第15話 建物
実験的に魔法で作った素材を並べて簡易の壁を作った。魔法で攻撃しても耐えられるが魔獣の体当たりは実験できないので耐えれるか分からない。倒れない様に四角い箱状の建物のような形で作ったのが好評で、中で待機したり、武器の保管等に使えると前線に優先配備した。
実戦で多数に囲まれ逃げられなかったが中は眠れるほど安全でしたという危険な報告まであった。
一定の防御が出来るようになった頃、魔獣が来る方向に偵察を出した。近くに巣を作っているらしい。
巣の近くに少し大きめの基地を作り、毎日の新鮮な肉の調達に成功。魔力を抜く方が間に合わなくなってきた。魔力を抜く作業も毎日頑張ってると成長する。今では二頭同時にできるようになった。
あと体内から魔石と呼ばれる魔力を蓄えられる石のような物も大量に入手した。
魔石に踏むと火が出る装置を付け魔獣が通りそうなところに設置した。簡易の地雷みたいなものを作ってみた。目的は殺すことではなく、火傷などで相手の戦闘力を落とす、この辺りは危険だと魔獣に思わせるためだ。
効果は有った。地雷原の近くに足を怪我した魔獣が多くいた。人は入ってこないよう少し離れた所からこの辺りは危険との看板を置いていたので今の所怪我した人間は居ない。
今日は余裕も出来たので久々に皆で中心地に戻ると大きな都市の様に見えた。
「いつの間にか人口増えたね」
「まだまだ毎日増えてるよ」
「これ以上増えるのか。まとめるの大変そうだな」
「なぜ他人事?セートが代表だろ」
「そう言うのは出来ないと言ったはず」
「しかし皆様セートさんを勇者だと思ってますので、セートさんの指示なら従うと思いますよ。でもお一人では大変ですよね。良かったら妻となり一緒に支えていきたいと……」
「そう言えば結婚か……。正直まだ実感ないんだ。向こうの世界では一夫一妻の国に住んでいたし」
「世界が違うと常識も変わるんだな。とりあえず、新居の土地確保したから家作らないか?」
「ツバキさんいつの間に?どの辺りですか?」
「すぐそこだよ」
「ここって中心地ですよね。良く手に入りましたね」
「ここから先、向こうに見える道まで」
「いや城でも作れと言うのですか?」
「王と言えば城か屋敷だろ」
「王ではないと思うのですが」
「代表なのだから王でも同じだろ」
「ここに何年かけて作る気ですか?」
「あの魔法で作った素材で、仮設住宅を作って皆で済まないか?」
「もうこのメンバーは家族みたいなものですからね、分かりました」
「サクラも結婚か……相手が見つかるとは奇跡だな」
「ツバキ……よく人にそんな事言えるね。サザンカいなかったら結婚なんてできなかったでしょう?」
「あれ?サクラさん結婚するんですか?」
「先ほど皆家族だと言いましたよね。私とは家族になって貰えないのか?」
「えっ?いやダメと言う事では……しかし俺って何人と結婚するんだ?」
「そうですね、サクラさん、ツバキ姉さん、モモ姉さん、私、ローズマリーさんと15年後にセリとミツバだったかと」
「サザンカ、よく覚えてるな……というかなぜ15年後を知ってる?」
「セートさんの事をずっと見てますから余裕です」
少し怖かったのはなぜ?
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