儂は海軍と言う軍隊の航空隊と言う部隊に入隊できた。戦闘機と言う空を飛ぶ兵器に乗り銃と呼ばれる金属の弾丸を飛ばす武器で敵を攻撃するんだ。戦闘機を乗せる船に乗り遠くまで行き戦ったよ。最後は爆弾と言う爆発するものを戦闘機に付けて敵の船に当てて来いと言われて終わったがな」

「そ、それって特別攻撃隊?日本出身なのですか?」

「特攻か。なんか美化されて呼ばれてたな。日本か……わしの頃は帝国と名乗っていたぞ」

「こんな偶然あるのですね。戦争が終わり大日本帝国はなくなりましたが、日本として存続してましたよ。俺の前世が終わった時点までしか知りませんが」

「偶然……なのかな?神様の気まぐれかもしれないぞ。何か意味が有ってこの世界に来たと思うんだ。教の出会いも意味が有ればよいが」

「貴重なお話をありがとうございました先輩」

「先輩か……久しく聞いたな。また多分意味が有るなら会えるだろ。まあ何か気になることが有れば他のエルフにローはどこか聞けば会えるかもしれない。忘れてたが本名は一郎だ。いつの間にかローと呼ばれてた。省略しすぎだろ。楽だけどな」

「ありがとうございました。一郎さん。是非また会いましょう」


こうして珍しい男の人との出会いが有った。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

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