第13話 また新たな力が
とりあえず魔獣は食べられることが分かった。こうなると魔獣の巣を探し、弱い魔獣なら適度に狩れば定期的な肉の確保が出来そうだ……と思ったがなかなかそう条件良く見つかるものではなかった。
まあ普通に未開拓の森の中には沢山居るからすぐに困りはしない。一番厄介なのが俺しか魔力を抜けないことだ。
まだ魔獣の肉は食べたくないって人が多いため需要は多くないが、食べた人からは好評だった。
しかしそれで勘違いしたのか自分達で魔獣を狩り食べてしまう人も出てきた。特殊な処理をしていることは伝えているのだが……。
最近はモモと俺とツバキ姉妹の4人でのお出かけが増えてきた。モモがデートと言う言葉を覚えていて、これは焼肉デートらしい。まあ間違ってはいないかもしれないがデートの定義って何だろう?
今日も現地で焼いて食べてから残りは数頭持ち帰った。残りは近所に渡す。対価は求めないが何かと交換してくれることが多い。
最近毎日のように魔法を使っているからか魔力が増えている気がする。これは慣れてきたのかと思っていたらまた魔法が増えた。”Hになるほど硬くなる”……これって鉛筆とか硝子の話だよね?
確か2Hとか9Hとか有ったはず。
そう考えていたら近くに居たモモ達が
「さっきからHってよく言っているけど何かあったの?」
「モモ姉さんそれは多分セートさんが覚悟を……セートさん今度二人でお出かけするときに色々試してみます?」
「そんな事より、そろそろ飯の時間だな。とりあえず肉食わないか?」
これが肉食系ってやつか?サザンカは魔法を試すって言ってるんだよな?
微妙なので一人で魔法を試した。手を変態してHにした。自分で言ってる意味が分からないが成功した。手を刃物にして固くしたら武器になった。”Hになるほど”なので2H…3Hと上げていくと岩を相手にしても負けない硬さとなった。最後に心配していたが元に戻っても痛みはなかった。岩を叩いてから気付いたのだが素手で叩いたら痛いなと。骨とかに異常もなかった。
後日4人で出かけた時新しい魔法で戦った。苦手だった接近戦で使えるのがよかった。
肉を持って帰りローズマリー親子と食事中に今日の話となった。
興奮したモモが
「今日セートさんが変態で……Hで凄く硬くなって激しかったのよ(接近戦が)」
聞いていたローズマリーは固まった。食事中で子供もいるのに何を言ってるのかと。
「そ……そんなに凄かったのですか?」
「そうですね。セートさんはまだ(戦闘に)慣れてないって感じだったのですが、今日は凄く良かったです」
「最近慣れてきたのは有るだろうが、今日のは良かったな。硬さも有るし良い攻め方だった」
ツバキ姉妹の発言にモモも納得していた。「凄かったね」と
「その……今度行くときは私も同行してもいいですか?子供たちは任所の方に預けますので」
ローズマリーの発言にツバキは答えた
「そうだな……(魔獣に近付くのは)慣れてない人には危険なのだが、あの動きは凄いからな。セート意外にできる人は居ないだろう。見てみたい気持ちはわかる」
それはどのような動きなのだろう?ローズマリーは凄く見てみたくなっていた。
その時俺は何か勘違いしている気がしていた。しかし何が間違っているのかは分からなかった。
ローズマリーと一緒に行くときはセリ姉妹に何かお土産持って帰るか、と別の事を気にしていた。
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